講義④ インテリア

 皆さん、時間です。それでは4回目の講義を始めます。今日のテーマはインテリア。という事で早速ですが、ひとつ質問をさせてください。インテリアにおける装飾とはどの部分でしょうか。模様。そうですね。他には?色。良いですね。まだ挙げられる方はいますか?居なさそうなので、今日の本題に入ります。それが、インテリアになぜ装飾があるのかという点。これから少しずつ、その謎を解き明かしていきたいと思います。


 とはいっても、今のインテリアは子供向けのものでもない限り、比較的シンプルなデザインのものが多いですよね。インテリアそのものには装飾を求めず、置物などで美しさを演出する。そういう方も最近は少なくない気がします。ならば、インテリアの大半は装飾がないのかと言うと、そういうわけではありません。


 先ほど挙げられる方がいませんでしたが、必要以上に凝った形状もまた、装飾と言えます。波状にデザインされた椅子。四隅が丸くなっているテーブル。まだ他にもありますが、これらは最低限の要素とは別に、無くてもいいものを特徴として持っているインテリアです。


 では、改めて問いましょう。インテリアに装飾が加わるのは何のため?その答えは主に2つ。お洒落に見せるため。利便性向上のため。これらの理由を装飾美学の観点から分析すると、必然的にマーケティング論に繋がります。


 どういうこと?そんなふうに思われる方も、中には居るかもしれません。ですが、皆さんがインテリアを選ぶとき、価格帯もそうですが、使い御心地や、部屋の中に置いた際の見栄えなども気にしていませんか?その際の選ぶ基準として重要なのが、他でもない装飾になってきます。この装飾部分を無視しておきながら、気に入ったという理由でインテリアを買う人はまず居ませんからね。


 また、インテリアは模様や、色、形状が装飾となっていますが、広く捉えれば、インテリアそのものが装飾として機能する場合も考えられます。それが特に使うわけでもなく、ただ部屋の中に置かれているケース。このような例では、インテリアが部屋を美しく彩る装飾的オブジェとして、常に一定の存在感を放っています。


 つまり、インテリアは装飾部分を含有しながら、単体でも装飾物としての効果を発揮できる、汎用性の高いものと言えるのではないでしょうか。


 さて、本日はインテリアをこの講義のテーマとして扱ってみました。少しは楽しめたでしょうか。感想や質問、要望などをぜひ伝えたいという方は、この後、私の所まで来てください。本日の講義はこれで終わりです。

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装飾美学論 刻堂元記 @wolfstandard

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