第20話
スカウトできれば、兵士たちの武器のメンテナンスも格安でお願いできるかもしれないし……今の俺ならあの依頼も達成できるだろう。
俺がこれからやろうとしていることは一応、ゲームが始まってからのイベントになるため、少し原作に影響が出るかもしれないが……悪影響ではないはずだ。
そうなるあrと、まずは冒険者ギルドにいく必要がある。
……まあ、そもそもダンジョンに入るための依頼が出現しない可能性もあるから、期待しすぎないようにしないとな。
冒険者ギルドへと向かった俺は、早速依頼を確認していく。
「あれ? レイス様? 本日は素材の売却ではないのですか?」
「ああ。今日は依頼を探していてな」
すでに何度かこちらのギルドは利用しているので、ギルド職員とは顔馴染みだ。
俺が笑顔で応対すると、向こうも笑顔で答えてくれる。
「どのような依頼ですか?」
「たぶんだが、ヴァリドー家が格安でだしてしまった『廃坑の調査』の依頼が残ってなかったか?」
「……あー、はい。ありますね……」
うちの親が料金をケチって出した依頼であり、たぶん誰も受けていないだろう。
案の定、なんとも答えにくそうな様子のギルド職員に苦笑を返す。
「このまま放置しておくのもよくないからな。どうせうちの家族が報酬を見直すことはないし、俺が処理しておこうと思ってな」
「……ありがとうございます、レイス様。それでは、早速依頼受領の手続きを行いますね」
ギルド職員とともに受付へと向かう。俺は持っていた冒険者カードを差し出すと、ギルド職員は受付に置かれたパソコンのような機械へとそれを差した。
これらは魔道具らしく、依頼の情報や冒険者の情報を管理しているそうだ。
まあ、パソコンとほとんど同じような性能のものだと思っていいだろう。
依頼などの情報の記入が終わったようで、魔道具から俺の冒険者カードが出てきた。
ギルド職員がそれをこちらに差し出してくる。
「では、どうぞ。お気をつけてくださいね」
「ああ、分かってる」
依頼を無事受注した俺は、早速目的のダンジョンへと向かおうと思ったのだが、そこで冒険者に声をかけられた。
「レイス様。最近の領内の噂話知っていますか?」
「え? どんな話だ?」
「領内に現れる謎の冒険者、リョウについてですよ。特殊モンスターとかをバンバン狩ってくれてるみたいで、救われた冒険者もいるみたいで……実は俺もその一人なんですけど……ギルドに登録されてないし、何かヴァリドー家が知っていたらな、と思いまして。あっ、お礼とかしたいので!」
……ああ、そうだったのか。
確かにどこかで見覚えがあると思ったら、先週くらいに助けた冒険者じゃないか。
どうやら俺と同一人物とは気づいていないようだ。
ふふふ。いかんいかん。ニヤけそうになるのを必死に澄ました表情で誤魔化す。
表と裏からこのヴァリドー領を支えていくのは案外悪くないかもしれないな。
普段は普通の貴族として振る舞いつつ、裏ではそういった英雄的活動を行う。
やっと、俺がやりたかった異世界での生活ができはじめているな。
「俺もその情報については聞いていて、調べてはいるんだが……なかなかなくてな。むしろ、こちらが知りたいくらいだったんだ。何か分かったら教えてくれ」
「へい! もちろんです!」
最近は、ギルドで依頼を受けることも多くあるからか冒険者たちともうまく交流をできている。
とりあえず、そこまでの話を聞いた俺は人目のつかないところで空間魔法を発動して目的のダンジョンへと移動した。
―――――――――――
宣伝
別作品「妹の迷宮配信を手伝っていた俺が、うっかりSランクモンスター相手に無双した結果がこちらです」が書籍化します!
https://kakuyomu.jp/works/16817330658744103065
こちらの作品です!もしも読んでみて気になったという方は予約、購入していただけると嬉しいです!
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
楽しかった! 続きが気になる! という方は☆☆☆やブクマをしていただけると嬉しいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます