夜釣


踏みしだくたび骨になる枝たちを卯月のうららかな手のひらへ



くずれないで 名をあててゆくひとときのちいさな月がしずむ釣堀



はらはらと尾鰭は苗のやわらかさあなたが空を思い出すまで



火を点ける みどりをとおくから投げて龍が掬ってきたような色



いざなえば腕になるから指揮棒のかたちでいちど濡らしておいで



引かれては引いてはじまる楽章の、その鱗から冴えわたる星



歯牙すべて閉じられている 朧夜の端から端まで銀を咥えて

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