凍傷


ふかぶかと水よごす脚 とどかない石のしろさを藻はめぐりゆく



なめらかな死の曲線に浸すならぶあつい樹皮のくつを履かせて



引き寄せる風ひとふでの重たさに、鳥だったのか痕という痕



ゆるぎない碑としての音ひそやかに土の根のほてりをせりあがる



絶やすとき炎は針のかたちしてあらゆる空に凍りつく傷



流氷に乗せられる色のいくつかは棄ててみにくい蜜をおもった



さかむけのように切り立つ言語野よ いまあかるさへ放てかれらを

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る