第7話 今が幸せだ
あれから少しして、逃げ出した近藤さんが戻ってきた。
僕は荷物をかばんにしまう。
「さて、近藤さん。次はどこに行こうか?」
「う~ん。じゃあ...」
――拝啓数分前の僕へ。
今は何をしていますか?
左隣には近藤さんがいて、僕は今、人生で初めてプリクラを撮っています。
「は~い。次は指でハートを作ってみよう!」
写真を撮ろうと言われたけど、まさかこれだったか。
僕は機械の指示に従い、指でハートを作った。
二人で...
二人で!
「ふふふふふw」
「な、何?///」
「いや、清水君の顔が...w真っ赤でw」
「す、少し照れるんだもん...///」
めちゃくちゃ笑われた。クッ...可愛い...
「は~い。では最後に~」
何が来るんだ?
「二人でハグで~す!!」
((えぇ~~~!?))
(ま、待て待て。は、ハグ!?)
(い、今?ハグなの!?)
「は~い。さ~ん、に~い、い~ち?」
その瞬間、左側に柔らかいものが触れた。
パシャッ!
そして書き込みをして、写真が出てきた。
僕は折れないように長財布に写真をしまった。
「清水君、今何時かな?」
「まだ8時前だね」
「どうしようか。映画見たいけど10時ぐらいまで待たなきゃいけないけど...」
「ちょっと書店見に行かない?」
「あ、いいね!」
書店に行くと、僕は小説を探した。
学校では朝に読書をするので、それ用の本である。
「清水君、面白そうなのあった?」
「う~ん...このあたりかな?」
「おお、難しそうな本だぁ」
「ミステリーだからね。あとこの辺かな?」
「おお、悲恋ものだぁ」
「うん。でも僕は感動ものは苦手で」
「私もだよ。あの独特な後味で胸が苦しくなるの」
「僕もそこが苦手だね」
「あと、私は最終回が苦手」
「なんで?」
「あとの展開を考えてしまって、でもそれが見れなくて、寂しくなるから」
こんな感じで本を探していたら、9時前になっていた。
「あと1時間何しようか」
「じゃあ、ゲームセンターに行こう?」
「うん、いいかも」
こうしてゲーセンへ向かった。
「あ!清水君、このぬいぐるみ欲しい!」
「うん、ってデカくない!?」
大きいクマさんのぬいぐるみ。
僕と同じくらいの大きさだ。
「このあと映画の時どうするの?」
「むぅ~~~」
「じゃあ代わりにこれね」
「え!?」
渡したのは手乗りサイズのクマさんのぬいぐるみ。
書店に行く途中あった雑貨屋さんで買ったものだ。
「可愛い」
「気に入ってもらえた?」
「うん!ありがとぉ」
「どういたしまして。じゃあこっちで手を打ってくれる?」
「むむむ...わかった」
なんとか大きいクマさんは阻止できた。
あととれる気がしません。
「じゃあ見て回ろうか」
「うん」
こうして時間というのは少ない。
あっという間に10時前になった。
「あ!もう映画館が開くよ!」
「じゃあそっちに向かおうか」
さて、映画館に着いたが何を見るのだろうか。
今やっているので恋愛ものとアニメが人気だ。
恋愛ものも見たいけどアニメも...う~ん...
「清水君!これ見ない?」
「ああ、いま人気のアニメ。いいよ」
「ほんと?」
「うん。ちょうど見たいと思ってたんだ」
こうして二人分のチケットを買い、入場する。
だんだん暗くなるこの感じが好きだ。
席に着くと大音量で今やっている映画の主題歌が開始まで流れる。
この時間がワクワクを大きくしてくれる。
「楽しみだね(ボソッ)」
耳元で小さく囁かれた。
近藤さん、急に不意打ちはやめて。
「ビィ――――――」
映画が始まった。
お決まりのコマーシャルが流れる。
すぐ隣で近藤さんと好きなものを共有できる。
今、すっごく幸せだ。
映画が見られてよかった。
―――――――――――――――――――――――――――
二人の思い出があるって幸せですよね。
さて、投稿を休んですいません。
高校入学の準備などで忙しく、投稿を休みました。
これからも楽しんで頂けるように表現力を身に着けたいと思います。
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