第6話 近藤さんは天然
昨日約束した
今は集合場所、
少し歩いていると、近藤さんらしき人が店の前で待っている。
「おはよう、近藤さん」
と声をかける。
「あ、おはよう。清水君!」
「中じゃなかったんだ」
「あ!その手があったのか」
近藤さんは少々天然のようだ。
「寒かったでしょ?またせてごめんね」
「ううん。大丈夫だよ?ほら、これがあったから」
ポッケからカイロを取り出して見せる。
手は温かいだろうが...
「そっか。じゃあ入ろうか」
このままじゃ風邪をひかせてしまうので入るように促す。
「だね」
店の中は風がないので暖かい。
昨日行ったさくらよりも明るい印象の店内だった。
「清水君、なに食べよっか」
「僕はこないだ言ってたミルクレープにしようかな」
僕は迷わず即答する。
「覚えててくれたんだ(ボソッ)」
「近藤さんは?」
「あ、じゃあ、私もそれにしようかな」
「わかった。すいませーん」
「はい」
「ミルクレープを2つください」
「わかりました。少々お待ちを」
僕は注文を済ませ、近藤さんと話す。
「最近冷えるね」
「だね」
「近藤さんは冷え性?」
「ううん。全然」
「そうか~、いいな~。僕はすぐに手が冷えて」
「大変だね。でも冷え性だとアイス食べるとき便利そう!」
「ん?どうして?」
「アイスを持っても溶けないんじゃない?」
「え~、体温で溶けちゃうんじゃない?」
「そうなのかな~」
「じゃあ今度試してみようか」
「だね、決まり!」
こうして、約束が一つ増えた。
5分くらい話していると、
「お待たせしました、ミルクレープです」
「「は~い」」
断面がすごくきれいに見える。
「すごいね」
「でしょ~」
なぜか鼻高な近藤さんは置いといて、一口食べる。
甘めの生地と控えめなクリームがあって美味しい。
口の中に入れると液体のように柔らかい。
「これ、すごく美味しい」
「でしょ~。私もドはまりしたの」
注文したミルクレープはあっと言う間に無くなった。
「ふう、食べた」
今は6時43分だ。まだ早い...ていうか早すぎる。
「これからどうする?」
「どこか行きたいところある?」
「えっとね~、少し遠いけどショッピングモールで買い物しない?」
一番近いのは...電車に乗って一つ隣の駅から徒歩10分のところか。
「まあ、まだ早いし大丈夫だよ」
「じゃあ行こっか」
会計を済ませて駅へ向かう。
30分もかからず、ショピングモールに着いた。
「近藤さん、なにか欲しいものでもあったの?」
「いや、別にそういうわけじゃないよ?」
「そっか。じゃあいろんなところ見て回ろうか」
「うん!」
まず行ったのは洋服店。
近藤さんはスタイルがいいので何を着ても似合いそうだ。
なんて考えていると近藤さんが一着を見せてきた。
「これどうかな?」
モコモコなクマさん、着ぐるみのような服だ。
「パジャマに?」
「え?私服だよ、変なこと言うなぁ」
ん?まてまて、え?
あれパジャマじゃないの?
最近の流行はわからない。
そう思っていると話を聞いていた店員が
「お客様、そちらは部屋着でございます」
「はえ?」
やっぱりパジャマだった!
近藤さんは顔を真っ赤にして試着室へ逃げ出した。
どうしよう、ボールは持ってない。なので捕まえられない。
僕は近藤さんが回復するのを待った。
―――――――――――――――――――――――――――――
近藤さんはドが付く天然でしたね。
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