第2話 共通点を見つけた

あのあとは平和な授業が続き、あっという間に放課後になった。


「ただいま~」

僕はお魚を買い、帰ってきた。


「あ、お兄ちゃん。おかえりなさ~い!」

「お魚かって帰ったけど鮭でよかった?」

「うん!鮭だ~いすき~!」

この鮭で喜ぶ小さい天使は僕の妹。

今年で5歳になる清水千恵 (しみず ちえ)です!


「塩がおいしいの!」

「千恵は好きだよね」

「うん!毎日でも食べられるよ~」

「ま、毎日はダメだよ。でも、千恵は野菜も食べられるからえらいね~」

「うん!」

千恵はえへへと笑う。千恵は天使だなぁかわいいなぁ。


そんなことを考えていると、

「灯馬~!ちょっと手伝って~」

と、母さんに呼ばれた。

「わかった~準備する!」


僕はお店の制服に着替え、店内へ出た。

「注文と席案内よろしく」

「わかった」


今日はお客さんが多い。なぜなら金曜日だからだ。

平日の終わりにおいしいものを食べにうちへ来る。

だから、基本的に週末は手伝いをしなければならない。


ーこの店は店の名前の通り、月が主役ー

それには日本海より深く、富士山より高いわけがあるらしいが、

教えてくれたことはない...

うちの店、朧月の看板メニューはオムライスだ。

オムライスを月に見立てて丸く作っている。

卵がふわふわとろとろでおいしいのだ。


そんなオムライスの注文を受けているとカランとドアベルが鳴った。

それに反応して振り返る。

「いらっしゃいませ~」

そしてそこには可愛い私服のクラスメイト。

ん? このとき灯馬は約3秒の思考停止をした。


「あの...?」

声をかけられて気が付く。

「あ、はい。すいません。」

いくら飲食店だからってクラスメイトが

うちにくるのは初めてだったんだ。

本当に、すごく、驚いた。おっと、いけない。

今は店員、平常心平常心。


「こちらにどうぞ」

僕は席へ案内し、水とメニューを出したあと、仕事を再開した。


彼女は確か...近藤詩織(こんどう しおり)さんだ。

クラスで初めに自己紹介をしたので覚えている。

おそらく、あの”黒板消しの反抗事件”の実行犯だろう。

なぜうちに?と考えていると

「すいませーん」近藤さんに呼ばれた。


「はい、ご注文決まりましたか?」

「月光パフェを1つください」

「かしこまりました。」

僕は母さんに注文を言った後、また接客を続行した。

でも、近藤さんも甘いもの好きなんだな。


うちのメニューは写真も載っているのでどんな料理か初めてでもわかる。

月光パフェは下がクッキー生地、上はチョコクリーム、そして装飾に

ホワイトチョコが乗っているもの。

思ったよりも甘いが人気メニューの一つだ。その人気の秘密は...


「ほら、月光パフェできたよ!持って行って」

「はい、わかったよ」

「ご注文の月光パフェです。」

「ありがとう、清水君」

「どういたしまし...て...」

ん?今なんて?また思考が停止した。

僕の脳は低スペックなんだよ?あまり負荷をかけないでね?近藤さん。


「大丈夫?清水君」

「ハッ!うん、大丈夫。それより僕の名前...」

「クラスメイトなんだから知ってるよ」

「それはそうか」

「ていうか、パフェ思ったよりも量がすごい」

「あぁ、価格800円以下なのにたくさん食べらるから人気なんだ。

そして、それを聞いたうちのシェフは限度を知らず予算ギリギリまで多くしたんだ」

「なんというか、豪快なシェフさんだねぇ」

「店が成り立ってるのが奇跡だと思う」

「そんなに~?」

2人で笑っていると、


「こら、灯馬!サボってんじゃないよ~」

と、厨房から大きな声が飛んできた。

「ごめん、手伝いに戻るね」

「こっちこそ、邪魔してごめんね」

「じゃあ、また」

「すいませーーん。注文を」

「はーい」

僕は注文をとりにお客のもとへ。

――――――――――――――――――――――――――

情報過多に注意ですね。(・-・;)

第2話楽しんで頂けましたか?

次回はもっと面白くできるよう頑張ります!(^^)!

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