さようならと空っぽ

言いたいことも

言えない世界では

私は心から空を見上げることは

出来なかった



だから

のんきに流れる空が

鬱陶しくて

カーテンを閉めきった



嫌なことばかりが

きちんと増えていく世界で

独り閉じこもった部屋は

死にたくなるほどの

カビ臭さが染みついていた



そのうち

酸素もなくなって

生きれなくなる前に

私は今夜を待たずして

全てを終えようと思う


さようならと空っぽを

独り占めして

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る