第9話

「そっかぁ…。学校に居る時と下校中については願いを叶えたから一緒に居れたけど、1歩通学路から逸れるとそうなっちゃうのね~。まぁ、私は分かってたけど。」


私は小夜子さんの最後の言葉にガクッとなった。


確かによくよく考えれば、学校に居る時や下校中以外でも4人から仲間外れにされる場面は今後いくらでも出てくる可能性がある。


休日にお出掛けとか、修学旅行、それに郊外学習も…。


『学校と下校中』と限定してしまってはダメだったのだ。


“やっぱり最初に小夜子さんが提案してくれた通り、園田さん家に引っ越してもらって、どこか遠くの学校に転校してもらわないと、この問題は解決しない。


…いや、でも、今となってはそれだけでは済ませられない。


園田さんはさっき、ウチのお店に対して酷い悪口を言った。絶対に許さない…。”


私は前回小夜子さんからもらったサービス券を取り出し、こう言った。


「皆が園田さんのお店を大っ嫌いになるような事が起こって大バッシングされて、園田さん一家がこの地域から逃げるように引っ越していく…っていう感じにしてもらえませんか?もちろん園田さんは遠くの学校に転校してほしいです。」


「大バッシング?」


小夜子さんが不思議そうにそうたずねてきた。


「そうです!面と向かってあんなに酷い悪口を言われたんだもん。ただじゃ済まないんだから…。園田さんのお店が皆から嫌われてほしいんです。」


私は怒りを堪えながら声を震わせてそう言った。


「OK、分かったわ!優花さんの希望通りに願いを叶えてあげる☆」


小夜子さんは笑顔で快く引き受けてくれた。


「よろしくお願いたします!!」


ずっと平和でのどかに暮らしてきたのに、私の縄張りを荒らしてきたのは園田さんの方。


それなのに偉そうに私の事を邪魔者扱いして、お店の悪口まで言うなんて…。


“絶対に許さない。

私の前から早く消えろ!”


私は小夜子さんの力が早く発揮される事を願った。



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