第29話 サブスクラインナップにドン引きしちゃうよね


「「「「「「フィニッシュ!ホーリーイズマイサン!!」」」」」」



背後から次々と刺されて光の柱の中で「俺はまっとうだ~」と叫び散らしながら蒸発していく敵の首領をニヒルな笑顔で全員で手を繋ぎ見送るエンディングのそれが終わった所で一息ついていた。




結局あの後モナが帰った後、ガチホモ戦隊愛ウィッシュを全巻制覇し次をチョイスしようとしていたササラ。



「はかどるわー、やっぱり定期的に腐のオーラをチャージしないとね」


そういって、ガサガサとやっている。


「これにしようかな~、第八〇一回ボディービルアフリカン。それとも、バックレ戦隊荒らし。これも懐かしいわね~。ホント、サブスクは時間泥棒だわ~」


ちなみに、今選択画面に映っているのは筋トレフルバーストとかいうドラマ。


「腐堕流星に、スナックゲロ道。何から見ようかな~」



「姉さん……、それモナ姫様がいるとこでは絶対見ないでね」


「おけマル~」手の上で丸を作って、可愛くポーズを決めるササラ。



※ラインナップは可愛くない



「う~ん、永遠の腐れ縁でもいいけど。サブスクがもうすぐ終わりそうなのにも、結構面白そうなのがあるのよ」



もはや、慣れ過ぎて見なかった事にしている鈴。

彼女の中では、見たくないものを背景化する事はもはやパッシブスキルと言ってよかった。


「所で、姉さん。サブスクもいいけどカイ君どうなったかなぁ」



「ちょっとテレビで確認してみよう?」


そういって、テレビのリモコンでチャンネルを変えるとそこにはゾンビが映っていて鈴とササラが慌ててびっくりして抱き合う。


「鈴のそれまた大きくなってない?」と一部を指さしていうと。


「動く時ガッチガチに固めてないと最近は痛いの……」


「跳ねたりするのがいいのは、ゲームとかだけよね~」


「姉さんが、羨ましい~」「私のは、無さ過ぎて下手したら上無しで出歩けるぐらいだし」


そういって、あはは。と笑う二人、そこでゆっくりとテレビをむくとやっぱり映っているゾンビが……ってこれカイ君じゃん。


「うわぁ、あのあと私達が隠れてて。お説教のデスマーチで、こんなんなっちゃって原形が判んなかったのね」


「バックレて正解よ!」元気よく仁王立ちで酷い事をいうササラ。



「後で、励ましにいかなくちゃ。守ってくれてありがとうって」


「カイ君なんか、適当にご馳走だしときゃ喜ぶっしょ単純だし」



「う~ん、それじゃカイ君の好きなカニでも用意しとく?姉さんも半分位食費だしてよねっていうかカイ君より姉さんのが食べるんだし」


「雑炊もつくんでしょうね、鈴ちゃん」「ご希望なら、うどんもあるわよ」


「ほい、冒険者ギルドで働いた賃金ちゃんです」そういって、袋で現金を鈴に差し出す。

「助かるわ~、さっすが姉さん」両手を合わせて嬉しさを表現した後でササラの手からひょいと革袋をとって開くと中に入っているお金をプリペイドとして投下していく。


「ササラちゃんのサブスク代もこっから引き落としにしとくから、ちゃんと適当に働いて入金しといてね」



「腐の無い生活なんてありえない!」「本当、モナ姫様に限らず来客のある所では見ないでよね。サブスクが無かった頃なんてそんな危ないタイトルが平積みで部屋中に置いてあって壁みたいになってたんだし」



「あはは…、すいません」



「一応、フクマークさんに言っとかないと」


「かになべ~かになべ~」

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