第3話
私が産んだのは女の子だった。
父親が誰なのか私自身も分からないけど、恋人達の一人である事は確かだから美人になる事間違いなし!
私の願い通り、娘は美人に育ったの。
あれは・・・娘が公爵令嬢として社交界にデビューする数日前だったかしら?
恋人達なんか足元にも及ばない、男の色気がダダ漏れしている細マッチョな超イケメンが私の両親と姉夫婦達、恋人達の両親と家族と思しき女性と子供達、そして陛下が私と恋人達が暮らしている屋敷を訪ねて来たの。
両親と姉夫婦達、恋人達の家族が私達の顔を見るなり責め立てたわ。
『お前は何て事をしてくれたんだ!!!』
『お前のせいで贅沢が出来なくなった!!!』
『お前のせいで我等は破滅する事になった!!!』
『お前のせいで私達は奴隷ではなく家畜になるしかなくなったのよーーーっ!!!』
って。
両親達が何の事を言っているのか分からない私と恋人達は首を傾げたわ。
そんな私達に男の色気がダダ漏れしている超イケメンが懇切丁寧に答えてくれたの。
『私はショート家の借金と再建する為の資金を立て替えただけであって与えたのではない』
『それだけならまだしも、シナモン=ミルクティーの妻でありながら結婚した時からストロベリーは屋敷に何人もの男を連れ込んでいるだけではなく、彼等に金銭を貢いでいた』
『挙句の果てに情夫の一人との間に出来た子供を私自身が認知していないにも関わらず、ストロベリーと情夫達は公爵令嬢として育てていた』
『私が立て替えた分と、ストロベリー達が使い込んでいた金を今すぐに一括で払って貰おう』
って。
シナモン=ミルクティー?
えっ?
超イケメンの名前が汗かきのキモデブと同じってどういう事?
ま、まさか・・・っ!
あれがキモデブの本当の姿だったの?!
何で超イケメンなのにキモデブになっていたの!?
超イケメンことシナモンの話を簡単に纏めるとこうだ。
自分はストリベリーに惚れていた。
だが太っている自分がストロベリーに好かれていない事も承知していた。
白い結婚でもいい。
せめて同じ屋敷で暮らしてくれるだけでもいいと思い嫁いで貰う事にした。
その結果が浮気と托卵だったので自分は復讐の為にレモン=アイスティー公爵令嬢が提案する方法でダイエットをする事にした。
食事の量を一気に減らせば痩せるのは確かだが、皮膚は弛んでしまうし場合によっては反動により食べ過ぎる事となり、結果として更に太ってしまい自己嫌悪に陥ってしまうのだ。
レモンが提案したダイエット法とは規則正しい生活と身体に良い食事、そして適度な運動。
そうする事により皮膚が弛む事なく筋肉が付くというものだ。
時間は掛かるが効果は抜群なので自分はレモンと共にダイエットに励んだのだと言う──・・・。
『私はストロベリーと離縁する。故に私がショート家の借金と再建の為に立て替えた分と、今までそなた達が使い込んでいた分を一括で返して貰う。それが出来なければそなた達は奴隷ではなく家畜落ちになる事が決まっている』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます