第2話
結婚式の後は初夜を迎えるという流れだけど、相手は顔がニキビと吹き出物だらけのキモデブ。
そんなのと初夜を過ごすなんて冗談じゃない!!!
あんたなんか私の財布でしかないのに!
財布の分際で私と初夜をしたいだなんて生意気なのよ!!!
『お腹が痛い』とか『月のものが来た』とか適当な理由を並べて私はキモデブから己の貞操を護ったわ!!!
私、偉い!
自分で自分を褒め称えたいくらいよ!
それに・・・ニキビと吹き出物だらけなキモデブの顔を見ているだけで吐き気を催してしまうのよね~。
兄である陛下は美形なのに弟ときたら・・・。
どこをどうすれば弟のキモデブはキモデブになるのかしら?
・・・・・・そんな事はどうでもいいわね。
『公爵のお屋敷は私の肌に合わないみたいだから別の場所で暮らしたい』
一秒でもキモデブの顔を見たくない私はキモデブに頼んで屋敷を買って貰ったの。
その時に何かの書類をキモデブから提示されたのだけど、屋敷の所有者は私だという事を示すものだと思っていたから、ちゃんと目を通さずにサインをしたのよね~。
晴れて一人暮らし(身の回りの世話と屋敷の掃除や料理を作ってくれるメイド付き。ちなみにミルクティー公爵の命令でストロベリーの屋敷に派遣された)を満喫する事になった私だけど・・・・・・実は何の刺激もないから余りにも退屈で退屈で。
だから私は恋人を作ったわ。
可愛くて甘えん坊なワンコ系に知的なクールビューティー系、俺様なのに情熱系、爽やかな笑顔が似合う日焼けしている細マッチョ──・・・。
キモデブとは別居しているけど、生活費は旦那持ちだから働かなくていい。
何より・・・可愛いワンコ系に知的なクールビューティー、情熱的な俺様に爽やかな笑顔が似合う日焼けしている細マッチョといったイケメンな恋人がいる。
夢のような生活だわ~♡
私が付き合っている恋人達はイケメンなんだけど、実は男爵家や子爵家の次男に三男・・・要するに跡取りじゃないから貧乏なの。
でも恋人達はイケメンだから手放したくない。
だから私が色々と貢いでいたのだけど・・・実は・・・子供が出来てしまったの!
それを恋人達に打ち明けたら
『本当に僕の子なの?』
『ストロベリーは俺達を手元に置きたいから子供が出来たって言ってんじゃねぇの?』
『子供が出来たというのが本当だとしても私達は認知しませんし育児に協力なんてしませんよ?』
顔を顰めた恋人達からそんな事を言われてしまったの。
でも私は胸を張ってこう言ってやったわ!
『子供はキモデブの子供として育てるから大丈夫よ!名前だけとはいえ、こんな美人な私の子供の父親になれるんだからキモデブは感動して咽び泣くはずだもの!!!』
『そうだな。あのキモデブは金だけは持っているからな』
『キモデブの癖に金持ちだなんて生意気なんだよ!』
『キモデブの金は俺達でぱぁ~っと使ってやろうぜ!』
『キモデブの金は僕達のもの!』
『子供はキモデブの子供として育てる』という私の言葉に安心したのか、恋人達と楽しい時間を過ごしたの。
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