第68話 残党狩り

 ブラックフェンリルの残党が他所のダンジョンに立てこもったというか、ダンジョンの中を逃亡中。

 協力要請は分かるけども、広いダンジョンの中をどう探せと。


藤沢ふじさわ、悪い。今度埋め合わせするからさ」

「良いのよ」

「その代わりラストアタックは譲るからさ」

「気を使ってくれなくても、気にしないで良いのよ」


 藤沢ふじさわを伴ってダンジョンに入った。

 この階層はゴブリンしか出て来ない。


「【リフォーム】拘束」

「てりゃ、てりゃ、てりゃ」


 藤沢ふじさわがゴブリンを撲殺する。


「【リフォーム】生き返り」


 ゴブリンをリフォームして妖精にした。


戸塚とつか君のスキルって凄いね。それに強い」

「これでもSランクだから」


「【マッピング】。あっちよ」


 見えた。

 ダンジョンの中に拠点を作っている。

 テントとか設置して人が中にいるとダンジョンには吸収されない。

 人さえいれば拠点は設置できる。


「【リフォーム】拘束」

「何しやがる」

「警察が来るまで大人しくしててね」

「クソガキが」

「そんなこと言ってるとリフォームしちゃうよ」

「人間をリフォームするとどうなるの?」


 藤沢ふじさわが興味をもった。

 いや、藤沢ふじさわはリフォームしたくない。


「ええと、俺を創造主として崇めるようになる」

「ちょっと嫌だな」

「いちゃいちゃ、しないで拘束を解け」

「【リフォーム】猿ぐつわ」

「むがむが」


「だよね。俺も藤沢ふじさわに崇められたくない」


 しばらく経って警察が到着。

 残党は逮捕されていった。


 今回は楽な仕事だった。

 藤沢ふじさわのマッピングスキルさまさまだ。


 さて、仕事に戻ろう。

 現在、ポータルは都内全域に張り巡らされていた。

 この間の埋め合わせに藤沢ふじさわとポータルを使った旅行だ。

 今は冬なので、ちょっと風景が寂しい。

 高尾の山に登った。


「見晴らしがいいね」

「夏にまた来よう」

「約束よ」


 早く箱根とかにもポータルを設置したい。

 第4階層の家には各家にポータルが設置されている。

 地上の家にもこれを設置したいという要望が沢山ある。

 それとスーパーなどの店舗だ。


 郊外に安い土地で大規模スーパーを作りたいらしい。

 でもそんな物は香川かがわさんが許さない。


 傘下の企業にスーパーが加わりポータルを店の前に設置した。

 転移でそのスーパーに飛べるようにもなっている。


 流行らない訳がない。

 ただ、問題が起きた。

 カートの盗難が相次いだのだ。

 車で来てないから、カートに清算した商品を積んでポータルに入ってしまうらしい。


 防犯カメラは設置して警察に届けたけど、手が回らないらしい。

 格安で個人にカート販売も始めたが、焼け石に水。


 仕方ないのでポータルの入場のゲートの所にカートを入れると警報が鳴るようにした。

 万引き防止であるあれだ。

 警報が鳴るとさすがに盗難は少なくなった。


 そして、ポータルでスーパーに転移するのと、スーパーから転移するのはただにした。

 これでスーパーがますます流行った。


 交通費ただは魅力らしい。

 このスーパーは24時間営業している。

 ポータル交通の強みは24時間営業だからね。


 大規模コンビニや、大規模ホームセンターも、計画されている。

 この大規模スーパーの問題は他にもある。

 迷子が続出したのだ。

 広いのも問題だね。

 人員を配置したけど、都内のどこからでも客がくる。

 人が多過ぎなんだよ。

 大規模にやっているから、商品が安いからね。


 流行るのも問題だな。

 迷子はGPSで子供の位置を報せることにした。

 カートにタブレットを搭載、子供には発信器を持たせた。


 ハイテクになったな。

 カートのタブレットには目玉商品の情報も載っている。

 そして、タブレットには地図も掲載。


 トイレの処理が間に合わないので、ダンジョン化して汚物をゴミとして回収。

 その他汚れも回収。

 匂いも回収。

 掃除しなくてもいつも綺麗。


 このダンジョントイレ、公衆トイレをこれにしてほしいと要望が。

 うちに言われても困る。

 自治体に言って貰わないと。

 でも香川かがわさんが仕事を取ってきそうだ。


 ダンジョントイレはダンジョンから水と電気を供給しているから災害にも強い。


「広ーい」


 藤沢ふじさわが大規模スーパーに来てカートに乗って遊んでる。

 子供みたいだ。


「はしゃぐなよ」

「だって、こうするのが夢だったの。普通のスーパーではすぐに壁でしょ。詰まらないわ。ここは端から端まで300メートルもあるのよ」

「ここまで広いと電動カートが欲しくなるな」

「レースする馬鹿とか出そうね」


 そうだ。

 売り場ごとにポータルを設置すれば良いんだ。

 カート盗難や万引きの問題があるから、売り場のポータルは外には出れない設定にしよう。

 スーパー内だけで有効なポータルだ。


「物凄く安いね」

「ああ、約市価の2割引きだ」

「品揃えもいいし、品切れがないのがいいわね」

「ポータルと転移で運んでるからな」


 ポータル迷子対策も必要だな。

 ポータルのそばにいる人員を増やして、迷子対策に充てよう。

 人員なら余っている。

 バス会社とか色々な交通機関の人員が傘下に入っているからな。


「買い物リストを渡すと、買って来てくれる機能とか欲しいわね」

「カートのタブレットで商品を選ぶと持って来てくれるようにするか。ロボットが良いけど、人間でもいいか。その辺りは香川かがわさんか社員が判断するだろう。俺は提案するだけだ」

「お取り寄せも欲しいな。CMで流れて売ってないとがっくりするの。これだ広ければ、無駄な商品を揃えてもいいでょう」

「まあね。それも提案しておこう」


 スーパーはもっと色々と便利にできる。

 レジを要らなくするとかね。

 金にならある。

 いくらでもハイテク機器を入れるさ。

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