第67話 家宅捜索
遂にブラックフェンリルの家宅捜索が始まった。
ニュースでみた訳じゃない。
協力を頼まれて現場にいるだけだ。
「大人しく投降しなさい」
一部、構成員が立てこもっている。
「【リフォーム】」
家の建材が変形して、構成員を拘束する。
「後は任せて下さい。【バレット】【バレット】【バレット】【バレット】【バレット】【バレット】」
Cランクぐらいの奴は敵じゃないな。
ブラックフェンリルのボスである
「くそっ、こうなったら【天地返し】」
建物は滅茶苦茶になった。
なんて奴だ。
俺達はリフォームで難を逃れたが、構成員と警察官が下敷きになっている。
「【リフォーム】元通り。みなさん大丈夫ですか? ポーションがあるよ」
自力で動ける人に甲斐甲斐しくポーションを配る。
ポーションで回復した人たちが動けない人達を介護する。
構成員もこうなってはもはや大人しくするしかない。
反抗的な態度を取る奴は逮捕されていった。
ブラックフェンリルの犯罪の証拠が運び出されていくのを俺と
これで終わりだと思うとなんとなくほっとする。
後は警察の捜査に任せよう。
ブラックフェンリルが不渡りを出した。
社長の
普通、不渡りは2回目で倒産らしいが、こんかいは1回目で倒産した。
通常業務に戻ろう。
エリクサー健康食品
いま、商品は青汁の『グリーンエリクサー』、キノコ昆布茶の『アースエリクサー』、キノコチップス、ポーショングミ、7色パンを出している。
新商品だけど、キノコバーガーを出すことにした。
店舗は第2階層に1号店のみ。
肉の代わりにふんだんにダンジョンキノコが使われている。
まあ、ひき肉も入っているけど。
「うーん、健康志向で開発したのはいいけど。ターゲットが体重を気にしない若者だからなぁ」
「美味しいけどね」
健康を気にする世代はハンバーガーなんかあまり食べない。
開拓するのはありなんだけど。
美容かな。
でも化粧品に敵わないんだよね。
「うーん」
「美味しけりゃ正義になるんじゃない」
「いっそのことオーク肉を使ってみるか」
「高級路線は難しいと思う」
「年代層には高級路線は合っているんだよなぁ。何か特徴が欲しいんだよな。治癒効果とかはポーション飲めばいいから、このキノコバーガーならではの奴が」
「いっそのことカロリーゼロを目指してみたら」
「なるほど。でも、バンズをカロリーゼロにするのは難しいな」
カロリーゼロか。
キノコでハンバーガーのパンの部分であるバンズを作る、それは無茶だろ。
きっと社員が頭を抱えるな。
キノコをリフォームしてパンにできるだろうか。
ふわふわのキノコがないわけじゃないけど。
リフォームした人間に子供ができたのは知っている。
リフォームしたバンズキノコも増えないだろうか。
子に魔法静物の特徴は受け継がれるのかな。
やってみたが、まずリフォームの部分でパンにならなかった。
だよね。
幻を食べれたらいいのに。
幻に味を持たせるか。
どこから手を付けよう。
幻石はあるけど、食べたら減るみたいな幻は作れない。
幻石からのアプローチは無理だ。
精神魔法からのアプローチかな。
トラップにもあるから。
魔石に付与して味石は作り出せる。
ただ、味石は何回も使える。
トレーとかに味石を付けるべきだな。
そして、キノコをパンや肉だと錯覚させる。
どんな味でも作り出せるだろうね。
キノコステーキとかも出来そう。
キノコ刺身とかも。
幻の味でキノコ食って腹いっぱい。
危ないキノコみたいだ。
ダンジョンキノコに幻覚作用を持たせたら、味石は要らない。
たけど、規制されるな。
麻薬を売りたいとは思わない。
味石を作ってみた。
「面白ーい。キノコなのにパンと肉の味がする」
「カロリーゼロだぞ」
「これ食い過ぎて餓死する人が出そう」
「じゃあ低カロリーに留めておくか」
味石は物凄い注文が来た。
いや、寒天とか食っても肉の味とかするものだから流行った。
でも、味石は売り出してない。
キノコバーガーでもすぐに出すのをやめた。
こんなのは健康食品じゃない。
健康被害を出すような食品だ。
問題があり過ぎる。
ゼロカロリーは砂糖ぐらいにしとくべき。
魔力物質を弄ったら甘味料ができた。
こっちはだいだい的に売っても大丈夫そうだ。
新商品、魔力スイートができたが、脱線し過ぎたな。
キノコバーガーをどうするか。
いや、1号店はそれなりの売り上げを出しているよ。
でも全国展開はできないレベルだ。
レベルが上がって頭が良くなったと言っても、中学生じゃこんなものか。
甘味料をできただけでもよしとしないとかな。
魔力スイートはエリクサー健康食品のエースになりそうだ。
飲料メーカーや、菓子メーカーが興味を示している。
抽出スキル持ちが増えれば大増産もあるけどね。
県外にポータルを設置して、広く人材を集めるのが手っ取り早いかな。
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