第55話 芸能活動の日常

 ブラックフェンリルの仕事は奪えているがあいつらの主財源の半分はハンターでの収入。

 芸能関係の仕事が少なくなれば、ハンターをやるだろう。

 兵糧攻めは駄目だ。


 ハンター稼業には手出しできない。

 ダンジョン内で私闘して、殺すのはたぶん俺の精神が持たない。

 怪我ぐらいじゃきっと奴らは手を引かないだろう。


 番田ばんださんは奴ら許せんとか言って飛び出しそうだったので抑えた。

 俺の言うことは聞くようだ。

 創造主として一目置いているらしい。


 さて、どうするか。

 俺としては警察に頑張ってほしいところだ。

 今までの悪行だけで逮捕する理由にはなる。


 でもやつら巧妙にやっているらしい。

 被害者の女の子にも強要はしてないようだ。

 カメラの細工もハンターがスキルを使ってやったようだ。

 念動力系だと香川かがわさんは言っていた。


 指紋みたいな簡単な証拠は残さない。


 とにかく俺達はレベル上げと芸能活動に勤しんだ。


――――――――――――――――――――――――

名前:戸塚とつかつくる

レベル:658/65536

魔力:6967/6967

スキル:1/1

  リフォーム

――――――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――――――

名前:大船おおぶねいさむ

レベル:654/65536

魔力:16028/5939+10089

スキル:5/8

  採取

  洗浄

  魔法静物

  鉄皮 128/485

  乱舞 154/513

――――――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――――――

名前:香川かがわ輝美てるみ

レベル:653/65536

魔力:17891/7866+10025

スキル:5/10

  マジックビジョン レベル33/85

  ブレット レベル139/369

  リフレクション レベル108/284

  カリキュレート レベル154/450

  マジックオブジェクト

――――――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――――――

名前:番田ばんだ明彦あきひこ

レベル:657/65536

魔力:125430/6790+118640

スキル:4/8

  パリィ レベル98/289

  サンダーフィスト レベル135/294

  キングブロウ レベル198/312

  マジックオブジェクト

――――――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――――――

名前:拝島はいじま智明ともあき

レベル:87/87

魔力:1684/1684

スキル:1/3

  フォァサイト レベル53/53

――――――――――――――――――――――――


 現在のステータスだ。

 順調に伸びている。

 そろそろ誰かに新しいキルが生えてもいいんだけど。


 住宅の分譲も進んでる。

 第2階層は半分ぐらいは売れた。

 区の半分の面積を売ったことになる。


 もういくら稼いだか分からないぐらいだ。

 第3階層の転移罠設置も進んでる。

 47都道府県の県庁所在地には飛ばせられるようになった。


 県によっては空港がないような不便な所もあるから、使用者数はうなぎ上りだ。

 転移は移動時間が掛からない。


 帰りはゆっくりでも我慢できるという客が多い。

 そりゃあね、父危篤とかなったら、一分一秒を争う。


 4階層の建て売りも始まっている。

 昼夜がない環境だが、ダークゾーンのベッドがあるので、慣れればぐっすり眠れる。


 第5階層の遺跡群の観光は一部している。

 セーフゾーンがまだ広くないからね。

 それでもスパリゾートに来た客とかが足を運んでる。


香川かがわ様、女優復帰でもうなんて言ったらいいか」


 藤沢ふじさわ香川かがわさん賛美が止まらない。


「良かったな」


 そうとしか言えない。

 ブラックフェンリルを潰すためにやっているなんて、夢のないことは言わない。


「でしょ。なんか妖艶さが増したのよね。美しさに磨きが掛かったというか」


 魔力1万7千だからな。

 番田ばんださんなんか12万だ。

 ただこちらはまだ体が馴染んでない。

 これから変化していくのだろう。


「リフォーマーは?」


 俺のことを聞いてみた。


戸塚とつか君はもはや主食。テレビでみないと空腹に襲われる」

「じゃあ香川かがわさんは?」

「ステーキに決まっているじゃない」

大船おおぶねさんと、番田ばんださんは?」

大船おおぶねさんは一級品の漬物。番田ばんださんはレアステーキね。番田ばんださんは好みじゃないわ」


 拝島はいじまさんはきっと付け合わせのパセリだろう。

 聞かないでおいてあげた。


「今度、遺跡と新しくできたふわふわドラゴン牧場に行こう」

「うん、一杯思い出を作ろうね」

「その言い方はちょっと不吉だな」

「じゃあ、楽しみましょう」


 藤沢ふじさわは何となくだが俺と結ばれないと思っているようだ。

 魔力6千オーバーで、釣り合わないからな。

 でも俺は何も変わっちゃいない。

 それを言っても藤沢ふじさわの心は変わらないだろう。

 きっと今は別れの予感でいっぱいだな。

 藤沢ふじさわには魔法静物になって欲しくない。

 でも魔法静物が人間じゃないとは思っていない。

 彼らは人間だ。


 ただ、超越すると苦労があると思う。

 俺も芸能活動はやりたくない。

 社長業もだ。


 だけど俺がやるしかないんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る