第44話 ゴーレム自動車
ポータルの交通の利便性は伝わりつつある。
主要道路から道路のダンジョン化をやっていく。
無許可でだ。
交渉を待っていたら日が暮れる。
道路工事とかが突発的に始まらない限りはばれない。
まあポータルの仕組みを知っている人にはばれているだろうけど。
都内の国道は制覇した。
ポータルステーションも設置済み。
これからは病院だとか、競技場だとか、コンサートホールなどに通ずる道路をダンジョン化して、ポータルを設置するだけだ。
そしてゆくゆくは都内全ての道路を制覇する。
まだ先のことだけど。
ただ、ポータルの弱点も浮き彫りになった。
ポータルに触ると転移する。
これはまあいいが。
出入り口がひとつしかない電車みたいなもの。
客が殺到すると危ない。
その為の人員は用意してあるけど心許ない。
それで考えたのが転移罠の一方通行だ。
転移罠は一方通行だ。
行きと帰りが違う場所にあるが、ほんの壁を隔てた地点。
でもこれで事故の危険性はぐっと減った。
それでも捌ききれない場所は同じ場所に転移する罠を増やす。
ただ転移罠だと行先分用意しないといけない。
土地がたくさんいる。
使い方も煩雑だ。
この案は駄目だ。
ポータルは行って登録したことのあるポータルなら念じればそこに飛ぶ。
逆に言えば行ったことないポータルには飛べない。
不便だ。
転移罠は行った事のない場所にも飛べる。
一長一短がある。
ただ、転移罠とポータルは移動時間がない。
忙しい人向きだ。
既存の交通システムには勝てる。
ポータルの最初の登録をいかに解消するかだな。
転移罠の大規模ステーションをダンジョンに作るか。
全てのポータルの前に飛べるだけ転移罠の数を用意する。
街中にある全ての転移罠をダンジョンに飛ばされるようにして、ダンジョンからまた各地に飛ぶようにした。
ダンジョンがハブになったわけだ。
全国だと、第2階層が転移罠で埋まるね。
転移ハブにする階層を作らないといけないようだ。
ポータルに人が殺到するのは値段を高くして対応することにした。
何も既存の鉄道とかを潰したいわけじゃない。
ポータル交通は高級路線に舵を切った。
将来的には解決方法がある。
ダンジョンを買うのだ。
ダンジョンを買えばポータルを設置できる。
このポータルは別物だから、要するに、電車の扉がひとつだったのがふたつになるようなもの。
そのうちに実現したい。
各傘下の企業は全て黒字だ。
設備投資しているのにどうしてこうなる。
大規模な投資って言ったってな。
宇宙開発にでも参入するか。
ちなみに、宇宙ステーション内に転移罠で物資を届ける実験は成功した。
これだけでもすごい儲かった。
ロケットだと50億は掛かるそうだ。
こんな感じで黒字になるんだろうな。
ちなみに宇宙ステーションに物資を届けるのは
位置から速度までぴったり計算した。
宇宙ステーションの速度に荷物を加速するのは骨が折れたが何とかなった。
恐るべし
うーん、投資か。
「
「えっとね。動物園」
「その計画は既にあるよ。予定地は決まってないけど」
リフォームしたモンスターを展示する予定なんだが、たぶん第4階層辺りだな。
そこの開拓はまだまだだ。
「えっとね。それじゃあ。芸能事務所」
「人脈が要るけど
「じゃあ、やってよ。
何となく嫌な予感。
やりたいなら
言われるな。
俺の夢か。
ダンジョン化した道路に無事故機能を付けたい。
両親のような人をもう出したくない。
でもいい方策が浮かばない。
浮かぶのなら、もう既にやっている。
久しぶりに両親の顔を思い浮かべた。
「どうしたの、泣きそうな顔しているよ」
「無事故のシステムを作りたい」
「自動運転ね。その投資額は凄いと思うよ。でっかい夢ね」
出来ないか。
いや出来るだろこれっ。
ゴーレムをリフォームして車にする。
ゴーレムの判断力と反射神経は人間を凌駕している。
ダンジョン化した道路の上なら、魔力も補充できる。
ゴーレム自動車。
車検通るかな。
ウインカーとか色々をゴーレムに組み込まないといけない。
航続距離とかどうなんだろ。
ダンジョンの上なら無限。
うわっ、
だけど、主要道路が全部、ダンジョン化してからだな。
考えれば考えるほどゴーレム自動車の利点は多い。
まず第一に頑丈だ。
魔力を帯びているからね。
そして、自動運転。
人間じゃないから判断ミスも少ないと思う。
ゴーレムは決まりきった動作は確実にこなすと本にあった。
航続距離の点はどの自動車にも勝てる。
これは大きな利点だ。
計画を話すと
黙っておこう。
動物園は4階層だな。
そろそろ取り掛かれる。
そう遠くないうちに実現できるだろう。
他所のダンジョンのモンスターをリフォームして連れていきたいな。
きっと流行るに違いない。
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