第43話 藤沢のスキル
うちの製品でキャンペーンを打つことになった。
抽選で魔力スパリゾート100回分カードが当たる。
30万円相当だ。
それが1万人分。
俺としてはほとんど金を使ってないなという印象。
それどころか売店とかで買い物すると黒字になるんじゃないかという感じ。
「あれっ、今日はお弁当じゃないの」
「魅力の紫パン。だって魔力スパリゾートカード100回分だよ」
「フリーパスがあるのに?」
「お母さんが欲しいんだって、協力しなさいって言われて。当選確率も高いらしいし」
「これからは毎日7色パンか。ちょっと可哀想」
「どこが、このパン物凄く美味しいよ」
「魔味の素が入っているからね」
「詳しいけど
「いや、袋に書いてあると思うんだけど」
「魔法調味料としか書いてないわ」
パンの袋を確認する
「うん、そうだ。
「師匠が作っている製品ぐらいよく覚えておきなさいよ」
「いや、魔味の素が入っているって覚えてたでしょう」
「誰から聞いたかも重要なの。
「
「知らないの。短い間だったけどドラマで一世を風靡したじゃない」
「そうだったんだ。そのドラマ見てないや」
「弟子失格ね」
「せっかく、魔力スパリゾート100回分カードあげようと思ったのに」
「うそうそ、
「うん、赦そう」
「でも、7色パンはやめない。お母さんだったら無料カードは何枚あっても良いって言うに違いないから」
「好きにするさ」
「それに7色パン好き」
「栄養偏るぞ」
メモメモっと。
食の健康に良いパンを開発させるか。
野菜とかだと鮮度が落ちる。
そこで魔力物質。
鮮度を長持ちさせる波長を見つけ出してある。
シャキシャキサラダパン。
良いねぇ。
メモメモっと。
「これ、製品開発メモ?」
「そうだよ。
「羨ましい」
「元芸能人だけど人間だよ」
「いえ、血肉から違うもので出来ているとしか思えないんだけど」
そうだ。
「学校の購買で7色パンを学割で売るように言ってみようか」
「そんなことをしたら争奪戦になるわよ」
「それなりの数を用意させるよ」
製品開発メモと購買での学割をメールで送ったら。
返事が返ってきた。
シャキシャキサラダパンは、緑パンをベースに作りましょうと。
学割はオッケーらしい。
ほんと仕事が早いな。
数分だぞ。
「どうだって?」
「オッケーだってさ。
「スタイルが良くなるパンかな」
「レベルを上げるしかないね。魔力物質で脂肪を落とすと、落としたくない所も落ちるから。美しく痩せるならレベル上げだよ」
「分かっているけど。なかなかモンスターって強いから。せめてスキルがあれば」
「焦らなくても高校生ぐらいの時までに大体ひとつ生えるから」
「そう言えば
「建物を変形させるスキル」
「大工とかによさそう」
「うん、引退したら自分で家を作るのもいいかなと思ってる」
「私は、生えるとしたら、火球魔法系がいいかな」
「火は攻撃力は抜群だね」
「うん、嫌だと思うのは生活スキル。だって手を使ったら出来るようなことばかりなんだもん」
「馬鹿にできないよ。俺のリフォームも分類でいえば生活スキルだ」
「そうなの。ごめん」
「いやいいよ。俺も最初生活スキルと思ってがっくりきたから」
「生活スキル、便利よね」
無理しなくても良いのに。
だけど、スキルなんて使いようだ。
上手く使えば、色々な事ができる。
風が吹いた。
そして風に煽られ視界から消える。
「あー、お気に入りだったのに」
「探すの手伝おうか」
「うん」
手早く昼食を終え、庭でスカーフを探す。
どこに飛ばされたやら。
「ああ、もうっ」
「スキル生えたりして」
「【ステータス】。生えてる。マッピングだって、ええ地図スキルなの。【マッピング】。あっちみたい」
スキルが生えるきっかけになったスカーフが見つかった。
「マッピングって良いスキルだよ。スキルスロットはまだ空いているんだろ」
「うん、空きは2つある。高校に入ったら一緒にハントしてくれる?」
「大歓迎だよ」
色々と応用が利きそうなスキルなんだよな。
まず採取に役に立つ。
モンスターの奇襲を受けない。
トラップも回避できる。
利点は様々だ。
よく生えるスキルなんで、使い方は研究されつくしているだろう。
でも良いスキルだ。
パーティに一人は欲しい。
困っていたり伸び悩んでいたら、アドバイスするけれど、それまでは静観だ。
ただ、俺が高校生になる頃には、レベル差は離れているだろうね。
でも、低レベルの階層で一緒にハントするのも楽しいに違いない。
それまでにたくさん経験を積んでおこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます