第13話 猫好き
第2階層のボス部屋に挑戦することになった。
お供は赤いキャットラビット10匹と
ボスは、でかいホーンラビットだった。
しかし角が高速回転してるのが遠目にも分かった。
「先手必勝【リフォーム】、包め」
床がせり上がりボスホーンラビットを包む。
だが、ガガガと音がして囲った元床が砕け散った。
だよね。
「【リフォーム】、槍」
ボスホーンラビットが避けた。
「とにかく動きを止めて」
「きゅい」
赤いキャットラビットがボスホーンラビットとの高速戦闘になった。
「坊主、見てろ」
回転する角とスコップが当たって火花を散らした。
動きが止まった。
「【リフォーム】、槍」
床から槍が突き出た。
やった。
少し吐き気が、でも耐えられる。
止めとばかりに赤いキャットラビットが切り裂きまくった。
血の霧が立ち込める。
どうやら死んだようだ。
「【リフォーム】」
ボスホーンラビットを生き返らせた。
ドロップ品は槍の魔道具だった。
魔槍だろう。
魔力を通すと槍が回転する。
要らないけどコレクションに加えよう。
ポータルに登録して、第3階層を覗く。
第3階層は岩の洞窟だった。
獣臭い。
出てきたモンスターはゴブリン。
そしてオーク。
ゴブリンは特殊個体でなければ大したことはない。
だがオークは違う。
オークはDランク推奨だ。
キラーラビットと同程度の戦闘力だと考えると強い。
第2階層に引き返した。
遠距離攻撃を考えないと。
壁と床を変形させて攻撃はできるけど。
うーん、パーティメンバーを増やした方が良いのかな
「嫌なら断ってくれていい。
「そんなことですか。改まって言われたから重大任務かと思いました。もちろんオッケーです。一時間なら運動の時間を削れば捻出できます」
「ありがとう」
ただ、上位ハンターはプライドが高い人が多い。
俺の下でやってくれるかと言うと無理だろうな。
こればっかりは
でも、一応聞いてみよう。
すぐに会ってくれるらしい。
「珍しい猫がいると聞いてやってきた。さあ猫ちゃんを出すんだ」
「えっ」
野性味あふれるイケメンが猫ちゃんという言葉を吐くと違和感が凄い。
「さあどこだ」
「写真ならすぐに」
スマホに撮ったキャットラビットを映す。
「おう、かわええ。うちの子にしたい」
「テイムしているので、命令したら一緒に暮らしてくれると思う」
「おう。
「
「クマ耳スライムも可愛いな。猫には劣るが」
「猫型に出来ますけど」
「えっ、やってくれ。猫型スライムは抜け毛もないし、可愛いだろうな。触り心地とか堪らんてってなりそうだ」
「【リフォーム】」
クマ耳スライムの一体が猫型になる。
「良いなあ。撫でても?」
「どうぞ」
「うっひょい。この触り心地。想像した通りだ。たまらーーーん」
猫型してればスライムでも良いのかよ。
分からん。
俺にはこの人が理解できない。
――――――――――――――――――――――――
名前:
レベル:157/256
魔力:1623/1623
スキル:3/3
パリィ レベル54/54
サンダーフィスト レベル31/56
キングブロウ レベル24/49
――――――――――――――――――――――――
ステータスはCランク相当かな。
格闘専門かな。
第2階層のキャットラビットを見せる。
「よし、よーし、おいで」
キャットラビットをうっとりとした目をして、撫でている。
「どう?」
「ウサギの胴体に猫の頭、これはこれで良い」
「気にいってくれたようで、なによりだよ」
「だが猫の可愛さは子猫の時に集約される。成猫もそれはそれで良いが、子猫のフォルムを失わない猫がいれば最強だ。できるよな。なっ、なっ」
「できるよ」
「ひゃっはっ、とってとってん、ひゃらり」
奇声を上げているぞ大丈夫か。
「【リフォーム】」
子猫のフォルムのキャットラビットができた。
名残はジャンプして移動するという歩き方ぐらいだ。
「ふっはぅ、うっはぅ、こりゃ堪らん。かわええのう。おっ、写真撮って自慢しないと。スライムのフォルムも子猫にしてくれ」
「【リフォーム】」
「完璧だ。絶壁だ。チョモランマだよ」
テンション高いな。
猫が好きだというのは分かった。
これを訊いておかないと。
「パーティに入ってくれますか」
「おう。他のモンスターも猫にできるのか。できちゃうのか」
「できるけど、ゴブリンとか猫にしたいの?」
「無毛の2足歩行の猫もそれはそれで良い」
「作るのは別に嫌じゃないけど。まあいいか。本人が良いのなら」
少し変わった人がパーティに加わった。
悪い人ではなさそうな気もする。
動物好きに悪人はいないというし。
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