第11話 事業
ダンジョンの出入りに使うカードを発行することにした。
これがないと倉庫にあるポータルには入れないよう電子ロックの扉も設置。
扉周りは俺がリフォームスキルで作った。
現在やっている事業。
第1階層。
キノコ栽培場の分譲。
観光農園もやることにした。
キノコ狩りだ。
直営のキノコ栽培場。
第2階層。
家庭菜園付き別荘の建設
スパの建設。
たぶん売店とかもやるんだろうな。
ダンジョンが良いのはゴミ問題がないことだ。
放っておけばダンジョンに吸収される。
固定資産税だけでも凄い額になるのを税理士に指摘された。
と言っても対策はない。
所得税とかは考えない。
ダンジョンの会社への貸賃を抜けば、俺の給料はさほどでもない。
貸賃の大半は所得税でもっていかれる。
中学生には過ぎたお金だ。
金欠で明日はどうするか考えていたのが嘘のようだ。
第1階層と2階層のセーフゾーンを増やせと、
少年実業家それが俺の肩書きだ。
――――――――――――――――――――――――
名前:
レベル:209/282
魔力:2518/2518
スキル:4/4
マジックビジョン レベル31/85
ブレット レベル58/116
リフレクション レベル28/43
カリキュレート レベル97/97
――――――――――――――――――――――――
ハンターだとBクラス相当なんじゃないかと思う。
「芸能活動をしてないの?」
「あれは儲かりませんから」
「CMとか出演料が凄いんだろうなぁ」
「たった億ですよ。このダンジョンの開発で私が貰う金額は100億を超えると思います」
うん、出来高払いだからね。
利益の1%が彼女の懐に入る。
今、大体、一日に1億は稼いでいるから、利益だと5000万ぐらいかな。
日給50万円てところだな。
芸能活動より安い金額だ。
でも将来は違うんだろうな。
彼女のカリキュレートスキルは計算するスキルだ。
その計算で100億を超えると出たんだろうね。
スパはもう一部がプレオープンしてる。
おかげで、朝に朝練ならぬ朝建をやることになった。
招待客の評判は上々だ。
魔力の湯は美肌効果、治癒効果、魔力回復効果がある。
魔力回復効果はありがたい。
リフォームスキルが使いまくれるからだ。
でもその分、俺の自由時間はなくなった。
ダンジョンの仕事は、ゲームみたいなので飽きたりはないけど。
朝建を終え、
「坊主、休みは取っているか?」
「取ってるよ。学校に行っている間はボーっとしてる。でもレベルが上がったせいか。成績は落ちないんだけどね」
「今、いくつだ」
「25で止まっている。キラーラビット討伐での限界らしい」
「じゃあ3階層だな」
「うん、そうなるかな。でも第1階層と第2階層のリフォームが終わってない」
「レベルが上がれば魔力が増えて効率が上がる。ここはレベル上げを頑張るべきだな」
「
「将来を考えたら反対はしないはずだぜ」
「ごちそうさま。行ってきます」
「いってらっしゃい」
学校までは歩いて10分だ。
学校に行く途中、近所の家を回る。
「おはよう。これうちちで採れたモヤシ。食べて」
「おはよう。いつも悪いわね」
「買っても20円しないから気にしないで」
庭のダンジョンの存在はばれてない。
近所の人はあの入口はモヤシ畑の物だと思っている。
学校に着いた。
靴を履き替え、教室に入る。
「おはよう」
誰も俺の挨拶に反応しない。
朝のホームルームが始まるまで誰も話し掛けてこない。
「おはよう」
と思ったら虐めから助けた彼が挨拶してきた。
「おはよう。俺と挨拶していいのか」
「これも虐めだよね」
「うんまあそうかもな」
「僕の契約魔法がチクチクしたんだ。どうやら僕は挨拶しないのは虐めだと思っているみたい」
「まあいいか」
その話を聞いていた。
契約魔法をしたと思われる生徒が挨拶してきた。
契約魔法ってのは本人がどう思っているかで結果が変わる。
例えば
それに彼がチクチクと言っていたように、段階がある。
そうかなぁとうっすら思ったのではチクチク程度だ。
義理で挨拶されてもなと思うが、挨拶は礼儀だから形だけでもしておいた方が良い。
俺は
フランク挨拶すれば良いんだ。
会う人みんなを友達に接するみたいに。
「ちっ」
不良がさも面白くないという風体で舌打ちした。
なんか不良から嫌なものを感じた。
一波乱あるかもな。
昼飯の時。
「つらを貸せ」
不良が俺にそう言ってきた。
「何だ?」
「決闘だよ。これなら虐めじゃない。だからお前ら関わるな」
「決闘ね。いいよ受けてやる。これは決闘だから虐めじゃない。だが刃物は駄目だ」
「また停学を食らいたくはない」
体育館裏に連れて来られた。
「さあやろうぜ」
俺は向き合って構えてそう言った。
「吠え面かくなよ。とりゃ」
打ち込まれたパンチを軽々受け止める。
うん、レベル差は逆転したようだ。
「どうした? 温いな」
「お前、レベルを上げやがったな」
「ああ、上げたよ」
「糞が、俺にだってスキルがあれば」
「高校に入る頃にはスキルのひとつぐらい生えるさ」
「自慢かよ」
空いている方の手のパンチも受け止めた。
蹴り剥がそうと不良はもがくが、俺は微動だにしなかった。
「何でだよ。教室も変な空気になるし。俺はどこに行けば良いんだ」
「教室で大人しく授業を受けるんだな。まだ中学生だろ」
「お前、大人面するのか。認めない」
俺は不良を優しく投げた。
でも地面は堅い。
不良はかなりダメージを負ったようだ。
「アルバイトでもするんだな。仕事は面白いぞ。憂さなんか晴れる」
そう言って俺はその場を後にした。
「糞おぉぉぉ!!」
不良の絶叫が背中に届いた。
仕事でも紹介してやるか。
キノコ採りは楽しいぞ。
キノコを発見するたびに宝物を見つけた気分になれる。
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