第3話、思い出話

俺と美咲は、モックを食べて昔を思い出しながらいろいろ話した。

「そう言えば、このパイフォンは美咲のか?」

「そうだよ?これ、リセットもしないでゆうくんどの写真や動画とかたくさん入ってるの。」

「おいおい、恥ずかしいデータばっかりじゃないよな?俺と美咲の写真や動画なら良いけど、俺の寝顔とかさ。」

「寝顔?もちろんあるよ。それ以外もたくさん。」

「俺がそのパイフォンを買ったってことはそのデータは削除して良いんだよな?」

「へ?何言ってるの?このパイフォンはあくまでもおまけだよ?」

「はあ?なんだそれ。俺はパイフォンを買ったんだぞ?」

「もう、ゆうくん。

わからないの?私がこうしてこの家に来た理由。いくら鈍感なゆうくんでもわかると思ったのになあ。」

「いやいや

わかんねえよ。」

「ゆうくんのばあか。鈍感系主人公。ヘタレ。」

「なんで俺は怒られてるんだ?教えてくれよ。」

「はあ。この言葉を女の子に言わせるんだあ。まあこう言うゆうくんを好きになった私にも責任があるし。」

そう言って、美咲は姿勢を正して、俺の方をしっかり見てこう言った。

「ゆうくん、私、水瀬水音は石川裕也のことが好きです。いや、大好きです。いやいや、ちょうちょうちょう大好きです。私の彼氏になってください。」

俺はなぜ美咲が今日ここに来たのか、そしてどうしてこんなに簡単なことに気づけなかったのか。

そのことに自分への怒りが湧いてきた。

くっそー。

なんて言葉を女の子に言わせたんだ?

バカか俺は。

「美咲、ごめん。」

俺は美咲に向かって土下座した。

「本当になんてことを言わせてるんだろうな俺は。なんとなく俺からいつかは、美咲にこの気持ちを伝えるんだろうなって思ってた。でも今美咲はしっかり俺を見て言ってくれた。美咲、俺の彼女になってください。こんな俺だけど、よろしくな。」

美咲は泣きながら俺の胸に飛び込んできた。

その瞬間、美咲の髪の良い匂いがした。

「ゆうくん。」そう言って、美咲は俺の前に顔を近づけて目を瞑った。

これはもう何も言わなくても、美咲が何をしたいのかは考えるまでもなかった。

俺と美咲は、6年ぶりに再開して、恋人となった。

「なあ美咲。」

「なあに、ゆうくん。」

「このパイフォンは動かなくなっても大切にしような。」

「そうだね。このパイフォンは私とゆうくんが再開できて恋人にもなれたきっかけを作ってくれたしね。」

「美咲、俺今すっごく幸せ。」

「私も、すっごく幸せ。」

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フリマサイトでパイフォンを買ったら幼馴染の女子も一緒に届いた じゅんや @pianoman0421

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