第41話 ロリコンではないっ!



「ねぇ…、さっきカタリナちゃんが言ってた事って…、本当なの?」


魔力注入の余韻が冷め始めた頃、ルティアが口を開く。

カタリナはまだ眠ったままだ。



「あぁ……それは本当だ。

カタリナは森で、パーティーメンバーにレイプされて、

その時にオークに襲われて、カタリナは弟と一緒に囮にされて、

置き去りにされてた。……、弟はその時に亡くなった…。」


「そこへ私達が、オークに捕まったカティを発見して保護したのよ。」


クリスがあの時の事を思い出し、怒りで拳を握りしめる。

ルティアが沈痛な面持ちで言う。


「そうだったの……。そんな事があったのね……。

カタリナちゃん、可哀想に……。」


「でも…、カタリナはそれを乗り越えようとしてる、

だから…、俺達はそれを見守ってやりたい…、助けてやりたい。」


「そうね。カティが挫けそうになっても私達が支えてあげないとね。」


「そうよね……、可哀想なんて言ったら、カタリナちゃんに失礼ね……。」


「そうだな、まだ人の顔色を伺う癖は抜けてないけど、

最近では、楽しそうに笑ったり、笑顔も増えてきた。

まぁ、これからも今まで通りで、俺の妹分を宜しく頼むよ。」


「あら? アルもカティも私の弟と妹でもあるのだけれど?」


クリスが対抗する様に、冗談めかして言うとルティアも笑って便乗する。


「そうね、一番のお姉ちゃんの私を頼ってね?」


「このマウントの取り合いは何なんだよ…。

カティの眼が目覚めたら食事にして先に進もうか。それまではこのまま休もう。」


そう言ってアルは眠るカタリナの髪を撫でる。


「ふふっ、そうね。 私は食事の支度をするわ。」


「じゃあ、私はお茶のお替りを用意するわね。」


そう言って、ルティアとクリスは立ち上がり動き出す。


「あぁ、二人ともありがとう。」


アルも優しくカタリナの髪を撫でて居た手を頬にやり、 指でくにくにと弄って楽しむのであった。


それから暫くして食事の匂いに釣られたのか、カタリナがモソモソと目を覚ます。


「おはようカティちゃん。身体は大丈夫かしら?」


ルティアが笑顔で挨拶をする。


「あぅ……、だ、大丈夫です……。」


まだ少し頭がボーっとしてるのか、カタリナはぼーっとしている。

そんなカタリナにクリスが声を掛ける。


「おはようカティ、食事の前に服を着ましょうか。」


そう言われてカタリナは自分の身体に視線を落とす。


「っ!?  あぅ……。」


カタリナは、顔を赤くしながらいそいそと服を着るのであった。


「あ…、ボタンが…。」


ワンピースの前ボタンを留めようとして、

蔦にボタンをちぎられてたのを思い出すが、治っていて驚いた。


「クリスが付け直してたんだよ。」


「あぅ…、クリス姉様ありがとうございます。」


「可愛い妹分の為だからお安い御用よ?」


「うふふ、クリスちゃんったら…、

カティちゃんの、喘ぎ声を聴きながら裁縫してたのよ?」


ルティアが悪戯っぽく言う。


「ふふっ、仕事が捗ったわよ?」


「あぅ……、クリス姉様……。」


顔を赤くして俯くカタリナ。

そんなやり取りをしながら、食事の支度をして居たクリスが朝食の煮込みを配る。


「さてと……カティも起きたし食事にしましょ」


「あぁ、腹が減った。」


「あぅ……、私もお腹が空きましたっ!」


こうして四人は朝食にするのであった。

朝食の後のお茶の時間、アルが予定を伝える。


「今日からは暫く、カタリナとクリスが前衛、

ルティアが後衛で進んでいこうと思うが、クリスは牽制程度で留めて欲しい。」


「分かったわ。二人のフォローをすれば良いのね?」


「あぁ、無理を言って済まないが頼むよ。」


「カティちゃん、一緒に頑張ろうね!」


「あぅ……頑張りますっ!」


「それじゃあ、行こうか。」


そう言って四人は出発して6階層を暫く進んで行く。

暫くするとカタリナが何かに反応する。


「あぅ…前方から多分ゴブリン2体…来ます。」


「了解よ。」


そう言ってクリスが前に出ると、

走って来るゴブリンを鞘に納めたままのショートソードで殴って弾き飛ばす。


ルティアがすかさず、炎の矢を発現して撃ち込む。


「ファイヤアロー!」


炎の矢がゴブリンの1匹に着弾し、燃え上がる。

その間に気配を消して回り込んでいたカタリナが、もう1匹のゴブリンの背後から、音も無く忍び寄り、腰に短刀を抜き肩口から胸に向かって突き入れる。

2体のゴブリンは為す術無く息絶えた。


「お見事。」


そう言ってカタリナの頭を撫でるアル。


「あぅ……ありがとうございます……。」


カタリナが嬉しそうに撫でられるルティアがアルに抱きついてくる。


「アル君、私も労って欲しいな〜?」


「はいはい、ルティアも頑張ったな。

それにクリスも注文通りの動きだったよ。」


そう言ってルティアの頭を撫でながら、クリスを労うアル。


「ふふふっ、ありがとう。」


「余程のことがない限り、こんな感じで進んでいこう。

みんなよろしく頼むよ。」


「了解よ。」


「えぇ、任せてっ!」


「あぅ……頑張りますっ!」


こうして四人は7階層へと降りて、7階層を進んで行くアル達。

その後もカタリナの斥候で敵を発見しては素早く殲滅して進んでいく。

連携の練度も上がって行き、クリスが抑える時間も殆ど必要なくなり、

テンポよく進み10階層に続く階段を降りる。

階段を降り10階層入ると、それまで洞窟だったのが、

急に草原が広がっていて、夕暮れの空が広がっていた。


後ろを振り返ると絶壁が聳え立っており、その足元の穴に降りてきた階段が見える。


「へぇ……、ダンジョンって不思議な構造ね。」


ルティアが呟く。


「あぅ……綺麗な空ですね。」


カタリナも驚きの声をあげる。

クリスは腕を組んでウンウンと頷く。


「確かに…、綺麗ね。」


「今日はこの辺りで野営するか。 カタリナは、周辺の索敵を頼む。

クリス、食事よろしく頼むよ。ルティアは俺とテントを一つ張ろう。」


「了解よ。」


「あぅ……、わかりましたっ!」


こうして4人は野営の準備に取り掛かった。

カタリナは索敵の為に気配を消して離れて行き、

クリスはバッグから調理セットを並べ始める。

ルティアは徐にローブを脱いでエロメイドスタイルになり、

アルと共にテントの設営に掛かる。


(ヤダ何この人エロい。)


ルティアがしゃがむとスリットから下着が見えそうで見えない。立ち上がるとおっぱいがぷるんと揺れ、前屈みになると谷間が覗き込める。

謎の力でルティアの一挙一動に視線が吸い寄せられアルは動きが止まる。


(おっぱい……、お尻もエロ過ぎだろっ!)


ルティアはアルの視線に気付くとわざとスリットを広げて見せる。


「ふふっ、アル君作業の手が止まってるわよ。」


「あ、あぁ……済まない。」

(くぅっ!集中できないっ!)


(ふふ…、クリスちゃんの言う通りに、エロメイド服を着て良かったわ。)


クリスとルティアがお互いに視線を交わし親指を立てて頷くのであった。

暫くするとカタリナが戻ってくる。


「あぅ……アル兄様、動物型に魔物3体、近くにいます。

匂いに釣られてこっちに来てます。」


「了解、ルティアと俺で行こう。

クリスはそのままで、警戒だけはしといてくれ。」


「了解よ。」


テントの設営は途中で放置し、調理中のクリスが答え、

アルとルティアはカタリナに案内されて移動する。


「あぅ……、この先です。」


「よし、此処で迎撃する。

カタリナは気配を消して回り込んで置いて挟撃してくれ。」


「あぅ……、わかりましたっ!」


そう言ってカタリナは気配を消し潜む。

暫くすると狼の様な魔物が3体現れる。


「散らすわ。 フレアバースト!」


ルティアがスタッフの宝玉側を前方に向けると、

バスケットボール大の火球が飛び出し先頭の狼の眼前の地面に着弾する。

その瞬間、破裂する様に爆発して先頭の狼の頭部を燃やし飛ばす。

その近くにいた狼は爆風に煽られ飛ばされ、

もう1匹は少し離れてた為距離をとって無傷だったが、

そこには気配を消したカタリナが待機していて、

近寄ってきた狼の首を逆手に持った短刀で切り飛ばした。


アルはルティアが吹き飛ばし転倒した個体に、

氷の矢を追撃で撃ち込みとどめを刺した。


「うん、上出来だ。」


「カタリナちゃんも、凄かったわよ!」


ルティアがカタリナを抱き寄せて頭を撫でるとスリットから白い下着が見える。


「あぅ……、あり「ありがとうございますっ!」……。」


「…?なんでアル君がお礼を……はっはーん? エッチねぇ……アル君?」


ルティアがニヤニヤしながらカタリナを離し、ドロップした魔石を回収して行く。

アルに背を向けて拾うたびにタイトスカートに浮き出るお尻がフリフリと動く。


(エロい、もう……死ねるっ!)

「よ、よしクリスの所に戻ろうか。」


アルはルティアのお尻を凝視しながら取り繕う。


「ふふっ、じゃあ帰りましょうか。」


そう言ってルティアは先頭を歩いて行くのであった。


野営地に戻ると既に食事の用意は、粗方終わっている様だった。

クリスが訪ねてくる。


「お帰りなさい。どうだった?」


「狼が3体だったけど、問題無く対処できたよ。」


「そう、それなら良かったわ。冷めない内に食べましょ。」


「そうだな、頂こうか。」


そうして、食事も終わり片付けていると、

カタリナがお腹いっぱいになり眠くなり始めたのか、船を漕ぎ始める。


「あぅ……、眠くなってきました……。」


「うん、今日もいっぱい頑張ったからな。カタリナ先に寝てていいぞ。

クリスも一緒に休んでくれ。」


「あぅ……、わかりましたっ。」


「判ったわ。じゃあ先に休ませてもらうわね。」


そう言ってカタリナとクリスはテントに潜り込む。

ルティアがアルの耳元で囁く。


「ふふっ、この人選は、下心を感じるわね?」


ルティアはそう言って、アルの膝に手を置くと撫でるように動かす。

アルもスリットの隙間からスカートの中に手を入れて太股を撫でまわす。


「人を散々挑発して置いて、白々しいな。」


「あら、バレちゃったわね。」


ルティアが悪戯がバレた様にクスリと笑うと、

お互い足を撫でながら顔を近づけてキスをしてお互いの舌を求め合う。

暫くして、ルティアが身体を離すと二人の間には銀色の橋がかかる。


「続きはまた今度ね♡」


ルティアが焦らす様に言うと、アルはルティアを抱き寄せて耳元で囁く。


「判ったよ…、って言って我慢できるのか?」


そう言いながら、ルティアの胸の先っぽを服の上から爪先でカリカリと弄る。


「あん……もう、いじわるね。」


ルティアは身体をよじらせながら甘い声をあげる。

ルティアを指先から逃げる様に立ち上がると、背中を向けて、アルの膝の上に座る。


「2人が寝てるんだから、声を出すなよ?」


そう耳元で囁きながら両手で、豊満なおっぱいを下から支える様に揉み上げ、

服を下に引っ張るとバルンっと擬音が着きそうな勢いで、

双丘が揺れて飛び出した。


「うふふっ、我慢できなかったのはどっちかしらね…。」


「お前だよ……。」


「あんっ♡」


アルが両手で胸の先をキュッと摘むとルティアから甘い声が漏れ、

そのままクリクリと捏ねる様に弄る。

ルティアは左手で口を押え声を殺しつつ、

後ろ手に右手を器用にズボンの中に手を入れていく。


「ふふっ、アル君のもうこんなになってるわよ。」


ルティアは慣れた手つき直接触れて上下に動かしていく。


「っく、お前こそこんなぐちょぐちょにして……。」


手を離し、ルティアのお尻をあげさせると、

ルティアが座っているアルの膝が、湿り気を通り越して濡れていた。

ズボンをずらすと、ルティアのお尻を支え、ゆっくり落としていく。


「ふぐっ……うっくふぅ……。」


ルティアは両手で口を押えながらも快感に喘ぎ声を漏らす。


「その調子で、頑張って声を我慢してね?」


そう囁くと、アルは突き上げる様に動き始める。


「ふっ、あっ……くぅ」


ルティアは漏れそうになる声を両手で口を押え耐えている。


「どこまで我慢できるかな?」


突き上げる動作をしながら、右手で胸の先っぽを摘まみ、

左手は、股間の突起を濡れた指先で擦る様に撫でる。


「ひぅ、んっ……だめっ。」


ルティアが甘い声を漏らすとアルは追い討ちをかける様に何度も突き上げる。


「やんっ、ふっ……んん。」


ルティアは声を我慢しながら必死にアルの動きについてくる。


(くそっ……そろそろ限界だっ)


アルは腰の動きを速くしてルティアを突き上げると、

それに呼応するかの様にルティアの中がきゅっと締まってくる。


「あっ、ああん、ダメっ……いっちゃ……。」


「んっ……俺も限界だ。」


アルが最後に一際強く突き上げると、

ルティアの中がぎゅっと締まり、お互いの身体がビクッと痙攣する。


「うっ……。」


魔力と快感が押し寄せた後、ルティアの身体から力が抜けて、

前のめりに倒れ込むのをアルが後ろから抱きかかえて支える。


「うふふ……いっぱい出してくれたわね。」


ルティアは恍惚の表情を浮かべて呟く。


「まだだっ、まだ終わらんよっ!」


どこぞの大尉みたいな台詞と共に、

腕を腰に回し逃げられない様にして抜かずに突き上げ始める。


「えっ、だめっ……まだ敏感だから……。あっ、イッたばかりだから……。」


そう言いつつ、ルティアの表情は喜びに満ち溢れている。

アルは構わずにガンガン突き上げる。


「だめっ……だめぇぇ…んっ…いっくぅっ!」


ルティアが快感の悲鳴を上げて身体をのけぞらせて硬直すると、

中が凄い勢いでうねり締め付ける。


「くっ……。」


アルも我慢出来ずに迸りを送り込むと、快感の波がルティアを襲う。


「やっ……いっくぅぅ……んんっ!」


そうして、二人は絶頂を迎えたのだった。

二人の荒い息遣いが収まると、アルはルティアから引き抜き、

自分の後始末を済ませてクリーンを掛けてルティアの衣服を整えた。


「もう……激し過ぎよ…。」


「俺を挑発するからだよ…。見張りはするから休んでよ。」


「うふふ、ありがと。じゃあお言葉に甘えるわね。」


そう言って可愛く拗ねるルティアを抱え、

寝ている二人を起こさない様にテントの中に寝かせる。

暫く一人で見張りをしていると、カタリナが音を立てない様に出てくる。


「あぅ……おはようございます…。」


「ああ、おはよう。よく寝れたか?」


「あぅ…、アル兄様…わ、わた…私も……。」


そう言って、自分のスカートの裾をを両手で持ち上げ、

恥ずかしそうに膝を擦り合わせてモジモジしている。


「ふふ…、おいで……、カタリナ。」


アルがそう言って手を広げると嬉しそうに抱きついてくる。

そしてカタリナにも2回魔力注入したら、気を失ってしまう。


「アル…、貴方ね…」


声に振り向くと、クリスがテントから出てくるところだった。


「やあ、おはようクリス……。」


アルは少しばつが悪そうに挨拶をする。


「はぁー…、もぅ……、このロリコン…。」


クリスが呆れ顔で言いながら、

カタリナを抱え上げ、テントの中に寝かせると、再び出てくる。

『ロリータコンプレックス』

そんな言葉はこの世界にはないが、過去にロリコンと言う単語として、

その定義をクリスに語った事があったアルは、盛大に自爆する事になった。


「交代よ……。」


「敢えて言わせて貰うが、俺とカタリナは一歳差だ…。

だから、俺はロリコンではないっ!」


「………、そうやって…、必死に否定するところがロリコン臭いのよ…。」


そう言ってアルの膝に座り首に腕を回し顔を近づけて、2人の唇が重なる。

アルはクリスを抱きしめて、濃厚なキスを続ける。


「んっ……あっ……っんん……。」


舌と舌が絡み合いクチュクチュと音をたてる。


「ふふっ、やっぱり私のキスは良いでしょ?」


クリスが悪戯っぽく笑う。アルも微笑み返して囁く。


「ああ……俺はもうお前無しじゃ生きられないよ。」


「んっ……嬉しい……。」


そして再び2人の唇が重なり、濃厚なキスが続く。

そのまま、クリスに魔力注入を3回して、アルは眠りに就いた。


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