第30話 ダンジョントラップ(殺意低め)



暫く1層を進み、2層への降りる階段を見つけた。


「確か…、ルティアさんが2層目からは、トラップに注意しろっとか言ってたっけ?」


「そうね、それも踏まえて探索しないとね。」


2人は階段を降りると、警戒度をあげつつ、通路を進んでいく。

暫く通路を進んで居ると、通路が二股に別れたY字路に行き当たる。


「ねぇ、どっちに進むの?」


「こういう2択を迫られた場合、

人間は無意識に左を選びやすいと言われている。 だから右だなっ!」


「アルは物知りね。 判ったわ。」


2人は、Y字路の分岐を向かって右に進んでいく。そして10分程歩く。


「…………。 行き止まりね。」


「…………、そうだな…。」


2人は顔を見合わせて、ため息を吐くと来た道を戻る。


Y字路まで戻り、今度は反対の左に進み10分程歩くと、今度はT字路に出た。


「………、アルどうする?」

「………、さっきは…、左が、奥に繋がる通路だった。

人間、左を選ぶと次は右を無意識に選んでしまうんだ。 だから左だっ!」


「流石ね…、判ったわ。」


2人は左を選び10分程歩く。


「…………。 行き止まりね。」


「…………、 ……っ! まてっ!?

俺の直感が…、この行き止まりには何かがあると告げている!」


そう言ってアルは行き止まりの壁に張り付いて調べ始める。


「…………っ! これは…、やはりっ!」


アルは、壁の隙間に在った、小さなスイッチを見つけ、自信満々に押す。

ポチッとな。


「キャッ!」


押した瞬間、後ろに居たクリスの小さな悲鳴が聞こえて振り向くと、

クリスは胸迄ぐらいの深さの穴にハマっていた。

穴の淵に腕を拡げ肘をつき、身体が落ちない様に支えた様だ。


「クリス、大丈夫か!?」


「ええ……、大丈夫よ。 中に水が溜まって居た様ね。

思ったより深さも無くて足が着いたし、怪我はしてないと思うわ。

ただ、この水…、やけにヌルヌルするのよ…。」


アルは慌てて穴に駆け寄り、クリスの手を掴み引き上げようとした瞬間。

クリスの下半身を這いずる感触があり、思わずアルの手を離してしまう。


「ひゃあっ!」


クリスの太股や、お尻、腰やお腹などを、細い何かが這いずり服の中にも入り込み撫でまわす。


「何? 何かが……、服の中にっ!?」


クリスが慌てて、服を抑えようと穴の中に手を入れる

穴の大きさがクリス一人分ぐらいのサイズなので、穴の中が良く見えない。


「このっ! このっ!」


クリスが穴の中で手をばたつかせると、手に何かが触れた。

それを摑んで引きずり出すと、それはブヨブヨと蠢く粘液に包まれたミミズの様な何かだった。


「なっ!?」


クリスが呆気にとられていると、そのミミズはクタっと動かなくなるが、

穴の中で更に、クリスの下半身を這いずり上がり下着の中に滑り込んでいく。


「ゃん!? ……ぅああっ!」


咄嗟に足を閉じようとしたが叶わず、太股から腰、胸を這いずり回られ、

粘液まみれにされながら、股の間も撫でまわされ、

ヌルヌルの液体と組み合わさり、クリスの身体を昂らせていく。


「くぅっ……あっ! んっ!ふっ! んあっ!」


(エロい、………、……………、…………っ! はっ!)


クリスは堪らず声を漏らし、体の奥から湧き上がる火照りに体をくねらせる。

そんなクリスの痴態を興奮しながら眺めていたアルは我に返る。


「クリスっ、今助けるからなっ!」


アルは、クリスの両脇に手を差し込み、クリスを穴から引き摺り出す。

クリスの服は、粘液でヌラヌラに濡れていた。


「アル……、ありがとう……。助かったわ……。」


頬を上気させ、息を荒くしたクリスがアルにお礼を言うと息を整える。


アルは、穴の中にライトを当てて、覗き込むと、

穴の中で蠢いてた物体は、穴の内壁に引っ込む様に消えて行った。


「これは、何かの触手なのかな…。なんて酷いトラップなんだ…。」


「アル…、そんな大きくさせておいて、説得力がないわよ。」


クリスは、頬を上気させながらもジト目でアルの下半身を見つめ言う。


「いゃ……これは男の生理現象とゆうか何というか……。」

「…………、アルの変態…。」


そう言ってクリスが立ち上がると、アルはクリスを水球で包み、

クリーンを掛けて、ブリーズで、汚れを飛ばし、

クリスのメイド服を洗濯後の様に仕上げる。


「ありがとう…。 やっぱりアルの魔法は便利ね…。」


「どういたしまして……。それじゃ、進もうか……。」


綺麗になったクリスは頷いて、アルと来た道を戻った。

T字路まで戻ると、右の通路を進む為に、そのまま真っ直ぐ進んでいく。

途中、ゴブリンやスライムに遭遇するが、危なげなく退治しながら体感で1時間程進む。

すると、真っ直ぐに進む道と、左に脇道が在った。


「…………、分かれ道ね…。」


「………、さっきから、奥に進む道は、左、右だった。

ならば次は左…、こっちだっ!」


「………、そう…、判ったわ…。」


若干ジト目なクリスと共に、アルは左の道へと進んだ。

暫く進むと、行き止まりだった。


「行き止まり……ね…。」


「……そう……だな…。 いや……まだだっ!」


そう言って、アルは正面の壁を再び調べ始める。


「なにか…、何かがあるはずだ…。」


その様子を見ていたクリスは少し呆れ気味に横の壁にもたれ掛かる。

その時、クリスの肩が何かをカチっと押した。


「あら…?」


アルが壁に顔を近づけて調べていると、目の前の壁がパカっと開き、

開いた穴から丸太が飛び出してきて、アルの顔面を打ち抜いた。


「ぶっはぁ!」


顔面に丸太を喰らったアルは、倒れ込んで、鼻とデコをさする。

その様子を見たクリスが慌てて駆け寄り、アルを起こしながら言う。


「大丈夫っ!?」


クリスの差し出した手を取り立ち上がったアルは鼻血を抑えつつ答える。


「ああ……、大丈夫だ……、………、キュア…。」


アルが魔法を使うと、鼻の痛みが消え血が止まった。


「ごめんなさい。私が何かスイッチを押してしまったみたいね。」


「いや、大丈夫だ、誰にでもミスはある。 無事なら問題ないさ。」


「ありがとう。

ところで……、丸太の出てきた穴は何かあるのかしら?」


「ああ……、覗いてみようか…。」


アルは恐る恐る、穴を覗くが暗くてよく見えない。


「とりあえず……、ライト……。」


アルが光量を絞ったライトを穴の中に入れ奥に進ませ、その様子を覗く。


「何も……、ないな………。丸太が出てくるだけの穴なのかな。」


「そうかもしれないわね…。 戻りましょうか。」


「ああ…、そうだな。」


2人は分岐の所まで戻ると、再び奥に進み始めた。

再びY字路に差し掛かり、アルは言う。


「左、右、右、二度ある事は三度ある!だから右だっ!」


「…………、そう…、判ったわ…。」


クリスは先程より深度の進んだジト目でそう言うと、右の通路に進んでいった。

アルも直ぐに、クリスを追いかけて右に行き、10分程歩いた。


「……あれぇ………?」


「………、行き止まりね…。」


「………、いやっ……、まだだ!この壁には何かが「もう良いわ私が調べるから。」

クリスはアルの言葉を遮ると、先程と同様に壁を調べ始める。

そして、クリスがしばらく壁を調べるが特に何もなく、

振り向いて壁から離れようと一歩踏み出したとき、カコンっと何かがハマった音がする。


「「………カコン?」」


2人の声がハモった瞬間、クリスが背を向けた壁の一部から、

一斉に蔦が飛び出してきて、クリスを拘束する。


「きゃあ!」


「クリスっ!大丈夫か!?」


蔦が蠢き、クリスの全身を拘束していた。

アルが助けようと近寄るとクリスとの間に、

固い蔦が上下左右から何本も飛び出し、クリスを捕える檻の様になる。


「ぅああっ!は……ぁんっ!やぁっ!」


胸と股を執拗に責め立てられて喘ぐクリス。

よく見ると、クリスを捕えてる蔦の内側から、小さな触手がびっしり生えていて、

服の中に入り込み、這いずり撫でまわしているようだ。


「はぁんっ!ああぁっ!んんんっ!あっ!」


「くぅっ!このっ!」


アルは蔦の檻に向かって手を伸ばす。

すると、蔦が鞭の様にしなり、パシッとアルの手を払う。


「うぉっ!」

(どうする?考え「ぅああんっ!ぁんあっ、くぅうぁ!」……え……エロい…。)


救出方法を考えようとするがクリスの喘ぎ声に思考が遮られる。


(まずい……っ!クリスがエロすぎて思考が鈍る)


「………、ウインドカッター いっぱい!」

(思考放棄)


アルは、無数の風の刃を生み出し、蔦の檻に向けて解き放つ。

クリスを襲う触手をも次々に切断され、切断された触手は動かなくなる。


「あんっ! え……? ………、アル……?」


快楽に染まりかけていたクリスは、急に拘束を解かれて呆然としている。

どことなく残念そうにも見える、その表情のまま座り込んでしまう。

そんなクリスを抱き起こすと、そのままお姫様抱っこして走り始める。


「きゃっ!?」


「ちょっと我慢しろ!俺もしてるんだ!」


クリスに八つ当たり気味に言い聞かせ、その場から離れて通路の途中で休む。

2人で壁にもたれて休憩する。

アルはライトの魔法で明かりを確保し、クリスにクリーンを掛ける。


「ありがとう……。」


「どういたしまして……。クリスが無事で良かったよ。」


2人は寄り添いながらホッとする。そしてアルが意を決して聞く。


「その……、大丈夫か?身体は……。」


「ええ……、触手は服の中にまで入ってきてたけど……、

中まではたぶん大丈夫よ…。」


「そうか……。良かった……。」


そう言ってアルはクリスの肩を抱き寄せるが、

クリスの身体は昂っていて、敏感になって居た。


「んんっ! あ……、アルッ……。」


思わず反応してしまったクリスは、顔を赤くし恥ずかしそうにする。


2人は抱き合いながら唇を合わせると舌を絡め始める。

暫くすると、2人は一旦離れるが、また直ぐに求め合う。

そして長いキスを終えるとお互いを見つめあう。

クリスは恥ずかしそうに頬を染めながら言う。


「あ…、アル……。」


「ん?」


「……、お願いがあるの…、抱いてほしい……わ。」


「……。 ここで…?」

(クリスめっちゃエロい!)


アルは内心そう思いつつも、クリスに聞く。


「………、駄目……、かしら……。」


「いや、俺は良いんだが……。良いのか?こんなところで?」


「うん…。さっきのと今回ので、私もそろそろ我慢の限界なのよ……。」


アルは辺りを見渡すが、人が通る気配は無い。

そして、さっきのと今回ので限界なのはアルも同じだった。

ズボンを脱いで、クリスを自分の膝の上に乗せ向かい合い

クリスが腰を落としていく。


「ぁあんっ!ふっ…、深いぃっ!」


クリスはアルの腰に足を回して、気持ち良さそうに嬌声を上げる。


「クリス、このまま一緒に気持ちよくなろう。」


「無茶苦茶に……、して…?」


そう言ってキスをして動き始めた。


そのまま魔力注入を2回した。


その後もトラップを見つけ、ハマり、回避し、ゴブリンやスライムを倒しつつ


階層を進めて行き6階層を二人は歩いていた。

クリスはご機嫌である。

それもそのはずでその後も、昂ることになると、アルに再び魔力注入を強請り、

途中からワザと罠に掛かっているんじゃなかろうかと、アルが疑うほどだった。


(ああ……アルのが入ってくる感覚が凄く気持ち良い……。)




6階層を進んでいると、前方から誰かが歩いてくる音が聞こえた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る