第4話

語り手の姉、ララバイは変である。

たまに、変態っぽい発言をするのだ。


どんな事を言うかといえば、

あの猫の後ろ姿って良いよね!とか。

あの猫の足の曲線美最高!とか。

あの馬の脚のフォルムが良いよね!とか。


ほぼ動物の脚について熱心に語り始める。


これだけなら、まだ良い方だ。

最初にこの話をララバイから聴いた時は、後ろ姿が良いとしか言わないものだから……。


語り手自身も動物のお尻が好きなのか?

と勘違いしてしまった事がある。

その時はすぐに誤解は解けて、何もなかったが。


まあ、こんな事が家であるなら、外でもあるわけで……。


ララバイが友達と話していた時に、ついつい、馬の脚について語ってしまったらしい。


「馬(の脚)が好きなんだよね」

「そうなんだ!」

(馬顔が好きなんだね!)


翌日、姉の友達が連れてきたのは、馬に似た顔の男の人。

そう。勘違いによる惨劇が起きてしまったのである。(なんでや!)


もちろん、姉は困惑。

違うと察した友達も困惑。

連れてこられた男の人は状況すら理解出来ていないというカオス。


結局、ララバイが脚フェチである事を自白して、事なきを得たのである。

めでたし。めでたし。

(いや、絶対違う)


ちなみに、呼ばれてきた男の人とは普通に友達になったそうな。


うん。良かったのか、良くなかったのか。

とりあえず、呼ばれてきた人ごめんなさい。

語り手はそう言いたい。


・・・


ララバイには癖がある。

生まれてきた時からある癖だ。


その名も、『隙間に手を突っ込む』

と言ったものである。


語り手的には、これはララバイの“せーへき”だと思っている。


聞くところによると、狭い隙間に手を突っ込むと落ち着くらしい。


語り手には分からない。


目の前でララバイがソファーの隙間に手を突っ込んでいるのを見て、真似して見たことはあったが理解出来なかった。


むしろ、抜け出せなくなって焦った思い出しかない。


ララバイにその“せーへき”について、聞いてみた事があったが、全くと言って良いほど理解が出来なかった。


うん。自分にはまだ早い!(現実逃避)

語り手はそう思う事にした。

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