第7話
兵頭さんと一緒に観覧車に乗り緊張していると
「藻太郎の飼ってる、猫ちゃんは元気か」
と急に猫の事を聞かれたので何故だろうと首を傾げると
「すまない、急に聞かれて困っただろう」
と言われたので頷く
「そうだよな、でも猫ちゃんは元気か?」
「ミャーちゃんの事を言っているのなら元気だよ」
「そう、それならよかった」
「でもどうしてそんな話を?」
「昔の話だけど聞いてくれる?」
すると兵頭さんは観覧車の外の風景を見ながら
「昔さ、猫を拾ったんだよ、秘密で家で飼っていたらさ、親にバレてさ、家では飼えないって言われて、嫌だったけど、また元の場所に戻す事にしたんだよ、だけどどうなったか気になってさ、そのままずっと見てたらさ、藻太郎が現れて、猫を拾って行ったんだよ、その時さ、勝手だけど少し、心が救われたんだよね、優しい人間はいるって、その時に藻太郎に一目惚れみたいな事をしたと思うんだ、藻太郎、あの子を大切にしてくれてありがとうね、私が言える立場じゃ無いのは分かっているけど、これからも大切にしてね」
と言われたので俺は力強く
「そんな事を言われなくてももちろん大切にするよ、うちの大切な家族だからね」
と言うと兵頭さんは笑顔で
「ごめん、そうだよね。良かった、あの子が藻太郎に拾われて、本当に良かった」
と嬉しそうに言ってきたので思わず
「今度、ウチに来る」
と爆弾発言をしてしまい、俺は慌てて
「ミャーちゃんに会いにきてって意味だよ、変な意味じゃ無いからね」
と早口で言ってしまうと兵頭さんは笑いながら
「大丈夫、分かっているよ、まあ俺としては変な意味でも良いけど」
と言ってきたので俺は照れながら笑っていると、兵頭さんも照れた様に笑いだす。
だが途中で兵頭さんと目が合い照れてしたを向いた。
長い時に思える短い時間を過ごすと観覧車が地上に近づいた所で兵頭さんがスマホを差し出し
「連絡先の交換しよう」
と下を向きながら言ってきたので俺は緊張でスマホの操作がままならかったがなんとか操作し
「うん、出来たよ」
と俺も緊張で下を向きながら言ってしまう。
その後、会話も無く、観覧車を降りる時がくる。
俺たちは恥ずかしさからかお互いに目を合わせられずに歩いていると
「アニキ、モニキ、仲良くなれましたか」
と手を振りながら言ってきたので俺はさっきの事を思い出し、顔が熱くなっていると
「よ、よし、次はあれに乗りましょう」
とテルが慌てているように発言すると
「そうですね、あ、あれに乗りましょう」
とザキも慌てているように発言し
「じゃ、行きましょうか」
と言ってきたので俺は顔を熱くしたまま、テル達に付いて行くことにした。
テルについて行き、アトラクションに乗るがさっきの事を考えてあまり楽しめず終了し、テル達とおりると目の前に
「やっと、降りてきたか、次はゲームセンターに行くよ、藻太郎」
と郷田兄妹が立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます