第6話

 いつ以来だろうか、遊園地に来るなんて。

 そんな事を思っていると


「藻太郎、入ろう」


 とアニキいや兵頭さんが手を掴んでくる。


 当然俺は家族以外の女の子に手を握られた事は無いし、ましてやこんな綺麗な人に手を握られるなんて想像もした事が無かったのでドキドキして返事が出来ないでいると


「藻太郎が困っているだろう、兵頭さん手をは・な・し・て」


 と郷田が笑顔で俺から兵頭の手を引き剥がそうとする。


 すると兵頭さんは笑顔で


「ええと、そうでしょうか?藻太郎、あた、わたしに手を握られて困ってます?」


 とこちらを見てきた、俺は綺麗な女の人に見つめられた事が無かったので顔が熱くなり固まっていると


「ほら、ほら、藻太郎、困ってるじゃ無いか」


 と郷田は勝利を確信した表情をして兵頭を煽ると渚は俺をを見つめてくる。


 どうすれば良い、どうすれば良いと非常に困っていると


「あの、申し訳ないんですがそろそろ中に入りませんか、遊ぶ時間無くなりますよ」


 とテルが手を差し伸べてきたので心の中で感謝していると


「そうだな、後はじっくり中で仲良くなれば良い」


「、、、、、、、、、、、」


 と郷田と兵頭は独り言をつぶやいていた。


 中に入ろうとチケットを買っていると郷田は何処かに電話していたのでなんだろうと思っていると


「モニキ、行きましょうぜ」


「じゃ行くか」


 とテルの後を追い、園内に入ることにする。


 園内に入るとジェットコースターや観覧車、コーヒーカップがあり年甲斐もなくワクワクしてくきた。


 何処に何があるか確認していると


「藻太郎、行きましょうか」


 と兵頭さんがまた手を握ってきたので固まっていると


「うん、行こうか、最初は兵頭さんが遊園地に行きたいって言ってたから、遊園地を遊んで回ろうか、そしたら次に僕の提案したゲームセンターに行こうよ」


「郷田さんにしては良い意見ですね、では早速行きましょうか」


 と言って兵頭さんは俺の手を引っ張り


「藻太郎、行きましょうか」


 と言ってきたので俺はどうにか返事をしようとしたら郷田が兵頭さんの腕を掴み


「兵頭さんの提案を先にしたんだからさ、藻太郎から手を離そうか」


 と引き剥がそうとしてきたが兵頭さんは抵抗し


「これとは別ですよ」


 と郷田と兵頭さんはお互いの顔を見て笑い合っていた。


 その後、俺の手を握り問題は解決せずに兵頭さんが手を握ったら郷田が引き剥がす攻防が続きながらジェットコースターのアトラクションまで来てしまう。


 すると兵頭さんは


「隣が良いな」


 と甘えた声を出してきたので俺はどうすれば良いと緊張していると


「藻太郎が困っているだろう、だから僕が隣に座るよ」


 と郷田が兵頭さんを睨みつけてきたので、俺はテルに助けを求めた視線を送るとテル無理っすと言っているような表情で見てきたので


「お手洗いに行きますね」


 となんとかラブコメで使える解決法を捻り出したが


「藻太郎大丈夫?僕もお手洗いに行くよ」


 と言ってきたのでしまった同性には通用しないと思いながら


「やっぱり、気のせいだった」


 と慌てていうと


「すみません俺、喉乾いたので飲み物買ってきますね」


 とザキが急に列を飛び出す、するとテルは


「俺の隣空きましたね、せっかくだしモニキと乗りたいななんて」


 と言って俺にウインクしてきたので


「せっかくだし、テルと乗りたいかな、学校一緒になった記念に」


「そうっすね、せっかく学校一緒になったんですからアニキここは一つよろしくお願いします」


 とテルは兵頭に頭を下げるすると


「仕方ないな、次は俺と一緒に乗るからな」


 と言ってきたので良かったと思っていると


「まあ、兵頭さんの隣になるよりかはマシか良いだろ」


 と郷田も言ってきたので俺はテルの隣に行き小声で


「助かったよ」


 と言うとテルも小声で


「貸し1ですよ」


 と小声でで言ってきたのでなんとかやり過ごせたと安堵するのであった。


 テルの隣に乗り久々のジェットコースターを楽しんだ後、次はコーヒーカップに乗る事にした。


 コーヒーカップでは郷田と兵頭が俺の両隣に座り、若干、いや、かなり居心地が悪かったがやり過ごし、道を歩いていると兵頭が


「観覧車に乗りたいんだけど」


 と言ってきたので俺たちは観覧車に乗る事にする。


 観覧車に乗ろうと並んでると


「藻太郎、一緒に乗ろう?」


 と甘えた声で言ってきたので緊張しながら郷田は何を言うのか待っていると郷田の反応が無かったので周りを見渡すと郷田が居なかったのであれ?と思いつつも兵頭さんの言葉に反応出来ないでいるとテル達はアニキに気を利かせたのかいつのまにか先に乗っており、俺たち2人だけになっていた。


俺はこの状況に緊張しながらも


「うん」


と短く返事をして兵頭さんと一緒に乗る事にした。

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