第3話
何事だと思い俺は2人組を凝視する。すると何故か郷田が2人居て、どうなっているんだと訳が分からなく固まってしまっていると
「、、、、、、」
と私服の郷田がこちらを見て何かを呟いた後
「あー駄目だ、駄目だ。藻太郎、可愛すぎる、うう辛い、可愛すぎる、うう辛い、帰りたい」
と訳が分からない事を言ったと思ったら、急に青ざめた顔をして
「おい、あいつ誰だよ、何で藻太郎の隣にいるんだよ、誰だよあいつーーーー!!!」
と私服姿の郷田が校門から出て行ってしまったので、どうなっているんだとテルと顔を合わせていると制服姿の郷田がこちらに近づいて来て、テルに
「お前のせいでお兄ちゃん、逃げちゃたじゃないどうすんのよ」
と言ってきた、するとテルは混乱しているのか俺に
「どういう事ですか、モニキ?」
と聞いてきたので俺は首を傾げると制服姿の郷田は
「藻太郎、早く!!、お兄ちゃんの所に行きなさい、早く!!」
と俺に対して命令してきたので恐怖心よりも訳の分からなさで動けないでいると
「モニキに命令するな!」
とテルが強い言葉で言うと制服姿の郷田は下を向きながら
「お願いよ、お兄ちゃんの所に行ってよ」
と弱々しく言ってきたので俺はその姿に耐え切れず
「わ、わかった、い、いくよ」
と郷田に対しての恐怖心で噛みながら答えると
「行くんですかモニキ」
とテルの言葉に頷くと
「じゃこっちに来て」
と郷田が引っ張って来たのでそのまま行こうとすると
「俺も心配なのでついて行きます」
とテルが言うと郷田は
「分かった、でもお兄ちゃんの前には出ないでね」
と言うと俺を再び引っ張って行く。
郷田に引っ張られていると近くの公園に着く、すると郷田は
「ほら、お兄ちゃんの所に行ってあげて」
と背中を押してきたので俺は怖くて躊躇していると
「お願い、行って」
と弱々しく命令してきたので俺は勇気を振り絞り、私服姿の郷田の所に向かう。
私服姿の郷田に近づくと汗が出てきて何も言えずにいると
「藻太郎、藻太郎、藻太郎だー」
と無気力の様な声を出した後
「そんな訳ないか、藻太郎は俺が嫌いな筈だし」
と落ち込み
「ごめん、藻太郎。今までイジメてて、ごめん、言い訳だけど俺、中学生の頃イジメられててどうすれば虐められないで済むかと考えたらいじめる側に回ればいじめられないと思って高校生になって藻太郎をいじめていた。醜いものだと分かっていたのになあ、本当にごめん」
と謝ってきた、俺は事情を聞いてもやっぱり許せずにいると
「やっぱり許してもらえないよね、幻覚でも許してもらえないか、そうなると許してもらえないよな、もう関わらないでおくよ」
と言って、落ち込みながら立ち去ろうとすると
「お兄ちゃん、諦めないでよ」
と制服姿の郷田が言うと
「幻覚の中でも樹は優しいな、でも無理だよ」
と郷田に言われた樹は郷田に近づき
「何を馬鹿な事を言ってんのよ、これは現実よ」
と郷田の頬引っ張ると郷田は俺の顔を見て
「本物の藻太郎、じゃ、あいつも本物?」
と膝から崩れ落ちる、すると樹は郷田を持ち上げて
「そんな事より、今は全力で謝って、許してもらって、こんな機会逃したら、また引きこもりに戻るでしょ」
「いや、でも」
「いやでもは無し、さっさと許してもらう」
と樹に背中を叩かれた郷田は何かを決めた表情をしてから
「今まで本当にごめんなさい、許してもらえる様に何でもしますので、挽回の機会をくださいお願いします」
と頭を下げて言うと樹も頭を下げて、
「こんなお兄ちゃんを許してあげて、お願いします」
と謝ってきた。俺はどうしようかと迷って、考える。考えたが答えが出ず、どうするかまた迷っているとテルの昔の話を思い出し、郷田も弱かったのかと思い
「正直許せるかどうか分からないけど、頑張る」
と自分に言い聞かせる様に言うと郷田は涙を流していた。
郷田の泣いてる姿を見て見て此処に居づらくなり公園を後にすると
「モニキは強いっすね、アニキが惚れるだけはあると思いましたよ」
と褒めてくれたが今の俺に何か返せる余裕は無く、ただ頷き、テルと一緒に帰るのであった。
家に帰るとみーちゃんがお出迎えをしてくれたので
「ただいま」
と言ってみーちゃんのもふもふに顔を突っ込む、みーちゃんは逃げずに受け止めてくれたので少し落ち着きを取り戻す。
食事を終え、ベットにみーちゃんと入り、落ち着きを取り戻した事によって明日がどうなるのか考え不安になるのであった。
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