メモ1

@Yoyodyne

***

結局蓋を開ければ簡単な話だ。

そもそも”それ”を必要としてなかったのだから。”それ”を産んでしまった。全くの不注意で…

”それ”は微笑みかける。いやホントのところ微笑んではいないだろう。単にただある”それ”を良いように自分の願望を投影しているだけだ。

”それ”を知ることはかなわない。

”それ”を知覚することに完全に行き詰まりを感じ、次第に追い詰められていった。

表面上は皮相的な態度を取ることで”それ”を会得できない状況から逃避していた。しかし、”それ”が身体の裏側に貼りついて離れない感覚(錯覚かもしれないが…)を拭い去ることができなかった。”それ”の残滓が行く先々で現れた。それらは”それ”が存在した確たる証拠にはならなかったが、”それ”がそこに存在したことを強く意識させた。

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