第14話 ゲームと峠ともう終わりだよこのシナリオ
前回までのあらすじ
なんでかよくわからないけど、王様とゲームをすることになった!
「ふむ、要するに、このゲームの世界ではゴーストラペイジというゲームが流行っていて、その内容は朝や長期休暇の渋滞をいかに高速で避けて走るかというレーシングゲームということか」
「ハァ……ハァ……そういうこと……だよ……」
「多分……ね……」
カイレの丁寧な説明に、肩で息をしながら答える残りの2人
「それで、朝の登校の時外を歩いていた主人公は、物陰に連れ去られる少女を見かける」
カイレも説明を続ける
「それが気になった少年は、少女を追いかける」
この時、カイレも含めた全員が、これ、レーシングゲームのストーリーじゃないなと思っていた
実際レーシングゲームのストーリーなのだからタチが悪い
「すると、後ろから人の気配がした。振り向くとそこには、黒ずくめの男が、鉄バットを振り上げ、襲いかかってきていた←今ここ
という訳だ」
説明が終わる
一体どういうことだ、何がなんなのか分からない、あれれぇおかしいぞぉ
色々な言葉が脳裏を過ぎるが、何よりも、ゲーム画面がそのストーリーの証拠と言えた
その、ゲーム画面は、左端に自分(と思わしき)、左端に敵(と思わしき)が腰を低くし、両手を構え、ファイティングポーズを取っている
なにより特徴的なのは、両端の上に位置する、バー
自分側にあるバーの色は薄緑。薄すぎて半分光ってる、ちなみにもう半分も、機械の力によって光っている
また、反対側の敵側のバーの色は水色で、蛍光味が強い。これもまた、機械の力により、光っている
そう、要するに、格闘ゲームのような画面だったのだ
(レーシングゲームとは思えねぇ……)
ハルトは額に手をやり、空を仰ぐ
レーシングゲームってなんだろう。そう思ったのだった
ちなみに、分に表すとこんな感じである
____________________________________________
\_____________\\ 98 \______________\\
自 敵
____________ ________
___/___________///______________/_________//_
「とりあえず、やってみようぜ」
キギアの掛け声で、ハンドルの中央のボタンが押される
『スタート!』
勢いのある声とともに、戦闘が始まる
勢いよく画面内の敵が動きだす
その時、不思議なことが起こった
画面内の敵が止まったのだ
『目の前にあるハンドルでキャラクターを動かせます』
機械音声が言葉を発する
どうやら、このミニゲーム?にもチュートリアルは発生するらしい
ガコン。キギアがハンドルを回すが、キャラクターは動かない
『まず、キャラクターを動かすにはレバーズインシフトラインをフリーオートモードへ変えてください』
(………………………………………………?)
ハルトの脳裏にハテナが浮かぶ。周りを見てもみんなぽかんとしているので、それはハルトだけでは無いらしい
「レバーズインシフトラインって、何……?」
「いや、俺に聞かれても……」
ハルトの質問にカイレが珍しく言い淀む
「まあ、そこら辺のレバーガチャガチャしたらそのうち……」
『アルティマリブート!!!!』
テンションの高い機械音声が、熟年の格闘ゲームのシステム音声の、声優を思わせる声で叫ぶ
すると、急にキャラクター(主人公)が、動きだし、敵にパンチ、キック、ストレートナックル、ラリアット、の順に技を繰り出し、トドメに空中から相手を蹴る技"シャイニングウィザード"を繰り出した
無論、相手のHPはゴリゴリ削られ、最終的にはゼロになった
「「なにが……起きたんだ……?」
ハルトが、そんなことを言う。ちなみになにがの部分だけカイレと被った
『やるな……、貴様……。ならばゴーストラペイジで決着をつけよう』
画面の中の、敵その1が、そんなことを言い始める
ストーリーは一応進んだらしい
「やっとレースだな」
「次は、ハルトくんやってよ」
「いいぜ」
ハルトは不敵な笑みを浮かべ、筐体に座った
『ルールはシンプル。ここを三週、先にした方の勝ちだ』
次はどんな馬鹿げた訳の分からないものが来るかと思いきや、割と普通だった
だが、問題はそこではなかった
「なんだ……。この、車?」
そんな車の形は、愛くるしさを感じさせる太く短い4本足。リャマのようなデフォルメされた顔
カラーリングは紫だが、それでも異様である
「とりあえず走ってみるか……」
もはや、車のデザインなど気にしせずリャマを走らせるハルト
そのリャマの名前は、「スターフィーア・F」
「おし、アクセル全開で行くぜぇ!」
グォン!
足元にある銀色のペダルが踏み込まれ、紫色のリャマ、スターフィーアが加速する
「うおっ!?」
その加速は、想像絶するものであり、思わず声が出る
加速は止まらず、一直線のゾーンをフルスロットルで、走り抜ける
そして、弱まる気配を見せず、加速したままコーナーへ差しかかる
それは、一見すると、円形で曲がりやすいと見られる。
しかし、周りには、車1つが通れる程の幅はない。要するに、曲がる時に発生する車体の回転、それに対する道の幅の余裕がないのだ
「おおっとぉー!周りの幅に余裕のないヘアピンカーブのお出ましだぁ!」
「これは、1歩間違えれば即スリップ……。これを渡りきるやつはいない!」
後ろから男二人の謎の実況が聞こえてくる
しかし、ハルトはそれに構う余裕が無いほどに、熱中していた
「ボクには何がスゴイかさっぱりだよ……」
聞くものの頭に爽やかさを与えるような綺麗な女性の声が響く
(この車、かなり癖があるな……。だが、乗りこなす……!)
コーナーへ入る直前になってもブレーキをかけない
「ここまで来て、ブレーキをかけないとは……」
「おいおい!あいつ死ぬ気かぁー!」
紫色のリャマは、急加速した、速度のまま、コーナーへ向かう
それでも、原則はしない
「ああっ!」
女性の声が響く
「馬鹿なッ!やめるんだ!」
男性の声も響く
だが、ハルトはそれに答えず、それどころか、アクセルペダルを踏み込みさらに加速しようとする
「減速は!?しないの!?」
キギアの声が聞こえる
「そのこたえは、目の前に!」
ハルトは、簡単に答える
スターフィーアは、コーナーの最高潮へ近づく
しかし、さらに加速をしたスターフィーアは、減速する兆候すら見せない
スターフィーアは、コースアウト……、壁にぶつかる寸前まで近づく
だが、そこでハルトはハンドルを切り、一回転させる
スターフィーアは、それに呼応するように、自らも一回転し、コーナーアウトをせずに、乗り切る
「す、すげぇ!」
「こいつぁ……。やべぇぞ!」
男性2人の声が同じの意味のことを同時に言う
そして、見事に最難関を切り抜けたスターフィーアは、無事、1位でゴールするのだった
____________________________________________
『くそぅ!野郎どもが全てぶっ倒れただと?』
暴力団の元締めみたいな男が、そうつぶやく
『…………』
しかし、主人公は無言のまま
そして、拳を振り上げ、元締めを殴った
『チュートリアル、クリア!』
機械音声が、響き、チュートリアルが終了したことを知らせる
「終わった〜」
そんなこんなで、チュートリアルが終わり、人も賑わってきた
もちろん、それじゃあ帰るかなども言うことはできず、このままみんなで遊ぶことにした
その話については、次の話にしよう
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