第11話 灯台と暗いとことことわざ
「ある時は医者、ある時はエンジニア。そしてその真なる姿は!この国の国王!キギア・マカルトさ!」
痛烈な
「なるほど、よろしく頼む」
この状況に普通に順応してるのはカイレだけだった
「…………」
ハルトは絶句
言葉が出ないというのはまさにこういうことなのだろう
「実は、用というのは2人とも同じなんだ。半分はね」
絶句するハルトを遥か彼方へ置き去りにして、話を続けるキギア
「君たちには次襲撃があった時に、前線に出てもらいたい。ああ、もちろんサポートはする。普通は軍部から直接言われるんだけどね、今回ばかりは指定させてもらおう。理由は……」
「ちょっと待て」
ハルトの思考がやっと復活し、キギアの話に待ったをかける
「なぜ?」
ハルトの顔が全ての疑問を物語っていた
だが残念、キギアはそれに気が付かない
「なぜって?前線に……」
(違う違う、そうじゃ、そうじゃない)
「いやなんでメカニックとかしてたの?」
ハルトは言い直す
ちゃんと言葉にしないと伝わらない。それがよくわかった
「資格もってたから?暇だったし」
しかし、そこはやはり国王。理由を言ったってわけわからなかった
「なるほど。だいたいわかった」
ハルトは投げやりになって、投げやりにそう言った
もうどうにでもなればいいと思った
「で、前線に出て欲しいって言う話なんだけどね」
キギアは話を戻す
「理由は、カイレくんなら分かると思うけど、どこまで素早く動いて食い止められるかだ」
キギアは語る。なぜ彼らがその場所に向いているかについて
「その点、ハルトは先の戦闘において、ぎこちないながらもすばやさを主とする戦法だった。スタイリッシュと言えるね」
細い剣を使った戦い方、次への流れによって敵を倒す戦法。それを駆使して戦ったハルトは前線に出ることにピッタリのパイロットだと言える
「だけど、君はあまりARに乗ったことがない。そこで、君の番だ」
そう言ってカイレを指さすキギア
「ふむ……」
カイレはわかったように頷く。ハルトはぜったいわかってないなコイツと思った
「要するに、俺が少年……ハルトの援護いや、ヘルプをすればいいというわけか」
「その通りだ。正解したいい子には飴ちゃんをやろう」
ぽい
キギアからカイレへ飴ちゃんがなげられる
もちろん、渦を巻いている方では無い
カイレはもちろんそれをキャッチする
「はーい。質問です」
ハルトが手を挙げて質問する
「どうしたの?」
「前線に出るって、あの赤い柱と戦う時だよね?」
「その通り。それがどうしたの?」
「いや、あの巨体に近接攻撃が通じるのかなって……」
そう、ハルトが話を聞いてるうちに出てきた疑問とは、あのクソデカ柱に近接攻撃って通じるの?ということだった
それもそのはず。あの巨体に対する有効打など、木を切り倒すように根元を傷つけるしかない
それなら、大火力でゴリ押しした方がいいのでは無いか。そういうことだ
「通じるよ。間違いなく有効打だね」
しかし、その返答は意外なものだった
「初めてだから知らないと思うけど、あの柱、ビーム関係の攻撃が一切効かないんだ。光を無視する性質があってね、そこが厄介なんだ」
そう、あの柱にはビーム、要するに光を無効化する能力がある。原理は解明できていない
そのため、有効打となるのは物理攻撃。具体的にはビームよりも威力が劣る代わりに範囲が広い、純粋な炎。一定の範囲に絶大な範囲を敵味方関係なく与えるミサイルなどといった武装だけである
しかし、そのミサイルや炎も、到着するより前に防がれてしまうため、無意味と化す
だが、実態剣や、ゼロ距離射撃といった近接攻撃なら、防がれるより前に攻撃を的確に与えることができ、圧倒的な有効打になるのだ
「なるほどな。防がれてしまうより前に動いてダメージを与えるということか。まかせろ、俺の得意分野だ」
カイレがそんなことを言う
「あ、あの柱、分身みたいなのを飛ばして近接も行えるから、注意してね」
ハルトは右手の平を自分の顔面に叩きつけた
(Oh..no...)
要するに、敵の分身をかいくぐりながら的確にダメージを与えろどのことだった
「ついでに、出来ればでいいから、あの柱のサンプルを取ってきてくれないか?」
さらなる注文が入る
「わかった……」
ハルトは観念して、了承した
「そういえば……。君の前乗ってた機体、使わないでね」
「は?」
急激なキギアの爆弾によって、ハルトは絶句していた
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