第147話 冒険国の名産品

 メイの母、カナンを助けた? いや実験台2号にした次の日。


 この街の名産品である冒険者必須道具や魔道具、魔導具、回復薬や装備品などを見に行く事にした。


 並ぶ店に多少の好奇心もあり、一店舗ずつ見て回る。市井の観察とはこういうことだろうと考えながら。


 しばらく平凡な時間が過ぎ、自国には不必要だなとアッサリ切り捨てる。何故なら、程度の低い回復薬や装備品などは必要ないし、もっとえげつない効果の植物も作れる。


 効果を薄めたとしてもこれよりは上等な物が作れるなと感想を抱く。


 装備品にしても竜種かちくの皮で作った物の方が良い値段で売れそうだ。


 外貨を稼ぎたければ色々出来そうだねぇ。


 この後はこの国の城にでも侵入して、色々イタズラでもしてこようかな。


 グランドマスターという爺さん達がこの国を腐らせているみたいだし、馬鹿な貴族諸共、潰しておこうかね。


 ゆくゆくはこの国の強者を戦闘兵にしなくてはいけないからね。


 なるべく良い国は良い国のままでいて欲しいものです。


 俺くんの為に、世界の為に。


           ✳︎


 はい、城へと入りました。

見張り? そんなものは意味がありません。

俺くん神だからね。人ならざる者だからね。

門番の意識外からスッと入ってバッと進むだけの簡単なお仕事よ。


 転移すれば良いって?

分かってないなぁ。ぬらりと入ってお茶を頂くことに意味があるんじゃないの。

ってハゲた妖怪なら言いそうな事を久しぶりの一人漫才でゴチる。


 メイドや見回りの兵士、ギルドのお偉いさん、時折、貴族もすれ違っちゃったりして、色んな部屋を覗いてみたよ。


 中には、キャーのび○さんのエッチーみたいやハレンチ部屋もあったりして、少しお得感がありました。


 宝物庫には大した物はなく、ダンジョン産の魔道具やスキルブック、宝剣、金銀財宝などがかなりの量が置いてあった。


 盗もうと思えば盗めるけど、大して価値を感じないからねぇ。作ろうと思えば作れる物に価値を感じる訳がないからね。


 金で世界は買えるけど、一定の規則が無ければ金に価値は生まれない。


 だから作らないし、奪わない。

商売を行ってこそ価値が生まれるんだねぇ。


 そんな経済的な根幹もこの国はしっかりしている。


 結構素敵な国だと思うよ本当に。


 だがこの国を傀儡にし支配している者の存在。


 そいつらの部屋へと到着した。


 グランドマスター。

冒険者ギルド、傭兵ギルドの最高幹部。

冒険王の直下、実質的な権力は王をも超えるとされる老獪。


 俺くん調べでは、一人を除く他三人は上級貴族との癒着や違法取引で懐に金を入れまくっている。


 この間も無理な増税を貴族が行い、王がそれを注意するが、二人のグランドマスターが制した。それらしい理由をこじつけて。


 反乱はない。


 立ち上がりたくても家族がいるから立ち上がれない人々。それを理解しながら、これ幸いと増税し続ける腐敗した貴族が多いんだねぇ。

 

 今代の王は女性らしい。

彼女は今までの王とは違い、派閥は作らず、確固たる意思でこの国を良くしようと考えている。


 まだ若さもあり中々多難な道であると知り、どうにか出来ないかと彷徨っている感じだね。


 じゃあ簡単な話だ。

グランドマスターもすり替えよう。


 この国が俺くんの為になるならば仕方ないでしょ。


 中から食い尽くして綺麗な国に変身させよう。















 狂気が老害達へとふりかかる。

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