第132話 エピローグ〜武王国〜
武王国はエインの殺戮行為で混乱していたが、流石は武術の国であるが故に、すぐに混乱の炎は鎮まり、また新しい武王が誕生した事もあり国民の意識は武王へと向けられた。
武王大会の順位は武王の異例の参戦もあり、武王のみが選ばれる事となり、武王を倒したアポリュオンが今代の武王として選出された。
今日は初めての挨拶を行い、民衆はどよめいた。強者はそれだけで人々を魅力するのだ。
「我が新しき武王、アポリュオンである。民よ、強くなりたくば我についてこい。そして強き者は我に仕える事を許そう。共に覇道を征こう」
その言葉を聞き、アポリュオンの激しい闘気も合わさり獣人達は体毛が逆立ち、賛同と興奮の雄叫びをあげる。
挨拶が終わり、武王城の中へと入る。
玉座の周りにはルシファーとフィルギャが立っている。
侍女や執事、近衛兵、大臣などは退室している。
「リュオンよ。これからどうするのだ?」
アポリュオンは顎を掴みながら思案する。
「我らが主の目的の為にこの国の民を鍛え上げる他あるまい。それこそ地獄の訓練でな」
「リュオンの訓練はぁ恐ろしぃい。だがぁこの世界の為ぇ仕方ないぃ」
「そうだ。来たるこの世界の危機の為。彼らにもいずれは説明しなければならないだろう。命をかけるその日までに」
「まさかただの魔物や悪魔であった我らがこの世界の為に動くとは以前であれば思いもしなかった」
「これも主がこの世界に転生してくださったお陰だ。あの方が居なければこの世界は終焉の一途を辿り、奴らの玩具となっただろう」
「であるな。ではそろそろ我はこの城の宝物庫に行くとしよう。あの秘宝を探さなくては」
「あれは聖皇国にも大帝国にも王国ラルシェルにも無かった。竜王国にあると良いが…」
「ムートが調べているはずだ。では行ってくる」
そう言うとルシファーは宝物庫へと向かった。
✳︎
場面変わり、エンデ。
ヴァルトメア神殿最奥の階層。
『樹天魔』の玉座にてヴァルトメアが足を組み肘掛けに頬杖をつく。
「主様、複数の国から招待状が届いております。いかがされますか?」
エルフもとい、使徒であり侍女が報告する。
「んー、暇になったし行こうかな」
「畏まりました。ではそのように手筈を整えます。護衛を用意致します」
深々とお辞儀をする使徒。
「いやいいよ。ちょっと他国の市政に興味があってね。姿を変えて見て回ろうかと思ってる」
「畏まりました。では失礼致します」
そう言うと使徒の侍女は転移し、どこかへ行った。
「冒険者、商人、謎の暗殺者、勧善懲悪………良い暇つぶしになるかな」
神の暇つぶし、もとい、神の気まぐれに付き合わされる哀れな人間やその国々。
善人、悪人、例外なく公平に。
神とはいずれも気まぐれで自由で理不尽で悪魔なんか目じゃないくらいに人々を虐殺しているのが物語である。
最高神ヴァルトメアの狂気はこの世界の誰に向かうのか。
この物語はまだ始まったばかり。
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作者です。
神VS神も一旦終わり、しばらくは自由に暴れ回る日々になるかもしれません。
物語としては最終回に向けてすこーしずつ進めていけたらと思います。
ただしばらくは私のわがままに付き合っていただけると幸いです。
つまりはざまぁや最強にてドヤりたいのです。
最強は最高なのです。
と言う事で一旦髪切りに行って来ます。
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