第118話 本戦、天賦とその後
男子諸君が股間をキュンとさせ
本戦『
50名がサドンデスで一つの大きな大きな闘技場で生き残りをかけて闘う。
全方位に自分と同じかそれ以上の者だけが死に物狂いで襲いかかる。
がしかし、ここで大会運営の思惑違いの現象が起きた。
50人居るはずの闘技者が次々と降参していく。
どんどん降参宣言をする。
その後も減り続ける。
その数、30名。
丁度20名へと闘技者の数は絞られた。
大会運営委員は、この非常事態に降参していった者に理由を聞いた。
「化け物とは闘えない」
「ここで死んだら元も子もないだろ」
「あのエアロスやガンズ、ジョドウ家の神童も死んだんだ。俺たちだって敵わねぇ。絶対に殺されるに決まってる」
口々に理由を述べていくが、共通しているのは
大会運営委員は前代未聞の出来事に頭を抱える。
しかし、咄嗟に頭を切り替えた。
参回戦、天賦はこれにて終わり。
次の闘いがこの大会の肝であると知っているから。
そしてここで一旦大会は休憩へと入る。
翌日に肆回戦【偉武】を行う予定に変更となった。
✳︎
タルタロスは普段ののんびりペースとは違い、シャキシャキと動く。
全ては美味しい肉のため。
エアロスの懐から拝借したお金を持ち、涎を垂らし露店へと向かう。
「おじさん、暴れ猛牛の牛タン串二十本とハツ十本と雷光鳥のもも十本と皮十本くださーいっす」
「へへへ、坊主っよく食うじゃねぇか!! 合計銀貨十枚だ!! 金は持って来てるかー?」
「うん、大丈夫っすよ。ここに置いとくっす!!」
「あいよ!! ほいっ出来たぜ!! 熱いから気をつけて食えよー」
「ありがとうっすー」
「また来てくれよー!! まいどありーっ」
ムシャムシャと食べる。
それを羨ましく見るマーニとアポリュオン。
「タルタロスよ、さっき我の肉を「あげないっすよ」」
「な、なぜだ。普通はくれるものではないか。さっき我の肉を「だめっすよ」」
肩を落とし、しょげるアポリュオン。
「タルたんは肉に関しては譲らないでありますデスね。ボクは人参があれば要らないでありますデス」
「見てみよこの幸せそうな笑顔を。肉を頬張り、食欲に溺れた哀れな亀を」
「肉は最強っす。主人様にならあげても良いっす。でもめちゃくちゃ嫌っすけど」
「これがタルたんの良さでありますデス。可愛いでありますデス」
タルたんの頭を良い子良い子するマーニちゃん。
出来の悪い弟と世話好きなお姉さんの図。
「あーーー!! もう暴れ猛牛の牛タン串売り切れじゃなーい」
後ろから大きな声が聞こえた。
振り向くと虎の獣人の女の子がこちらを見ている。
「あっ、たくさん持ってるーっ!! あなたがワタシの愛する肉を食べたのねー!!」
目にも止まらぬ速さで串を奪おうとする獣人。
「だめっす。この肉は何者も触れてはならぬっす。触れよう者なら天誅っす」
結界を張り、それに激突する虎の獣人。
「あだっ!! 何するのよっ!! 少しくらい良いじゃないケチっ!!」
肆回戦でこの二人は闘う事になるとはこの時まだ知らない。
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