第111話 武王国の日常、そして大会

 武王国。

その国はまさしく武術を重んじ、強さこそ正義であり、尊敬の的となる。


 日常的に至る所で武術の武闘大会、試合、決闘等、あらゆる武術的交流が催されている。


 国民はみな実直で、真面目に仕事をしており、国民性は武を重んじるだけあり、武士の様な義や道理を大事にする。


 国土は小さく、帝国の10%にも満たず、首都である『カンプクスト』には人口が一極集中しており、200万人ほどの獣人が住んでいる。


 他国の様に貴族制ではなく、階級制度は『武格』というランク制度になっている。

つまりは強ければそれだけ偉く、権力も持ち得るということだ。


 ちなみに獣人は魔力はあるが魔法自体は得意ではなく、身体能力を強化させる魔法の使用者が殆どである。


 スキルはヒューマンやエルフ程の多様性はなく、これもまた脳筋な身体強化系や武器操作系スキルが多いようだ。


 だからこそ武術という身体能力と技術を極める為のコンテンツが人気であり、非常に伸びているということである。


 武術といえば流派がある。

超人気流派である『武王神明流』は

開祖が初代武王である。


 この流派は様々な武器も扱い、それぞれの武器の頂点に現在の『四天武』が座している。

名門中の名門であり、国民の半数はこの流派に在籍している。


 残りの半数は古豪や今勢いのある新流派、他の名門にも在籍している。


 流派を創始する事は簡単であると同時に難しく、条件としては毎年行われる武王大会にて、武格を上げることのみ。


 武格ベスト100以内に入る事で流派を創ることができ、流派の勢力も如何に上位者を育成するかにも掛かっている。


 国からの報奨金や支援金も流派には給付されるが、これもまた武格上位者の数だけ優遇され、積み上げ式に増えて行く。


 武王大会、別名、『王座決定戦』。

予選、本選があり国家最重要イベント。


 それが今回のエンデによる侵略に大いに関わる一大行事である。


 ちなみに武格を上位順から命名しており、勿論、最上位は『武王』である。


 No.2から4を『四天武してんぶ

 5から10を『十師じっし

 11から20を『偉武いぶ

 21から50を『天賦てんぷ

 51から100を『百聖ひゃくせい


と呼ばれ、それ以下の武格には名称はなく、上位百名はかなりの選ばれし者と言えるだろう。


 そして最後まで勝ち上がった者は『武王』

と闘う事が出来、『武王』に勝てば次の『武王』となることができる。


 『百聖』以上の武格の者は様々な特権が許されている。


・年間の生活費給付額、武王国金貨で2千枚。

・一夫多妻制

・殺人の合法化

・武術流派の創始、また、補助金支給

・武王城への入城許可

など盛り沢山な優遇措置を受けられる。


 他国の貴族位の様なものである。


 そして大会は予選から始まり、二週間をかけて催される予定だ。











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