第84話 相対す
はい俺くんです。
っても本体ではないんですけどね。
ということで来ました竜の国『アナンタ』。
愚かで鈍間な種族、竜人の国ですね。
いやぁコイツらの何が愚かって、自分達が過去に人族から迫害に遭っておいて、俺くんの大事なムートくんに酷い事をした事。
それに、大した力も無いくせに世界を支配しようとした事。
しかも守護龍くんに任せて、竜人達は知らんぷり。のんべんだらりと生きて美味しい所だけ貰おうとしてる事。
しかもそれが蛇龍『アナンタ』の洗脳によって行われている事をさも当たり前の様に生活している事。
何より樹国を侵略しようとしたねぇ。
これはつまり蛇龍『アナンタ』にお仕置きしないとだねぇ。
竜人達はムートくんに任せて、大きな気配が三体ある場所に向かうとしようか。
『超次元転移』で確実に感知できない裏のチャンネルに入って侵入しよう。
フワフワと飛んでいると竜王の住む城『竜王城』に着いた。
いやぁ、ご立派。
愚か者の癖にやるじゃない。
まぁこれも全てぶっ壊すんですけどね。
こんな金のシャチホコみたいな装飾なんて要らないよぉ。奴らには勿体無い。
良い事思いついた!
ここを樹国二号店にしよう!
店じゃないけどそんな感じの雰囲気で♪
やっぱりここを治めるのはムートくんかな。
竜人くん達を何やら魔法で錯乱させてるし、程々にさせて、一生奴隷兼オモチャにしよう♪
面白い植物思いついちゃった。
あとでムートくんに渡そうかね。
おっと、浮遊していると目的地に着いちゃったね。
地下か。
かなり広いね。
守護龍だけではなく、もう二匹蛇がいる。
「外にかなり強い気配がするわね。まぁ一体の様だから問題ないかしらね。」
「ヒュドラ、油断は禁物だろうが。ってかお前喋る度に汚ねぇ毒が飛んでくんだよ。あっち向いてろ!」
「やだわダハーカ。でも我の毒なんだからちゃんと受け取ってよ。」
「気色悪ぃ。にしてもどこのどいつだ?これだけの手練れだ。俺らが居るのを感知しているはずだがな。」
「そうねぇ。待って!竜人達がおかしな魔法に精神を支配されているわ!感知してみなさい!」
「なんだこの規模の魔法は!こんなレベルの魔法は俺らと同じかそれ以上の神じゃねぇと発動出来ねぇぞ。」
「強いわねぇ。アナンタも行くわよね?」
「私は龍聖殿に戻ります。貴方達は二人で樹国へ攻め込みなさい。ヒュドラ、転移は使えますね?」
「勿論使えるわ。でもヨルムンガンドが先に行ってるはずでしょ?もう終わってるんじゃない?」
「いえ。ヨルムンガンドは死にました。気配が突然消失しましたから。それに…。」
「はぁ?あいつの厄介な所は不死性よ?死ぬ訳ないじゃないの!」
「何らかの能力で不死を無効化したのでしょう。ですからあなた方は樹国へ向かってください。」
「分かった。同じ蛇龍として恥ずかしいが仇は討ってやろう。いくぞヒュドラ。」
「ちょっと待ってよダハーカ。もうっ!貴方転移使えないじゃないのー!」
こうして二柱は樹国の方角へ感知の範囲を拡げ、座標を確定し転移した。
(あらら、俺くんも行った方がいいかね。仕方ない本体に連絡してもう一体、分体を作ってもらうかぁ。サポートはしてあげる約束だしね。まぁ死体は有効活用させてもらうけど。さてスキル解除っと。)
まだ気づかないのかなとニヤニヤしていると漸くこちらを向いた。
「いるのは分かっていますよ。早く出てきなさい。」
アナンタは分体の方へ視線を向ける。
「ははは。まぁ得意気になっている所悪いけどワザとだからね。もう隠れる必要もなくなっちゃったし。」
「あなたはどなたですか?」
「俺?俺くんは君らの敵だよ。って言っても本体じゃないけどね。君らには本体は勿体ない訳。格下だからね。」
不気味に笑う分体にアナンタが襲いかかる。
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