第69話 Battle of Gods(1)
はい俺くんです。
今から神VS神のトーナメントが始まるけど
ぶっちゃけお互いに戦った事も無ければ、戦っている姿も一部を除いて見ていないから新鮮だと思うんだよね。
多分ムートくんが一番強いのかなって気はするんだけど、相性ってのがあるから中々勝負ってのは難しくて面白いよね!
抽選を行った結果をコロシアムモニターに映し出されました。
一試合目
マルコくんVSリュオくん。
二試合目
タルたんVSアルくん
三試合目
サマくんVSルシくん
四試合目
ジュピちゃんVSフィルくん
五試合目
ヘルちゃんVSマーニちゃん
五試合目の勝者VSムートくんが闘います。
女子対決も見ものだねぇ。
会場のみんなもワクワクしながら見てるし、手加減する様には言ったけど人智を超えた闘いは滅多に観れないからね。気持ちはわかるよぉ。
「リュオンくん。僕も騎士の姿になれるんだ。騎士対決といこうじゃないか。」
マルコの大きな体が白い炎に包まれる。
煌々と燃える炎がかき消え、白銀の聖騎士となった。
「すごいでしょ。これが第二形態の僕だよ。真っ黒な君とは正反対だね。」
「ふはははは。かっこいいなマルコ。ワンコのお前さんも好きだがな。」
「ワンコって…。これでも立派な神狼なんだけど。しかも群れのリーダーだし。もう怒ったぞー。ヴァル様には本気は出さないように言われてるけど、本気出しちゃうもんねー!」
「ふは。マルコそれはやめておいた方が…。」
アポリュオンの言う事はもはや右から左へ流れちゃってるマルコ。騎士姿の白髪のイケメンは見た目だけなら大人だが、中身がまだまだ子供なので基本的に人の言うことは聞けない。
「いっくぞー。」
マルコは右手に持ったロングソードに白炎を纏わせる。神聖な力を感じる炎は見る者の心を清らかにする。
「小手調べに受けてみてよ。白炎剣。」
「ふはは。中々面白い技だなマルコ。良いだろう。」
アポリュオン自らも黒塗りの巨大な剣を召喚し、白炎剣を受け止める。がしかし、白炎は剣を伝い、アポリュオンの腕へと燃え拡がる。
「ふはは。くそ痛いぜ。流石だな。同じ神とて無傷とはいかんか。それに燃え拡がるのは厄介。まぁ、であればこうするまでよ。」
アポリュオンはその巨剣に破壊の権能を付与する。触れる物を破壊する力。白炎は消し去られ、そのまま剣を振り下ろすと地面に当たった。触れた地面は粉々に砕けちる。深紫のオーラを纏う巨剣を肩へと乗せる。
勿論、アポリュオン自身で破壊するものとそうでないものは分けられるようだ。
「何それー。超やばそうなんだけど。」
少し引き気味のマルコ。
「ふはは。破壊の力は我の得意分野だからな。お前の白炎も破壊してやろう。」
「ふん!負けないもんねー。まだまだ本気はこれからだよー。」
マルコは白炎を全身に纏う。
だが今までの炎とは異なるようだ。
神級スキル『白神炎の闘争』を発動する。
『白神炎の闘争』
・白き炎を司る神は全ての邪悪なる力を浄化し、また、自身の能力値も格段に補正がかかる。
破壊の力は神の力。神の力には神の力を衝突させればいい。そう考えたマルコは、剣に煌めく神のホムラを込める。
破壊の権化と神炎の化身が相打つ。
破壊のオーラを神炎が飲み込む。
熱さと痛みで顔を歪めるアポリュオン。
「ふっはは。全ての邪悪な力を燃やし尽くす炎。これがお前の能力か。厄介だな。流石は主様に選ばれし者。ならばこちらも少々本気を出そう。」
アポリュオンは破壊のオーラを具現化し、闘気と混ぜる。
「堪えてみせよマルコ。
神級スキル『冥壊流剣術』
・冥府の騎士王に代々伝わる全てを壊し得る力を持っているとされる剣術。破壊のオーラを纏うことで格段に攻撃力を上げる。型がいくつか存在し、敵に応じて戦い方を変える。
「わぁやだなぁそれ。でも白神炎にもそれを浄化する能力があるんだよ?」
迫り来るアポリュオンの剣術に対抗する為、白神炎の出力を上げる。
白銀の炎が先ほどよりも強化された破壊のオーラを覆う。
鍔迫り合いをする形で両者の力が拮抗する。
完全に膠着状態となる。
お互いの神力が打ち消しあい、崩壊する。
「やっぱり強いなぁリュオンくん。まだまだ本気じゃなさそうだし、決着もつかなさそうだから次の一撃、お互いの力の把握の為にも本気でいかない?」
「ふははは。それは良いな。だが良いのか?主様が本気は出すなと仰っていたぞ?」
「ぐっ。確かに。でも一度だけなら、、、良いかもしれない。」
ヴァルトメアはニコニコしたまま闘いを観ている。
「ほら、ヴァル様もニコニコしてるよ?」
「責任は取らんぞ。一度だけだ。」
二人の目が変わる。
真剣勝負、一発勝負、これで決まる。
アポリュオンは他の神級スキルを発動し、全能力値を爆上げする。
対してマルコは最終形態へと変化する。
「この姿になるのは悪者みたいで嫌なんだけど、仕方ないよね。」
漆黒の神狼騎士。
背には大きな翼が生え、瞳は紅く、先ほどよりも存在感、威圧感共に桁外れに上がった。
「「いくぞ(よぉー!)」」
二柱の神が激突する。
黒と黒がぶつかり合う。
天まで伸びる神気と闘気に雲は消失し、青空は次元が裂けたかのように黒く、時に稲光りが見える。
観客はその神速についていけず、何が起こっているのか理解できない。
ただ分かったのは誰もこの闘いには立ち入ることは許されないという事だけだった。
あまりの威力に風が吹き荒れる。
モクモクと煙が辺りを覆い隠し、勝者が分からない。
全身が傷つき膝をつく。
巨剣で体を支えるアポリュオンの姿があった。
「ぐっ。マルコ。やっぱりお前は強い。流石だ。」
「リュオンくんこそ。この僕がやられるなんてね。」
マルコの身代わりの神木がパキンと音を立てて割れた。
地響き。
うぉおおおっという歓声が大空をそして、大地を鼓動させる。
騎士対決はお互いの騎士道精神のもと、勝者はアポリュオンとなった。
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「2人とも本気出さないでって言ったよね?結界が割れたらどうするのかなー?大丈夫って豪語したけど、万が一って言葉知らないのかなぁ?いきなりやらかしてくれちゃって。お前たちの頭の中に植物植えちゃうぞ♡」
冷や汗タラタラと二柱の姿がそこにはあったという。
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