第55話 反省会Part2

 どうもヴァルトメアです。

いやぁ、エルフ達が国民となってくれて良かった良かった。魔物とエルフは共存出来ると思うんだよね。


 見てよ……彼らの純粋な目を。

植物も司る神様と聞いたら目がキラキラ輝いて尊敬の眼差しが半端ないことになっちゃってるから。


 彼らは植物と一蓮托生、共存共栄みたいな種族だからね。果物や野菜を渡せば一生着いていきますみたいな奴らだからね。そんな簡単な事で彼らをどれ……うほん。仲間に出来るなんて最高じゃないか!!


 と言う事でエルフちゃんは精霊ちゃんを使って植物の世話をしてくれています。

俺は楽をしたいからね。彼らが世話をしてくれるならそれで良いのよ。


 あと時折、龍くんと邪神ちゃんの様子を見ながら、彼らの力の調整もしてくれています。


 そうする事で益々、樹海に生息する魔物が強くなっていくってもんよ。


 この話はここまで。


           ✳︎


 エンデ城、謁見の間にて。

幹部ならびニンフィとリンデルが臣下の礼を尽くし待機している。


 「はい。此度のエルフィア救国作戦は無事成功となりました。ハグレエルフ以外は無事救い出しエンデの国民となりました。なんだかんだ二千人くらいかなぁって思ってたけどもっと居たんだねぇ。よかったね。はい拍手」


 パチパチパチパチと人型の幹部は全員拍手をする。勿論エルフの二人も。


 「ですが今回のやらかしも含めて、反省会をしたいと思います。はい。まずは、マーニちゃん。マーニちゃんは総合的にとても良かったです。花丸。頭に可愛い花飾りを」


 指パッチンをすると

うさぎの獣人っぽい女の子のマーニちゃんの頭に白い花飾りがポンッという音と同時に現れた。


 大好きなご主人様に褒められて抑えられず、ニマニマするマーニちゃん。顔を紅くしながら照れている。


 その仕草は外見も合わせて人間の超絶可愛い女の子、いやそれ以上の様だ。黒いウサミミと可愛らしい黒い尻尾がとても愛くるしい。


 「マーニちゃんはその自慢の脚力で転移も使わずにエルフィアに爆速で直ぐに行き、大帝国の剣聖を打ち倒しました。連れてこられた帝国兵も残らず始末してくれました。よくがんばりました。偉い!!」


 尚も止まらないお褒めの言葉に、黒い尻尾をふりふりさせる。喜んでいる様だ。


 「はい次はルシくん」


 ドヤ顔で佇むルシくん。間違いなくこの流れは自分も褒められると期待している。


 「ルシくんは、シュテリケの侯爵領に連れ去られたエルフちゃん達を救出、保護をしてくれたね。よくがんばりました。ついでに、特級魔法師と侯爵の駆除、領民の駆除、侯爵領を再起不能にしてくれました」


 ふふふふと喜んでいるルシファー。

内心は大好きな主人に褒められたやったぁ!と万歳しているルシくん。


 「………植物も含めて」


 幸せの絶頂から叩き落とされたその言葉。


 身を凍らし、表情は固まった。


 「と言う事で、樹海高速ジャイアントスイングの刑です。いってらっしゃい」


 樹海高速ジャイアントスイングとは、雲の上まで伸びたジャックと豆の木のような長く天まで届きそうなくらい高い木の先端に蔓を巻き、その蔓を足に巻き、高速でブンブンと振り回されるという刑罰。空を飛ぶ魔物も失神してしまうほど怖い。


 「そ、そんなぁ!!!」


 ヴァルトメアは植物を操作してルシファーを運んだ。


 その日はルシファーの叫び声がエンデに響き渡っていたという。


 自分達は必ず指示通り動き、植物にも細心の注意を払おうと心に誓った幹部達であった。



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