第46話 偵察する化け物達
樹国偵察部隊と今名付けた3人が帰ってきた。
エルフの国、精霊国『エルフィア』には
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彼女はすごく走る速度が速くて重宝している。蹴りの威力と瞬足さは配下では一番だろう。
大帝国『シュテリケ』には
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魔導国『ザウバー』には
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その3人はと言うと、樹国【エンデ】の城、つまりエンデ城の謁見の間に報告に来ていた。
「じゃ3人とも偵察の報告よろしく」
「はっ。精霊国エルフィアは大帝国のエルフ族奴隷化を非常に問題視しており、居住地である森林を離れる覚悟であると思われるでありますデス。それに加え、この樹海を次の居住地への候補として監視対象へと考えていると思われるでありますデス。そして、元老院なる老エルフはこの樹海に兵を使い侵略する可能性が高いでありますデス」
「おー。お疲れ様。エルフの国はこの樹海を侵略しに来るのね。はいはい。潰した方が早いかな」
「でありますデス。しかし、老エルフ以外は敵対する意志は無さそうでありますデス。ボクが監視して得た情報は以上でありますデス」
「マーニちゃんお疲れ様。なるほどね……様子見て侵略開始したら始末しようか」
「じゃあ次はフィルくん。報告よろ」
「はいぃ。大帝国シュテリケは周辺国へと領土拡大の為ぇ。侵略中ぅ。今はエルフィアへと騎士団長である帝国最高戦力の一人を向かわせましたぁ。精霊魔法によるぅ隠蔽と罠対策の為にぃ、特級魔法師なる者を共に連れて行った様子ですぅ。我が国の事はとりあえず様子見との事ですぅ」
「……まぁこれも様子見かな。敵対して来たら潰して良いから。はい次。」
「はっ。魔導国『ザウバー』は、魔道具なる物が市民の生活にまで普及しており、誰しもが魔法を使って生活している様です。動力源は魔物の核である魔石。そして、魔法学校と呼ばれる人間の学舎がありました。トップクラスの魔法師は賢者と呼ばれ、その上である魔導国国王は大賢者と呼ばれる者であるとの事です。学者と魔法師ばかりで戦乱の気配は有りません」
「なるほどね。魔導国は興味深いね。行ってみようかなー。俺くんがもしここに居なかったら、そうだな、ムートくんリーダーよろしく」
一同がムートくんの方に羨ましい眼差しを向ける。そして、胸を張りドヤ顔のムートくん。
「はっ!お任せください。ヴァルトメア様のご期待に沿える様、全力を以って使命を果たします」
「ってことで。方針は精霊国エルフィアは要注意。大帝国シュテリケは要監視。この二国は敵対行為確認後、速やかに攻撃しても良いからね。あっ。魔導国は俺くんが遊びに行くかも。という感じで」
✳︎
精霊国エルフィア、元老院。
ここには7人の老エルフがいる。
女王の次に権力を持ち、かなり熟達した精霊魔法を使用する。
傲慢不遜であり、権力に未だしがみつく国の寄生虫である。若いエルフは元老院の指示は絶対であり、戦へ行けと言われれば従わざるを得ない。
エルフ自体は発情期が100年の間に一度あるか無いかという話である。
人口自体はそれほど多くはない。
勿論、長寿の種族なので必然的に多くはなっていく傾向にあるはずだが、発情期の期間の短さ、間隔の長さ、身籠る確率が低いこと、そして大帝国によるエルフ、ダークエルフの奴隷化が人口減少の原因となっている。
だが、根本的に問題なのは、居住地の安定化と治安の構築不全であり、国から出ていくハグレエルフが多い理由になっている。。
エルフは外見が他種族より遥かに美形で優れているというだけで観賞用、性欲処理用、妾などに捕えようとする輩が多い。
その為、精霊魔法を使い数々の罠を仕掛け、隠蔽魔法による隠れ蓑を使っているが、特級魔法師による看破は完全に防ぐ事は不可能であった。
奴隷の
背中に焼き付けられる奴隷の魔法印。
これを刻まれた者は支配者に逆らう事は不可能であり、刻まれた奴隷が故郷の事を話さざるを得ないのが実情である。
大帝国の狙いはそこにあった。
村にいるハグレエルフは時折、大移動する故郷の場所を知らない。
その為、捕らえ奴隷とし、助けに来たエルフィアに居住しているエルフを狙うのだ。
エルフの女王はこの様々な問題を重視し、樹海を居住地にと目をつけ、元老院は魔物という支配下如きに樹海はもったいないと、傲慢さを発揮させ侵略しようと女王には秘密裏に兵を派遣した。
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