第33話 聖皇国の状況
聖皇国、謁見の間。
「聖皇様。50万人の贄が完成しました。これにて神降ろしの儀式を行います」
「聖女よ、何故我が国の兵を生贄にしなければならないのだ?」
「ルナティーク様の信者でなければならないからです。信者の魂と魔力を神へと捧げます。しかし、何故か魂は回収出来ませんでした。樹海の勢力に奪われたのでしょうか。完全なるルナティーク様を降ろすことは出来ませんが、充分でしょう」
「なるほどな。国民では足りなかったのか?何千万ほどの数が居れば何とかなりそうなのだがな。」
「レベルが足りません。そして魔力も。レベルも殆どの国民は10レベルもありません。ゴミの様な存在の国民はそれなりにこの国の為に文化的に役に立っています。それと隣国である王国の兵も潰れました。当分はこの国に兵は必要ないでしょう」
「それもそうだな。王国以外の国は樹海に隔たれ、或いは他国に牽制されて我が国には侵略も出来ん。今が好機か」
「はい。では儀式にかかります。樹海の近辺にルナティーク様を降臨させます。ルナティーク様により樹海は滅ぼされ、我が国には栄光と幸福が約束されるでしょう」
「一石二鳥であるな。では頼むぞ聖女よ」
「はい。お任せください」
聖女は部屋を出て、儀式の場所へと移動する。
1人呟く。
「ふふ。これで愛しい邪神様のお姿をこの目で拝見する事が叶う。我が愛しきルナティーク様。貴方の女がこの世界を支配するお手伝いをいたします。ああ愛しい」
聖女の瞳は綺麗な黄色がかった色から血の様な色へと変貌する。
この日、不完全ながら邪神ルナティークがこの世に現れる。贄を捧げられ。
この世を掌握し、他の神々からの干渉を避け、神界を支配する為の力をつけるために。
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