第17話 A級だってやればできるもん
派手な登場に、その場にいた冒険者達も熊ちゃんも驚いた。
「なんだ?黒い妖精?」
「あれは闇植物妖精!?何故こんな希少種がこんな魔境に!!」
へぇ希少種なんだ俺………。
ある意味、前世的にも希少種だったのは間違いないよ?
変わった人だと言われ続けた人生でした。
でもちょっと酷いんじゃないですかね?
まぁいっか。
とりあえず試しに植物を操って熊ちゃんに絡ませてあげよう。
そーれそれ俺の事大好きな樹木達、熊ちゃんを捕まえてごらん。
急成長し、そこら中からヘルグリズリーに向かって伸びていく樹木。
色んな植物を操ってヘルグリズリーへと攻撃を仕掛ける。
これで終わればラッキー。
そんな少しの期待もヘルグリズリーの剛腕、剛爪によって打ち砕かれる。
伸びてきた樹木を薙ぎ倒した。
やっぱりかー。
その辺の樹木を操っても対処されるに決まってるよねー。
なら新しい植物を作るしかないよね。
さーて、どんな植物にしようかなー。
そうだ。あんなフカフカな体毛にひっつく植物を作ろう!!
ただひっつくだけでは勿体無い。
ひっついたら取れず、どんどん伸びていく鋭利な棘にしよう。更に、毒性もオマケで出血大サービス。
地獄のオリジナル植物、『
種を生成し、魔力で急激に育つ。
その毒性はかなり強く、棘は鋼すら容易に貫く。
紫色の液だれした刺々しい見た目の植物が出来た。
ヘルグリズリーへと伸びていく。
剛爪により、ぶった斬られるもその腕の体毛に大量の種子が引っ付く。
取ろうともがくが、一度ひっつくも中々取れない。
「それは取れない様に作った。良い出来栄えだろ?」
思いっきり日本語で話す可愛い姿のまさとくん。
その間にも紫毒棘は熊へと伸びて、熊の全身に種を植え付ける。
その瞬間にヘルグリズリーはユニークスキルである鋼化を発動し、防御力を格段に上げる。
「グロウアップ。種子ちゃん君達は大人になるんだ。」
ヘルグリズリーの体毛に引っ付いた種子は全て強制的に成長させられ、鋼化したヘルグリズリーの体表を突き破っていく。
その毒性はどんな抗体も無効化し、一時的な痒みと神経を超鋭敏にする作用がある。
全身を紫毒棘に貫かれ、前衛芸術的な刺々しいアートとなったヘルグリズリーはその命を散らした。
「A級モンスターだってやればできるもん。」
思いっきり日本語で勝ち誇るまさとくん。
この能力がチートだとも理解せずに。
「さてさてチミ達。俺を甲子園、いやいや、街まで連れてって欲しいの。」
と思いっきり日本語で伝えようとするが、勿論伝わらない。
冒険者達の警戒心は先程から上がっている。
「えー。助けたのに?警戒されちゃってなんか悲しみ深い。」
まぁいっか。
とりあえず人が死ぬ所も見なくて済んだし、また樹海探索にでも行こうかね。
その気持ちの切り替えもまさとくんの長所だった。
冒険者達はその場から逃げる様に離れ、何か石の様な物を使って、消え去った。
あっ。レベルマックス、進化出来んじゃん俺。
そうこうしているうちに、まさとくんの体は進化の光に包まれた。
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