読書とわたし

出逢い方。

本を選ぶとき、わたしはたくさん時間をかける。ひとつずつラックを丁寧に見て、わたしを呼んでいるものを探すのだ。本がわたしを呼んでいる、なんて洒落たセリフだが、わたしはこの表現が自分に合っていると思う。わたしの読書趣味のジャンルは多岐にわたるが、その日の気持ちによって読みたいものは変わる。なんか、今読んでも響かない気がする、とか、うーん、なんか違うなぁ…とか。そんなことを考えながら本棚に張り付いている。この感覚がわかる人がいたらとても嬉しい。本の重み、手触り、フォント、表紙の彩度。全てがフィットする作品が、図書館のどこかに仕舞われている。さながら宝探しをする子どものような気持ちで、わたしは本棚の前に立っている。そんな時間も含めて、わたしは読書が大好きなのだ。

しかしこのお付き合いにはひとつ問題がある。それは、恐ろしいほど長い時間がかかるということだ。昼休みの三十分は、日本文学の単行本のラックを見るだけであっという間になくなる。気付いたら予鈴がなっているなんてことは、日常茶飯事だ。

本と出会う瞬間は、運命の出会いに似ていると思う。なにかが頭の中で弾けて、これを読んだあとと前では世界は変わっていると直感的に感じる。そんな気持ちも相まって、読書は特別な時間になる。

図書館の香りについて、担任の先生(確実に本好きだと思う)と談義したことがある。紙の香りがほのかに香っている空間は特別だ。安心できる。自分の世界は本の中にいつだって広がってると思える。たったひとつ。手で抱えられるような紙の束に、それだけの魅力が詰まっている。

みなさんはどうやって本と出会いますか?

良かったら教えてほしいです!

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