第23話 【陽奈】ボーリング大会
昨日の神山部長にはびっくりしたな。
でも、あんな面白い人だったなんて。
月曜日から、仕事中の緊張が緩んじゃいそう。神山部長の顔見たら、思い出し笑いしちゃうかもしれない。
ベッドから起き上がり、歯磨きをする。
今日は、バーベキューで知り合った会社の若手メンバー達とボーリング大会だ。
めぐと、私と、新人さん2人、あとは若手の20代っぽい人が4人くらい。挨拶しかしてないけどハルトっていうすごいイケメンの人がいたなあ。私より年下っぽかったけど。
イケメンはタイプではないけど、あの人はたぶん会社の中でもトップクラスのイケメンだったな。チャラそうだったけど。
コータさんとなかなか会えなくて寂しいけど、色んな人と知り合えるのはそれはそれで楽しい。昨日の神山部長みたいに、仕事では見られない一面が見れると、仕事もしやすくなるし。
来週の土曜日はいよいよコータさんとデートだし、待ち遠しいなあ。
、、と考えていると、コータさんからラインがきた。まだ朝8時だというのに、テレパシーですか。
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ひな、おはよー。
土曜日楽しみだね。
朝、8時にひなんちまで迎えに行くでもいい?
俺んちの近くに朝からあいてるパン屋さんがあるんだけど、ひなの好きなフルーツサンドも売ってるし、通り道だからそこでパン買ってこ!
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なぜか急にひな呼びになっている。
しかも、楽しみだねとか書いてあるし、私の好きなパンの話も覚えててくれて、テンション上がる。
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コータさん、おはようございます♪
早起きですね!
私も今、土曜日のこと考えてたから、びっくりしました!(*^_^*)
フルーツサンドの話覚えててくれて嬉しいです!パン買って行きましょう♪
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セミの鳴き声が一段と大きくなる家の近くの小さな橋を渡り、ボーリング場へ向かった。開店時間に合わせて、10時に集合。5分前だが、すでに他のメンバーは集まっていた。
「ひな!おはよー!」
めぐが私を呼んだ。
私はみんなに挨拶した。
「おはようございます!8階の沢崎陽奈です、よろしくお願いします。」
中に入り、4人、4人に分かれてチーム対抗戦をすることになったのでジャンケンでチーム分けをした。
私は、新人の外山さんと、6階の下山さん、イケメンのハルトさんと同じチームになった。
同じ時期に入った外山さんは、私と同い年だとめぐから聞いている。のほほんとした素朴な青年だ。
下山さんは、若手で、5年目といってたから、20代後半くらいだろう。体育会系の元気な人だ。
ハルトさんは、私の1個下だった。すらっとして背も高く、斜めわけの前髪が可愛いイケメンだ。
「ひなさん、俺ボーリング弱いんスよ〜。100点いかないくらい。ひなさんは、どうっすか〜?」
ハルトさんが話しかけてきた。
「私もそんな感じですよ。50点とか80点とか。まぐれでとった最高点が120点です。笑」
「あ、全然タメ口でいいっすよ。俺もこんな感じなんで。じゃあ、いい勝負っすね!俺が勝ったら、LINE教えて下さいよ〜」
出た!!!チャラ男!!!!
でも、社内でタメ口で気軽に話せる人が増えるのはちょっと嬉しい。
「私だって負けないからね〜!!じゃあ私が買ったら、ジュース奢ってね。笑」
「あはは!いいっすよ〜!俺のLINEはいらないっすか???」
「それはまた今度ということで。笑」
「なんすかそれ〜。冷たいなあ。」
ハルトは口をとがらせて拗ねて見せた。
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