第7話 エロ本を読んでやがる
さほど悪さをしない妖怪どもと暮らすのも、まあ悪くは無いかなと納得はできた。ヤバそうな箇所だけ避ければいい。
ただそれでも、人生計画は大きく狂った。
何しろ、上京して大学に行くつもりだったから、それが無くなったことで、どうしてよいかわからなくなったのが痛い。
流石にニートという選択肢は無いけど、地元に残っても職は無いだろう。
地方都市は本当に仕事が無いのだ。
まだ高校一年。考える時間はたくさんあるが――選択肢はあっても答えは無い気がする。
そんな普通で、少しだけ人から外れたおれは、モラトリアムを謳歌していた。
幸い、それなりに上手く行っていたと思う。
高校に入ってはや半年。頃は十月。大きな問題も無く、三つ目の季節を迎えていた。
臭いものにふたをして。這い寄る不吉な足音から目をそむけて。
淀みから目をそらして。
アイツは、そんな淀みを食うヤツだった。
アイツというのは、今、おれの隣で半裸でエロ本を読んでいる――訂正しよう。
全裸でエロ本を読んでいる女――訂正しよう。
全裸でエロ本を読んでやがる女の人狼だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます