第11話 レンは考える
カールが来てから、早くも半月が過ぎたわ。
相変わらず、ロロやマミはからかってくる。あたしは放っといているけど。
『カールさん、あの子達の言う事は気にしないでね』
『あんまり、気にはしていないよ。俺はウラさんの所に行くから』
『分かった、あたしはルーさんの所に行くわ』
トレーナーさんの元にあたしは行く。ちなみに、ウラさんは男の人でカール担当になっている。背が高くて、ガッチリした人だけど。穏やかで優しい性格だと、ルーさんやカールは教えてくれたわね。
「……あ、
「うん、古野さんはレンと仲がいいですよね」
「はい、レンとは相性がいいですし」
「本当にね、レンの様子を見ていたらわかりましたよ」
「そうですか、ロロやマミともたまにペアを組むんですけどね」
ウラカワさんというのは、ウラさんの本当の名前だ。ルーさんがフルノさんというようにね。あたしはフルノだと言いにくいから、ルーさんと呼んでいるわ。
『キュー』
「……どうかした?レン」
『キュキュ〜』
あたしがしきりに鳴くと、ルーさんはこちらを向いた。とりあえず、ウラさんを見る。
「あ、レン。俺を見てどうするの」
『キュイー』
「……これ、からかわれてるのか?」
あたしはしてやったりとばかりに、ニヤニヤする。ルーさん、苦笑いだわ。
ふーんだ、あたしやカールの事ばかり言うから、仕返しよ。そう思いながら、ルーさんを見た。
「レン、ウラさんは関係ないよ。そんなに見つめないの」
『……キュ』
仕方ないとあたしは鳴いた。ルーさんは頭を撫でてから、魚をくれる。ま、カールとこの先はどうなるか分かんないけど。どうにかなるでしょ。そう思いながら、フンスッと頭の穴から息を吐き出した。
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