第3話 レンの新技?
あたしね、今日は新技の特訓だとルーさんに言われたの。
仕方ないから、付き合うけど。何か、口をパカッと大きく開いて。速めに泳ぐように言われたわ。
「よ〜し、レン。ガオガオダッシュの練習をするよ!」
『キュイ〜?』
あたしは、「また?」の意味を込めて鳴いた。ルーさんはノリノリだけども。意外とガオガオダッシュ、顎が疲れるのよ。口を開けっ放しで泳ぐからか、何かプールの周りにいるお客さんが怖がっているみたいだし。
「……ふっふっふ、レンの迫力を皆に見せつけてやるわ!」
『……キュ?』
あたしはつい、また鳴いてしまう。ルーさんの言っている事はちょっと、分からない。理解がしにくいというか。
そうして、あたしは大きく口を開けて。速めに泳いだ。
「……こ、怖いー!!」
「ど、どうしたの?」
親子らしきヒトの二人連れが何かを言っている。左側が子供のようだわね。その子は女の子のようで、泣きべそをかいていた。お母さんらしき女のヒトはオロオロしながらも、女の子を泣き止ませようとしている。
あーあ、ルーさん。あの子、あたしの新技を見て泣いちゃってるわ。あたしはやれやれとルーさんを見た。
ルーさんは妙に笑いながら、こちらを見ていたのだった。
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