第2話 フューチャーテクノロジー

「世界の歪みを描き、深淵を出現させよ!数多なる生物の苦しみを具現化し、今こそ姿を現せ!『シークレットドラゴン』」


紫の魔法陣が「ウィン」と音を立て、出現し、その上に重なってもう1つの魔法陣が出来上がっていく。


上の魔法陣がクルクルと回転しだし、浮上していくと、そこには半透明、黒紫色のドラゴンが咆哮を上げていた。


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コメント欄


“ドラゴン対決!?”

”怪獣バトルじゃんww鳥肌立つわ“

“wktk”

“久しぶりにこういう動画で興奮するわ。映像がリアルすぎるww“

”このCG誰が作ったんだろ。多分映画制作の広告みたいなやつじゃない?無名アカウントで来シーズンの映画の宣伝してバズらせる手法だと思うわ”

“なるほど映画の広告か!確かにこの制作費用は映画レベルだな“

”絶対覇権やん”

“制作会社どこや!“

多分最後に制作会社とキャストとか出るやろ”



ーーーーーーーーーーー


突進してくるエンシェントドラゴンに咆哮を上げたシークレットドラゴンが光だし、口から煙が出る。その煙が次第に形になっていき、やがてビームとなって解き放たれた。


ビーーーチュン


ドゴオオオオオオオオ


エンシェントドラゴンは、自分の腹に空いた大きな風穴に驚き、そのまま一生目覚めることのない眠りへとついた。


「一応このドラゴンの素材も回収しとくか」


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コメント欄


”なんで「一応」なんだよw売ったら大金になるだろ!“

“ドラゴンのビームカッコ良すぎ“

“この映画は映画館で見ねばならん”

”でも不要なシーン多くないか?移動シーンとか多いし。普通カットしない?”

”確かに。だけどリアルに見せるっていう演出的な?やつかもしれないだろ“


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ウォン


「ん?なんだ?壁が光ってる。俺を祝福してくれてるのか?要らぬぞ。俺は闇に生きる男」


と言いつつ光る壁に近づいていく。


「これ壊したら中から何か出てくるかな?」


光る壁に手を当て呪文を唱える。


「シークレット・パラライズ」


ボコっという音を立てて崩れたタンジョンの壁から出て来たのは、近未来を彷彿とさせる水色に光る丸い溝


円は4個ほど重なっており、あまりの美しさに見惚れてしまった。

何かしたら動きそうな雰囲気が出ているのでどうにか動かしてみたいと考える餡子位


これが扉だったと仮定したら、何か合言葉を言うことで作動するかもしれない。そう考えた餡子位は、相変わらずスラスラ出てくるそれっぽい羅列を発してみた。


「ダンジョンの深層に閉ざされた1つのゲートよ。そこに眠るは深淵。長きに渡り閉ざされた硬い扉は今目を覚ます。混沌の混淆に封印されし魂よ。ダンジョンの主は今足を踏み入れる。開くがいい、フューチャーテクノロジー」


シーン


ま、そうだよな。

汗が滴る。


「パスワード認証しました」

どこかから機械音がダンジョンに響いた。


円がくるくると巻き取られていき、最終的に巻き取られてる部分が棒のようになり、その棒が壁に埋まっていく。


「おいおい、マジで開きやがったぞ…」

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