第22話幻怪 悪路王

「ここは……何処だ……?」

 そこは、黒と白で作られた、モノクロの世界だった。

「敵は……見た感じ、居ないな」

 

 魔物どころか、生物、物さえも、何1つ無い、

例えたなら、紙だ、紙の世界の様に、色は白黒、辺り一面何も無い。 

「もしかしたら、新しい空間を作ったのか……?」


「いや……俺を閉じ込めるには、足りないエネルギー放出量だった」


「もしかして……此処は、時空間の果て……?」


 時空間の果ては、時間と空間が、衝突しあい、

できた、傷だ。

「と、なると……出口は、無い……作るしかない」


「時空間之支配権クロノスマスター」


 一時的に、アルミスが時空間の支配者となった。

だが、支配者になったからといって、此処から抜け出せるわけではない。

「時空間之歪クロノアール」


「………反応無し」


「時空間之生成クロンリスタ」


「!? 徐々に白黒の世界が、色の付いた世界に変貌していく……」


 これは、推測だが、十戒之騎士とやらが、やった

時空間消滅魔法で、時空間軸がズレ、この世界が、生まれてしまった。 なら、時空間軸を戻せば良いのだ。

「フッフッフッ、これで後は、この少女を殺害するだけ……」


「させないけどな」


「!? お前! 誰だ!」


「お前には、教えねぇよ」


 アルミスは、この世界に帰還してきた。 だが、

十戒め之騎士は、それに気づいていない。

「まぁいい、しねぇい! 幻怪之獣 ミヅチ」


「ドラゴンモドキのトカゲか、フッ、笑わせてくれる」


「何が可笑しい! 幻怪最強の獣、ミヅチだぞ!」


「聞いていいか? 幻怪程度で、俺に勝てると思った、頭には脳みそが、ついていないだろう?」


 確かにミヅチは、幻怪の中では、最強だ。 だが、幻怪の中では、だ。 今なら、アルミスの全力の敵ではない。

「軽く飛び膝蹴り 手抜きキック」


「馬鹿にしているのか! 絶対之停止アブソリュートキャンセル!」


「幻怪之獣 悪路王 アテイルン」


 悪の王が、騎士に飛びかかる。 騎士には、とても耐えられない、悪の攻撃が、騎士を狙う……

「悪毒之激怪 アルデベルン」


「何だ……!? この、霧状に放出される、圧壊毒わーー!?」


「言ってしまったな……お前の体を悪路王の、霧状に放出される、圧壊毒が全てを圧壊する」


「要するに……死刑……宣告」


「お前の負けだ。 自分を見つめ直し、更に強くなろうと、しなかったことだ」


 残酷、だが、正当防衛。

「後で……必ず、我ら、十戒之騎士の仲間が……

仇を取ってくれるだろう……」


「遺言を2回聞く日なんて、本当に最悪だ」


「だが、ベリンの治療は、もう完了している。 後は、この洞窟の出口に向かい、王都を目指す」


 アルミスは、難敵 バルトベルゾとノステンレブルを破り、王都へと、向かった。

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