第18話ベリンのノート

ベリンの記録ノート2ページ目

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不審者が、武道大会の観客席に座る。

実を言うと、今は、とてもチャンスだ。

奴、不審者は、危険な反乱因子だ。

それもあくまでも可能性。

だが、アイツは今無賃観戦という、

立派な犯罪を犯している。

しかし、焦りは禁物だ。

アイツがリスティーナと王都の戦争の危険を

もたらす、反乱因子という確証、

せめて、80%ぐらいの、確証がないと、

捕まえたとしても、数万の罰金で済むだろう。

だから、私は、とても我慢している。

「あの〜? 貴方、席に座らないの?」


「席は、おしりが痛くなってしまうので」


「あら〜、そうだったのね、じゃ、ゴメンネ、迷惑掛けて」


「いえいえ、ご心配有難うございます」

 危なかった。 もし、これがえっ〜と、

ちょっと人を探していて、周りを見渡す為に

立っています。とか、え〜と、ちょっと秘密で、好きな人の試合を観戦したいんです。

とか、言ったら警戒されてしまう。

だが、おしりが痛いのは、皆共通の悩みだよね? だから、怪しまれることは無いはず。

不審者は、多分だが……自動放出魔法

オートマジックを準備している。

いまので、確証が50%ぐらまで、上がったな。 観客席の人は、魔法禁止なのだ。

で、オートマジックも立派な魔法なので、

立派に2つ目の犯罪を目撃出来たわ。

決勝の試合は、アルミスがわざと、好感度を上げるような、立ち回りをしている。

わざと、攻撃を食らう振りをして、

最後に最高の剣撃を入れて、好感度爆アガリ

させるつもりだ。

それを不審者も見切っていたみたいで。

「ツマンネ、猿芝居かよ」

確かに猿芝居かもしれない、だが、これで奴の性格が分った。 熱血で多分……

貧困家庭で育ち、親の為にこんな反乱因子等という、仕事をしている。

熱血なので説得さえすれば、何とかなりそうな、部分は、あるな。

 


もうちょっと観察するか。


そして、武道大会終了まで、不審者を観察して気づいた事がある。

多分……あの子は、洗脳されている。

見た感じ、私程度では、解けない、強力な洗脳魔法が、かかっている。

それをアルミスに報告しておこう。


やっぱり、ノートに何かを書こうとすると、

ギシギシ詰めになっちゃうわね……

まぁ、アルミスにその解決策と聞いてみるとしましょうか。


----宿屋貸部屋

 そこには、アルミスがベットで、ポカーンとしている。


「アルミス! 帰ってきたわよ」

 ビックした表情のアルミス、ちょっと好きになっちゃうかも……


「ごめんな……ちょっと武道大会で、やられるフリをしすぎてな……」


「それでも、最後の魔法は、カッコよかったわよ」

 

「ベリン、来てたのか? そうだな、ちょっと苛ついて、本気でうってしまった、だが、回復魔法もちゃんと打ちこんでるから、大丈夫」


 何処が大丈夫? と、思いながら、アルミス達は、次の段階へ進む。危険な反乱因子の"削除"だ。

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