第7話 魔術師、婚約者が家に来る
時間としては半日くらいなものだろうけれど、体感としては一日の馬車移動になる。
早朝というほどではないにせよ、午前中に出発し、到着は夕方になるのだから、移動疲れもするものだ。それでも、どちらかといえば早い方が気楽だと思ったレリア・フィニーは、できるだけ早朝の時間帯に出発し、昼過ぎの到着とした。
顔合わせを初めてしたパーティから、おおよそ一ヶ月。あの日ほどではないにせよ、それなりに緊張しつつ護衛の女性と一緒に馬車を下りて、イングリッド邸の前へ。
深呼吸を一つ、そして中に入れば、ちょうど屋敷から出てきた侍女が気付き、小走りに近寄ってきた。
「いらっしゃいませ、お客様」
「レリア・フィニーです」
「ああ、これは失礼しました。パストラル様はこちらです、どうぞ」
屋敷への通路ではなく、庭を横切るよう移動したので、一体どこへ行くのかと思えば、ぐるりと回って裏手へ。
そこには本邸と比べれば小さい離れと、裏庭があって――そこに。
戦闘訓練をしているパストラルがいた。
ぺこりと頭を下げて去る侍女に、感謝を伝えることすら忘れて見入ってしまう。
相手は老人だ。
パストラルは曲剣――刀を手にしており、老人は無手。何度目かはわからないが、距離を空けて仕切り直し。
老人には随分と余裕があり、パストラルは荒くなる呼吸を一定に保つよう、大きく吐いて大きく吸うことを繰り返しながらも、視線だけは外さない。
じりじりと動く。老人は右へ左へ、一歩、二歩、それを意識しながらも、抜く。
速い。
だが届かず、空を斬るが、片手から両手へ持ち替えての追撃――ああ。
なんとなくレリアは理解する。これは型だ。乱暴な実戦の中で、基本として教わる型がどのような意味合いで、どのような効果なのかを確認しつつ、それを躰に叩き込んでいる。訓練と実戦は別物だと、知り合いの騎士はよく口にしていたが、その誤差を詰めているような状況だろう。
そして、何度かの攻防を終えて、また位置を戻す。四手、いや五手くらいが目安か。
けれど仕切り直して、さらに老人が一歩、後ろへ下がったため、パストラルは僅かに眉を寄せて。
「客だ、小僧」
「ん? ――ああ!」
振り返り、レリアを見た。
「やあ、いらっしゃい。すまない、出迎えもできなかったね。ちょっと待っててくれるかな? 急いで汗を流してくるよ」
「あ、うん」
「ご老体、ぼくの婚約者だから、丁寧に対応するんだよ、いいね? それとも、きみがまともに相手もできないっていうんなら、いつものよう遊び道具を用意しておくけれど?」
「おう、じゃあどっちもだ」
「――欲張りめ」
球遊びの術式を展開してから、レリアに近づいたパストラルは、地面を変化させて椅子を作る。
「どうぞ、座って待っててくれ。愛想のない老人が相手じゃ退屈だろうけどね」
「急がなくてもいいから」
「ありがとう」
けれど、座る前に。
「――お久しぶりです、グロウ様」
「ん、逢ったことがあったか?」
「覚えておられないのも無理はありません。失礼しました、レリア・フィニーと申します」
「……おう、フォードんところの孫娘か。へえ、でかくなったなあ嬢ちゃん」
しかし、と言いながら球遊び訓練装置の中に入れば、一気に二十を越えるボールが出現する。
以前、騎士団の訓練場で見たものとは違い、それぞれが握りこぶしより少し小さいくらいで、かつ、形が違う。円形、三角、トゲ、四角の四種類だ。色ではなく形状でそれぞれ対応を変えており、また、壁も湾曲していて当たり前に跳ね返ってはいない。
「あの小僧の婚約者か。お前、そりゃ苦労するぞ、大丈夫か。どうせフォードも関わってんだろうがな、ちょいと心配にならあな」
「今のあたしには判断がつきません。まだ知り合って間もないですから」
「それもそうか、まあ座ってろ。見ての通り、俺なんかただのジジイだ」
「では失礼して」
座った瞬間、まるで羽毛に包まれたかのような感覚に驚く。自重のぶんだけ沈み込み、圧力をほとんど感じず、極上の布団でもこうはいかないと思うくらいの心地よさだ。
「良い椅子だろう? 昼寝をしたら夕方だったことがあってな、それ以来は使わないようにしてる」
「なるほど、これは確かにそうなります」
移動疲れもあって、油断したらすぐ眠りそうになる――が、緊張感がそれをさせない。
だって今、目の前にいるのは、グロウ・イーダーなのだから。
彼は冒険者だ。
そもそも冒険者を国で囲うことは、どの国でも禁じられている。これは冒険者ギルドが大陸全土に展開しているのと同じく、大陸全土でのルールだ――が、国が冒険者を認めることを禁じられてはいない。
彼は国に貢献する依頼を達成しながらも、国からの褒賞を面倒だからの一言で断った。その上で、五人は育てる、という依頼を引き受けた人物だ。普段、仕事の違いはあれど、騎士と冒険者は相いれないなどと言われているが、この国の騎士団にとっても、グロウの名は誰もが知っており、尊敬の念を持っている。
いうなれば、魔術師であるところの大公老師と同じだ。
「ラルくんは弟子、ですか? 育成はもうしない――と、聞いていましたが」
「ん? 弟子ってほどじゃねえな、せいぜい遊び相手だ。今もこうして遊んでる」
ふらふらと揺れ動くだけに見えて、全てのボールに対応しているのだから恐れ入る。それこそ、彼にとっては子供の遊びと同じ感覚でしかないのだろう。
「ただ二年くらいか? 基礎から教えて、今じゃ刀の扱いもそこそこ上手くなってやがる。ここらで失敗させて戒める時期だが、小僧はそこも理解してるだろ。暇がありゃ外で魔物狩りもやってるしな」
「――実戦を?」
「俺も小僧も騎士じゃねえよ、実戦でどこまでやれるかで生死がわかれる。小僧もそういうオーダーで最初からやってたからな」
「最初って……」
「始めた時からだ。そこの護衛のねーちゃんよりは、有事の際にはできるだろうぜ。ま、護衛の役割はその有事を起こさせないことだ。役割は違うか」
レリアなら、四年前。
今でさえ、まだ学校に通うのは来年だからと甘んじているのに、パストラルはもう既にそこまで深く考えて、自分の行動を決めている。大人に見えたのは、そういう部分なのかもしれない。
「ごめん、お待たせ。そこのご老体が余計なことを言ってなければ良いけど」
「ちゃんと話し相手になってもらえてるから」
「そう?」
「うん。けどラルくん、販売されてる魔術品の改良は禁止されてるよ?」
「え? ――あれ、おかしいな。確かに言ってなかったけど、てっきり知ってるかと。彼の口が堅いってことかな。これ、ぼくが作ったものだから」
「――へ?」
「騎士団の訓練場を見たことはあるかな。あれもぼくがやったんだよ」
「え、っと……どっちも、売ってるのも訓練場も使ったことあるけど、え、そうなの」
「うん、ぼくが訓練で使うついでに、そこのご老体が若い連中を育てるのに楽しめるからって」
「いい遊び道具だろうが。俺にとっちゃ難易度の調整が問題だがなあ」
ひょいと囲いの中から出たグロウは、もういいぞと言い、パストラルはそれを消した。
「今日はこのくらいにしとくか。嬢ちゃんもゆっくりしてけ」
「はい、ありがとうございます」
「ご老体、涼しくなってきたんだから、ふらふらしてないで奥さんのところに行くんだよ」
「おう」
「じゃあレリアさん、……うん、呼び方はこれでいいのかな?」
「呼び捨てでいいよ」
「その方が婚約者っぽいか。レリア、中に入ろうか。客間の用意もしてあるから。もちろん、そちらの女性にも」
護衛の女性は、ぺこりと頭を下げた。
「ふうん、騎士からの出向かな」
「うんそう」
騎士団は国に属しているが、貴族の護衛などでこうして派遣されることが多い。貴族なら誰でも申請できるし、騎士側の覚えが良ければ、指名されることもある――が。
逆に、貴族の行いがそのまま騎士を通じて国へ報告される機会でもあり、貴族側も丁寧に扱わなくてはならない。仮に、護衛中に騎士が死亡したのなれば、表向きは訓練不足で申し訳ありません、と謝罪をしつつも、状況を徹底的に調査し、少しでも違和や第三者の手が入っていたのなら、それこそ没落するところまで一直線に落ちることさえあった。
持ちつ持たれつ。
後ろめたいことがなければ、当たり前の制度である。
「ラルくんはどうして離れに?」
「本館には兄さんがいてね、今は王都の学校に通ってるから、こっちに戻って来ることはないけれど、それなりに来客もあるし、ぼくはぼくで研究室が欲しかったんだ。属性の適性なしっていう土産を片手に、いろいろ交渉して離れを占拠したってところかな」
「占拠……?」
「今は、どうかな。ちょっと手狭になってきた、なんて言うと、兄さんも父さんも嫌そうな顔をするから、ぼくを押し込める箱としては丁度良いと思ってるんだろうけど。さあ、ここが客間だよ」
ベッドは一つ、テーブルもあるが、それほど狭くは感じない。もちろんレリアの使っている自室と比べれば狭いが、寝泊りをするだけなら充分だ。
ただ。
「離れにしては広すぎない?」
「うん、本来ならぼくが寝る部屋だからね。でも昔から広いところは苦手で、別の場所を寝室にしてるから、ここが客間なんだ。護衛の騎士さんも、隣の部屋に寝れる場所があるから、そっちを使って」
「ありがとうございます。レリア様、荷物はどちらに?」
「テーブルの上へ」
「はい」
「ああそうだ、先に言っておかないと。離れの中は自由に動いてもらって構わないけど、あちこち触るのは避けた方がいいかな。いくつかの術式を試験的に配置してて、危険性そのものはないけど、それは致死性がないってことだから、まあ、うん、たぶん大丈夫だとは思う」
「すごく不安な言葉をありがとう」
「いやあそれほどでも」
「褒めてないから」
「騎士さんが退屈だろうし、たぶん見ておきたいと思ったからさ。あ、――でも地下はやめておいた方がいいかもしれない」
「あら、地下なんてあるんだ」
「設置型の術式がいろいろ混ざってて、こっちも致死性はないけど、そこそこ屈辱的な展開になると思う。あ、じゃあ移動しながらにしようか」
こっちだよと、とりあえず部屋を出る。
「以前、箱庭の術式に興味を持った時に、丁度よく囲いが作れる地下室で実験をしたんだよね」
「ちょっと待って。箱庭って……?」
「あーそこからか、うん、じゃあ落ち着いてからにしよう。ここがぼくの活動場所だよ」
そこが、いつも使っている大部屋だ。
中央付近に横長のテーブルがあり、そこには一つの椅子がある。最近は来客も考えて小さめのソファを買ったが、部屋の済にぽつんと置いてあるだけで、あまり使われてはいない。その隣にも木の椅子があるけれど、そちらも同様だ。
本棚は背の低いタイプで、簡易テーブルとしても使えるが、横長になっており、椅子の反対側にある。というのも、壁側はガラス棚になっており、魔術素材などを収納しているのだ。加えて背が伸びた今はともかく、以前は低い方が楽だった。
騎士の女性が驚いたよう周囲を見渡し、それを見てパストラルは小さく笑う。
「――、あ、ごめん、なんていうか」
「うん?」
「魔術師の部屋だ」
「うん、そりゃそうだ」
そうではない。
これは熟練の、学校を卒業して二十年、魔術の研究をし続けるような人物の部屋なのだ。学校に行く前の子供の部屋とは思えない。
片鱗は見えていた。実際に見せられた――けれど、ここまでとは思っていなかった。
「レリアはそこの椅子に座って。ぼくはこっちの椅子を持っていくよ」
部屋の隅にある椅子を移動させ、対面になる位置に腰を下ろした。
「騎士さんは、さっき言ったよう、自由にしてもらって構わないよ。鍵がつけてある部屋に入らなければね。それと、侍女が一人いるけれど、彼女はしゃべれないから、そのつもりで」
「え、ええ、ありがとう。では少し、失礼します」
さてと、そこで一度区切って。
「箱庭っていうのは、ある種の結界で、求めるものによって違うんだけど、疑似的な小さな世界を作る術式かな。たとえば、部屋を作る。まずは広さを確認して、テーブルや椅子、本棚、ベッド、そういった家具を配置して、過ごしやすい場所にする――そういうのを術式でやるんだ」
「……ケージの中で小動物を飼うから、環境を整えておくみたいな?」
「そうそう、それで合ってる。護衛向きだね」
「護衛?」
「ほら、相手を箱庭の中に入れちゃえば、手のひらサイズのキューブで持ち運びできるし、本人は整えられた部屋で快適に過ごせる。ぼくはまだ、自分が入ってどうにかする方法は持ってないけど、それもあるみたいだ」
「ともかく、それを地下に作ってみたと」
「そうそう、奥に大事なものを置いている想定で、適当な箱を目印にやったら、ちょっと常人だと当たり前に奥まで到着できない迷宮ができあがって」
「……迷宮が」
「できたんだ」
「えーっと……解除は」
横を向いたパストラルは、頬杖をついた。
「果てしなく面倒だから、ほら、現実から逃避をし続けてる。そもそも、外側から解除できるようなら、箱庭としての意味合いはないからね」
「つまり」
「突破して奥にある箱に触れれば、解除ができるよう設定はしてあるけど、あのご老体に頼んだら、入り口で、クソ面倒だから現実逃避しとけって」
あのグロウ・イーダーに言わせてもクソ面倒だとは、それはもう誰にも突破できないような気がした。
「あ、そうだ、箱庭はもういいとして」
「うん」
「どうして戦闘を? 魔術師だよね?」
「今、ぼくが目指しているのが人形を作ること。いわゆる
それは、先天的なものだ。
「ぼくは、何かを作ることができないんだ」
「――え?」
「構成は組めるけど、発動はしない」
「でも魔術品は作ってるでしょう?」
「そうだね。でもぼくは、きみの祖父がそうであるよう、剣を作ることはできないし、水を球体にすることはできても、ボールを作り出すことはできない。ぼくは庭木の枝を切ることはできても、切るためのハサミは作れないんだ」
「……」
そういった、先天的なものを魔術師が持つことは、ある。いや、魔術師でなくとも人間ならば、得意があれは不得手があるよう、何かしら偏っているものなのだが、何より。
それを自覚して、不運とも思えるような境遇の中で当たり前のよう活路を見出していることが、すごいと思えた。
「接近戦闘もできない魔術師なんて、すぐ死ぬって以前に言われたことがあってね。物品が作れないなら、作ってある得物を持つしかなくなる――それこそ、技術で仕事をする冒険者みたいにね」
言って、パストラルは少し笑った。
「ま、そうじゃなくても、手を出していたとは思うよ。なんであれ、魔術師としていろいろ発想を得られたし、今も得てる」
「なんでもやってみた方がいいかな? どっちつかずにならない?」
「仕事なら、まずはそっちに集中すべきだろうけど、ぼくたちはまだ子供で、学校にも通ってないし、学校だって基本的には将来の可能性を広げるために行くものだよ? 何でもやってみるべきだと思うけどね。それが役に立つのは、もっと先になってからさ」
「そっか」
「かつてぼくが言われて、いつも教訓にしているのはね――できる、できないは言い訳だ。やるかやらないかを決めろ、って言葉があるんだ」
「それは……ちょっと厳しくない?」
「あはは、まあそうだね。現実にできないものもあるけれど、でも間違いじゃない。だから何かしたいなら、協力するよ。滞在は五日間だったかな」
「じゃあ、とりあえず娼館と酒場に行きたい」
「あー……」
素行調査かと、ため息を一つ。
「わかった、明日にでも行こうか」
「それと、あたしにも使えそうな魔術って何かある?」
「使うだけなら、何でもできるよ。それが魔術だから」
「え? だって特性が合わないと……」
「
「うん」
「あくまでも属性種別の場合のことだけど、これは魔術全体にも言える。得意だから、水を10とした時、ほかが5や3くらいになるから、使えないと判断するんだけど、実際には弱体化するってだけで、使えてはいるんだ。あとは、魔術師がどうそれを利用するのかが問題になる」
「それはほかの術式でも同じなの?」
「そのはずだよ、ぼくはいちいち比較したことがないから、実感したことはないけどね。術式に個人差があるのも、そこが原因だ。わかりやすいのだと……そうだな、
「えっと」
なんだったか、少し考える。
いくら家を継ぐ必要がなく、また、フィニー家が魔術師を輩出しない家系だったとしても、祖父があのフォード・フィニーであることから、魔術に関連する書物は家に多くある。暇があれば読んでおけと、上の兄たちも言われていたし、レリアもそうして育ったから、知識だけはある――はず。
その優位性も、パストラルが相手では、あまり通用しないようだが。
「思い出した、おじいさまの得意な次元式の応用で、荷物入れみたいな」
「ぼくも使ってるけど、簡単な術式さ」
「簡単……?」
「だって鞄を作るようなものだから。で、問題になるのは、その鞄に何が入るのか――刃物を入れるなら、鞘がいい。本を入れるなら四角形が便利だし、ロープやボトルを入れておくなら、それこそリュックがいいよね。そうやって条件付けをしておくんだけど、誰でも作れるんだ。けど、たとえばサイズが違ったり、中に入れられるものが違ったり、人によって違う結果になってしまう。限界がある……と、表現したらいいのかな」
「ああ、重すぎて持てない」
レリアだとて魔術師の端くれだ、術式の結果を現実と照らし合わせることくらい、当然のようにできる。
「鞘にしたから、刃物しか入らないし、四角形にしたら丸いボールは入らない」
「そういうことになるね。――ああ、ありがとうシディ」
「あ……」
いつの間にか隣に来ていた侍女が、紅茶を二つテーブルに置いた。
「彼女はぼくの婚約者のレリアだ」
侍女は、笑顔を浮かべて二人を見ると、前で手を合わせ、丁寧に一礼した。顔を上げたところで、よろしくとレリアも応えると、侍女はそのまま背を向けて部屋を出ていく。
「驚いた。いつの間に」
「こっそり移動するのが得意なのさ。でもシディの言う通り、今日はこのくらいにしておこう。移動疲れもしているだろうからね」
「ああ、それでお茶を持ってきてくれたのね」
「馬車かな? 水系の術式が使えるなら、車輪を水で覆ってクッションにすると、揺れが収まるよ。効率化するなら、接地面だけに球体を触れさせるとかね」
「……そんな発想はなかった。術式で柔らかいクッションは作ったんだけど」
「維持が大変なら、改良もできる」
「うん。じゃあ、明日? とりあえず、
「いいね。ぼくは魔術のことくらいしか詳しいものがないし、助かるよ」
謙遜ではなく、本気でそう思っているらしいあたりが、パストラルの本質かもしれない。
ただ、今のレリアには、そこまでの理解はできなかった。
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