第7話 すべての出来事には意味がある
先輩は約束は絶対に守ると約束してくれた。マイペースな性格ではあるが、俺は彼女のことを信用している。だって今まで幽霊部員である俺に対して優しく接してくれているからだ。
先輩が約束を守ると言ってくれているのだから、信じなければ失礼に当たってしまうだろう。
なんだかんだ俺は先輩のことを尊敬しているというわけである。
要件はこの話のことだけだったらしく、帰っていいとの許可が下りたので俺が絶賛下校中にある。久しぶりに舞にお土産でも買っていこうか。
実は舞、結構甘党なのだ。友達には内緒にしているらしいが、家の冷蔵庫の中には常に甘いものが入っているほどの甘いもの好き。
俺も甘いものは好きだからたまに分けてもらうのだが、そのたびに舞は俺に対して感想を求めてくる。
可愛らしい奴だ。
ということで今日は舞に何か甘いものでも買っていくことに決めた。ちょうど今日学校で女子が新商品が発売されたという話をしていた。
今日発売らしいのできっと舞もまだ知らないだろう。
持って帰って喜んでる舞の姿でも見て癒されよう。
「いらっしゃいませー」
とりあえず近くのデパートの中にある最近できたスイーツ店に足を運んでみた。店内はオシャレに装飾されていて、俺みたいなやつが来るところではないということが嫌でも分かる。
(たくさん種類があるな、どれがその新商品なんだ?)
どうも初めてきたものでどれが求めているものなのか分かったもんじゃない。店員さんに聞くしかないのだろうが…俺に出来るか?
陰キャコミュ障の俺に果たして店員さんに話しかけることが出来るのか。見渡す限り店員さんは皆女性だ。
大学生くらいの若くてお上品そうな女性が多い。
流石はスイーツ店だな。
まあこんなことを考えていても埒が明かない。どうせ買って帰るには店員さんに話しかけるしか方法はないのだ。
妹を喜ばせるためだ。覚悟を決めろ、俺。
そう決意して一番近いところにいる店員さんに話しかけようとしたところ…トントン、と肩が触られた。
最初は誰かの手が間違って当たったのだろうと無視したのだが、すぐさま追撃のトントンが来たので間違いではないらしい。
「こんなところで何してるの、真翔?」
この声は聞き覚えがある。つい昨日まで深い関係にあった人と酷似している。いや、似ているではないだろう。
「葉月?」
だってそれは本人だったのだから。
「どうして葉月がここにいるんだ?今日、学校休んでただろ?」
「元気になったから」
確かに葉月は元気そうだ。まるで獲物を目の前にしてテンションが上がっている肉食獣のように。
葉月も甘いものが好きなのは知っている。きっと葉月も新商品を求めてここに足を運んだのだろう。
まさかまた彼女と話す時間が来るとは思っていなかったな。葉月ももう俺とはあまり話したくないだろうと思い、その場を離れようとすると…
「ちょっと待ってよ」
「え?」
「私の質問にも答えてよ。なんで黙っていこうとするの?話は終わってないよね?」
「…ごめん」
なんだろう、葉月怒ってる?なにか昨日までの葉月とは違うような。
「えっと…なんでここにいるのかだっけ?」
「うん、まさか女の子のためにってわけじゃないよね?」
「女の子っていうか、舞のため…かな」
「舞ちゃん?」
「うん、舞甘いもの好きだからさ。今日新商品発売って聞いたから舞に買っていこうと思って」
元カノに何を話しているのだろうか俺は。
「葉月のそれ目当てだろ?」
「…そう、そうなんだ。私は
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投稿遅れて申し訳ないです。
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