第20話
赤い手帳 3
手帳を落としたのは女性であり、同じ会社に居て、その時間は残業でAさんとは触れ合う程の時間差であった、と言うことは分かる。落としたその女性もそれを拾ったのは同じ会社の誰かである、と確信していることだろう。精神状態もそれを境に乱れているはずである。
亡くなったkさん、手帳を落としたCさんはこのビルのどの階の社員なのか。
Aさんはごく普通の青年であ趣味はギターで、アコースティックと呼ばれるものをかなり上手に弾くことができる。会社のサークルにも入っている。Aさん、これからはこのAさんを本名の藤井と呼ぶ。
藤井はサークルの女性社員の堀さんと話をする機会を作り他の階の情報を得ようと連絡を取り次の日曜日に渋谷で会う事になった。
個人的に二人で会うのは初めての事である。
堀さんはなかなかの美人でこの手帳の問題がなければ一歩も二歩も踏み出せる相手では無い。
当日、日曜日。快晴。
二人はルノアールと言う喫茶店に入った。
落ち着いた雰囲気の中でAさんは緊張気味である。
堀「貴方からデートの誘い。ちょっと驚きね、何かあったの?」と嫌味なく話し始めた。
藤井「この前貰った譜面の分からないことがあって」と取り止めもなく話し始めて、なんとか話をkさんの話へもっていった。
すると、堀の居る3回ではその話で色々情報が流れていると話した。
堀「私、一つ気になる事があるの」と藤井に話し始めた。
この話に藤井の心は揺れ始めた。
藤井「何?」と聞き返した。
堀「今回の事件とは関係ないんだけどね。
うちの課の課長のパワハラが話題になってい
るの。」
「今までもそんな感じだったけど、最近は
ちょっと目に余るわ」
藤井「最近?」
堀「そう」
藤井の頭は忙しく動き始めた。
それから取り止めのない話をして別れることになったが、又会う?の問いかけに堀は意外にも嬉しそうに「良いですよ」と答えた。
藤井の心は一気に弾んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます